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「もはやジンバルは不要」GoProのウッドマンCEO「HERO7 Black」を日本披露

GoProは25日、新アクションカメラ「HERO7」シリーズを日本で披露。米国本社から創設者兼CEOのニック・ウッドマン氏も来日した。ラインナップは「HERO7 Black」、「HERO7 Silver」、「HERO7 White」の3機種。最上位「HERO7 Black」は4K/60p撮影対応で、「HyperSmooth」という強力な電子式手ぶれ補正機能も搭載。動画をライブ配信する機能も備える。価格はBlackが53,460円(税込)、Silverが41,580円(税込)、Whiteが31,860円(税込)で、発売日は9月27日。

「HERO7 Black」を手にする、創設者兼CEOのニック・ウッドマン氏

「数万円のジンバルを購入する必要は、もはやない」

各モデルの詳細は既報の通り。最上位のHERO7 Blackは、1,200万画素のセンサーを搭載。4K/60p、2.7K/120p、1080/240pでの撮影が可能。8倍のスローモーション撮影にも対応する。バッテリは取り外し可能。

「HERO7」シリーズ。左から Black、Silver、White

最大の特徴は、強力な電子式手ぶれ補正機能「HyperSmooth」を搭載した事。「ジンバルを使用しているかのようなビデオスタビライゼーションが可能」と謳っている。さらに、撮影している映像のライブ配信に対応。配信サービスはFacebook、Twitch、YouTubeが選択できる。

HERO7 Black

ウッドマン氏は新製品開発にあたり、「ユーザーが何を求めているのかを重視した。(GoProのハンディスタビライザーである)Karma Gripを使わず、カメラそのものにジンバルを内蔵しているかのような強力な手ぶれ補正機能、そして体験を迅速に届けられるライブ配信機能を搭載した製品を開発した」とし、HERO7 Blackを紹介。

強力な電子式手ぶれ補正機能「HyperSmooth」

強力な電子式手ぶれ補正機能「HyperSmooth」は、社内のエンジニアが開発。「HD画質に移行した時と同じくらいの進化であり、数万円するジンバルを購入する必要は、もはやない。(アクションカメラという)特定のカテゴリに新しい基準をもたらすものであると同時に、デジタルビデオ撮影市場全体に大きなインパクトをもたらすものだ」と、革新性をアピール。その効果を示す、マウンテンバイクのダウンヒルや、ジンバルを搭載しないドローンにHERO7 Blackを搭載し、動きの激しいカーレースを空撮した動画などを上映した。

GoPro: Introducing HERO7 Black with HyperSmooth

ライブ配信は、GoProのスマホアプリとHERO7 Blackを連携して実現。ウッドマン氏は、自身が実際にGoProのフォーミュラカーに乗り込み、ヘルメットにHERO7 Blackを装着、ポケットのスマホと接続し、スマホからFacebookへとライブ配信した動画を上映。「車を降りて配信した動画を見返し、リアルタイムにもらったコメントを見ていると、あの経験をもう一度追体験しているようなユニーク気分になった」と語る。

ウッドマン氏
ウッドマン氏自らが、フォーミュラカーに乗り込み、スマホからFacebookへとライブ配信
GoPro: Introducing HERO7 Black - Shaky Video is Dead

さらにウッドマン氏は、「映像のフレームレートや解像度ではなく、カメラを使うユースケースを劇的に広げ、体験をもっと簡単にキャプチャし、共有できるようにした」とHERO7 Blackの魅力を紹介した。

HERO7 Blackは、1,200万画素の静止画を、秒間30コマで撮影する事も可能。RAW形式の撮影もサポートし、HDR撮影ができるWDR(ワイドダイナミックレンジ)静止画撮影モード用意。「Protune」モードでは、ホワイトバランスやISO感度の制限など、細かな設定にユーザーがアクセスでき、より最適な設定で撮影できる。

ウッドマン氏は、「自動でプロ並みの静止画が撮影できる“スーパーフォト”機能。設定しておけば、HDRモードを選ばずに、HDR、ノイズリダクションなどをカメラが判断して最適な撮影をしてくれる。低照度下でも撮影できる」とアピール。

上部
右側面
底部

オーディオ機能も再設計。ダイナミックレンジが拡大し、新しいメンブレン(膜)の採用により、カメラをマウントした状態での振動音も軽減したという。ハウジングを使わず、本体のみで水深10mまでの撮影が可能な防水機能も搭載しているが、「マイクの穴に水が入っても、はやく抜けるように改善している。小さな進化ではあるが、使っていただければ素晴らしい機能だと感じていただけるはず」と自信を見せる。

さらに、街を歩く様子や、車でドライブしている行程など、長時間の移動をタイムラプスでコンパクトな動画にまとめる「TimeWarpビデオ」モードも紹介。

また、Instagram Storiesなど、SNSへの投稿を想定して縦向きの撮影をする「ポートレートモード」も用意。これは、実際にカメラを縦向きにするだけで、カメラ側が「ポートレートモード」で撮影したいのだなと認識し、縦向きの設定で撮影できるようになる。撮影動画はワイヤレスでスマホに転送し、15秒、30秒などのショートクリップに編集。手軽にSNSにアップロードできる。

カメラを縦向きにするだけで、カメラ側が「ポートレートモード」で撮影したいのだなと認識し、縦向きの設定で撮影できるようになる

カメラにはGPSやWi-Fi + Bluetooth機能も搭載。背面に2型のディスプレイを備え、撮影映像の確認や、タッチ操作が可能。タッチズーム機能も搭載する。UIも刷新し、「スマートフォンライクなものになった。これもユーザーからの要望に応えたもの」だという。

スマートフォンライクに刷新されたUI

音声での本体コントロールも可能で、音声による起動もサポート。HDMI出力を備え、外部マイク入力もサポートする。外形寸法は、62.3×33×44.9mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は116g。

動もサポート。HDMI出力を備え、外部マイク入力もサポート

HERO7 SilverとHERO7 White

HERO7 Silverは、1,000万画素のセンサーを搭載。4K/30p、1440/60p、1080/60p撮影が可能。静止画は秒間15コマで、連続10枚までの撮影に対応する。WDR静止画撮影も可能。「HyperSmoothビデオ」ではないが、手ぶれ補正機能も搭載。Blackと異なり、バッテリの取り外しはできない。

HERO7 Silver

ハウジング無しでの水深10m防水機能も搭載。背面に2型のタッチディスプレイを装備。音声制御、タイムラプス撮影などもサポートする。音声での起動はサポートしない。GPSとWi-Fi + Bluetoothを搭載。外形寸法は、62.3×28.3×44.9mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は94.4g。

HERO7 White

HERO7 WhiteとSilverとの大きな違いは、4K撮影に対応していない事と、GPS、WDR撮影機能を省いている事。映像は最大1080/60pまでの撮影となる。静止画は秒間15コマで、連続10枚までの撮影に対応。手ぶれ補正機能も搭載する。バッテリの取り外しはできない。

1,000万画素のセンサーを搭載。SNS向けの縦向きポートレートモードを搭載。ハウジング無しでの水深10m防水機能も搭載。背面に2型のタッチディスプレイを装備。音声制御、タイムラプス撮影などもサポートする。外形寸法はSilverと同じだが、重量は92.4gと少し軽い。

「スマホの延長線上だが、スマホが到達できないところに持っていける」

ウッドマン氏は、GoProアプリの進化にも触れ、「カメラとアプリのエコシステムは常にアップデートし、より便利に、新機能も追加している。オートダウンロード機能も備えた。自動で編集してくれるQuikStories機能では、撮影した映像の笑顔や、大きな動き、雄叫びを上げた瞬間などをカメラが認識しており、その情報も活用しながら自動編集してくれる」という。

アプリで素材となるクリップを選び
アプリが自動的に編集してくれるQuikStories機能

こうした機能は「スマホの延長線上にあるものと言えるが、しかし、スマホが到達できないところに持っていける。それこそがGoProの特徴だ」とアピール。

「GoProは、ユーザー自信が、彼らの体験を共有する事で作り上げたブランド。だからこそ、彼らが求めるモノを作りやすい。HERO7 Blackでは、41,000円するKarma Gripの機能を、コストを追加する事なく、カメラの中に搭載でき、HERO6とほぼ変わらない価格でお手元に届けられる。素晴らしい機能を、素晴らしい価格で。これもカスタマーからの要望によるものだ」と締めくくった。

また、発売を記念し「HERO7 Black Million Dollar Challenge」と名付けた企画もスタート。HERO7 Blackのユーザーが投稿した動画を使い、GoProがHERO7 Blackのハイライトビデオを作成するもので、ビデオが採用された人へ、100万ドルを受賞者全員で均等に分割して贈呈するという。

GoPro: HERO7 Black Million Dollar Challenge