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4,000万円のレーザー8Kプロジェクタ「INSIGHT Laser 8K」
2018年10月9日 21:19
デルタ電子は、レーザー光源を採用し、8K解像度に対応した業務用DLPプロジェクター「INSIGHT Laser 8K」の販売を開始した。放送や医療・科学研究、パブリックビューイング、テーマパーク、プラネタリウム、シミュレーションなど様々な業務用途を見込む。10月より順次出荷を開始。価格はオープンで、想定価格は約4,000万円。
既報の通り、台湾デルタ電子、英デジタル・プロジェクション、アストロデザインの3社共同プロジェクトによる8K DLPプロジェクタ-。主にデルタ電子が空冷や放熱・電源回路、製造を担当。デジタル・プロジェクションが全体の設計・開発、アストロデザインがインターフェイスや信号処理部などを担っている。
DLP方式のレーザープロジェクターでは世界初となる8K解像度(7,680×4,320ドット)に対応。3板DLP方式を採用し、アスペクト比1.90:1の1.38インチDarkChip DMDデバイスを搭載する。
デバイスそのものの解像度は4Kだが、RGBYのサブピクセルを高速表示(左上・右上・右下・左下)させることで8Kの映像表示を実現。8K表示のための信号処理やマッピングのアルゴリズムなどは独自開発という。
高出力の青色レーザー光源を多数配置し、25,000ルーメンもの高輝度を達成。20,000時間以上の長寿命も実現する。コントラスト比は20,000対1(Dynamic Laser Driving時)。BT.2020色域のカバー率74.4%で、HDR(HLG)信号にも対応した。
独自の色調整機能「ColorMax」やモーションブラーリダクション機能のほか、ガンマ調整やRGBゲイン調整などの映像調整機能も搭載する。
入力端子は12G-SDIが4系統、3G-SDIが16系統。アップデートでDisplayPort 1.2(4系統)入力にも対応する。8K/60p入力の他、4K(24p/48p/60p/120pなど)、2K(24p/48p/60pなど)入力をサポートする。
ファンノイズは最大55dB。消費電力は最大3,800W。レンズ、本体下部のハンドルを除いた外形寸法は、703×1,000×479mm(幅×奥行き×高さ)。重量は132kg。
富士ソフト/アキバシアターに体験ショールームも
デルタ電子は9日、INSIGHT Laser 8Kの日本販売開始に合わせて製品発表会を開催。
来日したデルタ創業者・名誉会長のBruce Cheng氏は「18年冬の8K実用放送、そして2年後の東京五輪を控える日本は非常に重要なマーケットだ。東京五輪は日本が持つ最先端映像技術を世界にアピールする絶好の機会となるだろう。昨年の開発発表後、INSIGHT Laser 8Kを様々な企業へプロモーションしたが反応も上々だ。8Kという映像革命の一端を担えることを光栄に思うと同時に、8Kの更なる普及・発展に貢献したい」と述べた。
またデジタル・プロジェクションCEOのKengo Ka氏は「25,000ルーメンもの高輝度を実現する8Kプロジェクターは他に存在しない。3,800Wにも達する高圧電源と密封した光源モジュールを効率的かつ安全に冷却・放熱できたのも、電源や冷却に知見を持つデルタグループの強みだ。また8Kの映像処理技術に長けたアストロデザインの協力も大きかった。この8Kプロジェクターは大画面かつ高品質な映像が提供できる。多くのユーザーを満足させることができると確信している」と語った。
なおデルタ電子は、東京・秋葉原にある富士ソフト「アキバシアター」にINSIGHT Laser 8Kを常設(要事前予約)。「INSIGHT Laser 8K」の体験ショールームを用意すると同時に、関連機器やコンテンツ制作企業の8K技術普及を支えるビジネスパートナーのプラットフォームとして今後提供する予定という。