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松竹と為末大がVR事業を本格始動。8K歌舞伎やお化け屋敷、VTuberも

松竹は27日、為末大氏が社長を務める会社・侍、カディンチェと共同で5月に設立した新会社のミエクルにおいて、VRコンテンツ開発などの事業を本格始動すると発表した。歌舞伎やお化け屋敷、お笑いコンテンツのVR化、VTuberプロデュースなどを手掛ける。

VR歌舞伎映像の制作などを展開

ミエクルは、VR/AR/MRやAIなどの先端技術を活用した新しいコンテンツやサービスの開発による新たなエンターテインメント領域の創出を目的とした会社。「Entertainment×Technology」をテーマに歌舞伎やお笑いコンテンツのVR化、お化け屋敷のVR化に取り組み、国内だけでなく海外での事業展開も進める予定。社長は松竹の取締役事業副本部長 井上貴弘氏。為末大氏はチーフ・マーケティング・オフィサーを務めている。

2020年の東京オリンピックと2022年の北京オリンピックを視野に入れ、最新のテクノロジーを活用したスポーツ領域や、超高齢化社会の課題を解決するヘルスケア領域でのコンテンツやサービスの開発も行なう。

松竹が国内外で展開している歌舞伎は、VRや8Kを用いて舞台を撮影して、新たな観劇のスタイルに取り組む。10月に兵庫県豊岡市の永楽館で開催された「第十一回永楽館歌舞伎」はVR・8Kで既に収録しており、ヘッドマウントディスプレイを通して、近畿最古の芝居小屋「永楽館」の最前列での臨場感溢れる観劇を体験できるという。この映像は、12月27日から西武池袋本店にて開催中の「歌舞伎の世界展 The 2nd」で視聴でき、今後は歌舞伎関連施設での試写会予定。さらに、ARを活用した新たな演劇コンテンツの開発を進めている。

お笑いは、よゐこ・濱口優が主宰するコント集団「はまぐちコントサークル」のコントを360度カメラでVR収録。まるでコントの中に入り込み、芸人に囲まれるような感覚でライブの視聴体験ができるという。さらに、モーションキャプチャやボイスチェンジの技術とグループ内のタレントマネジメントの知見を活かし、VTuberなどの次世代型タレントプロデュースに取り組む。

「はまぐちコントサークル」の映像をVRで

松竹は20年に渡ってお化け屋敷を運営しており、東京タワーなどで開催している。時代劇の映画スタッフと美術スタッフが関わる「本当に怖いお化け屋敷」として国内外で人気という従来のお化け屋敷に加え、来夏からは、小規模なスペースでも実施可能な「VRお化け屋敷」を予定。海外でのVRお化け屋敷の展開を進める。

松竹のお化け屋敷がVR化

そのほか、観光客に曇天時や雨天時も星空を楽しんでもらう観光VR映像も展開。また、バレエダンサーの演技を詳細まで把握できる360度映像制作と動作解析サービスの実験も行なっており、他のスポーツでもコンテンツ/サービス開発を進める。

【プロジェクト例】
・歌舞伎等の演劇関連VR映像の制作
・VRを活用した「お笑い」コンテンツの制作
・VRを活用した体験型「ホラー」コンテンツ、サービスの開発
・観光VR映像の制作
・VTuberの開発及びコンテンツ運営
・スポーツ関連VR映像制作、動作解析サービス
・高齢者、障がい者向け健康増進プログラムの開発