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“ポタ研”開催。DITAの新ドライバ搭載「PROJECT 71」など新イヤフォン多数
2019年2月4日 00:05
東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックが主催する「ポータブルオーディオ研究会(ポタ研) 2019冬」が、2月2日に中野サンプラザの15階で開催された。ヘッドフォン/イヤフォンの国内外メーカーが、初披露モデルを含めた新製品を出展するイベントで、入場は無料。新開発ダイナミック型ドライバーを搭載したDITAブランドのイヤフォン「PROJECT 71」などが披露された。
DITA
S'NEXTのブースでは、新開発ダイナミック型ドライバーを搭載したDITAブランドのイヤフォン「PROJECT 71」を展示。発売日は2月22日で、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は128,000円(税込)。全世界300台の限定モデルとなる。
新開発「DDT3.0」ドライバーを搭載。筐体は、古くから管楽器で多く用いられている真鍮と、ギターの指板等に用いられる硬い木材・マカッサルエボニーを精密加工したものを組み合わせている。
広がりのある低域と伸びのある中域、DITAサウンドの特長でもあるレスポンスの良い鮮やかな高域を実現し「一音一音に含まれる演奏者の細かな感情までが伝わってくるような、エモーショナルなサウンドを体感できる」という。
PC-Triple C長結晶無酸素銅を採用した「OSLOケーブル」(1.2m)を同梱。絶縁用のオイルコーティング剤は、深海鮫の油・スクワランオイルにシルバーとゴールドのナノ粒子をブレンドしたもの。プレーヤー側のプラグは、変更可能な独自のAWESOMEプラグを採用する。プラグは3.5mm/3極、2.5mm/4極、4.4mm/5極を同梱する。なお、PROJECT 71同梱の「OSLOケーブル」は、3月中旬を目処に単品発売予定だ。
S'NEXTブースではさらに、finalブランドの試作モデルとして、高級ヘッドフォン「D8000」で開発された平面磁界型ドライバーの技術を活用した、新しいタイプのヘッドフォン「D6000」のプロトタイプを展示。平面磁界型ドライバーを搭載しながら、通常のヘッドフォンと比べ大幅にコンパクトな、耳掛け式になっているのが特徴。音を確認できる試作機も用意されていた。
ミックスウェーブ
これまでもイベントで参考展示されていた、Unique Melodyの新イヤフォン2モデルが、より製品版に近い形で参考展示された。どちらも2月、3月頃に発売予定で、筐体をチタンを使った3Dプリンタで作っているのが特徴。
「MAVEN」は店頭予想価格223,000円前後で、ホワイトゴールドコーティングされたステンレススティール製音導管を採用。ドライバーはバランスドアーマチュア(BA)×11で、構成はLow×4、Mid×2、High×4とCustom Semi-open BA For T.F.A.T(Targeting Frequency Adjustment Technology)も搭載する。
「MIRAGE」は134,000円前後。ホワイトゴールドコーティングされたステンレススティール製音導管を採用。BA×3基で、構成はLow×1、Mid×1、High×1。Zero-Resonance Directional Transmission(Z.R.D.T)技術を採用。Knowlesと共同開発したフルオープン型BAを使っており、これはUnique Melodyのみ使用できるユニットだという。
qdcからは、人気のイヤフォン「NEPTUNE」のワイヤレス番、「NEPTUNE BTX」を参考展示。3月、4月発売予定で、店頭予想価格は40,000円前後。
Bluetooth 5.0に対応し、コーデックはaptX、AAC、SBCに対応。プロファイルはA2DP、AVRCP。3種類のEQカーブを搭載。IP5Xの防塵と、IPX4の防水性能も備える。バッテリの持続時間は最大約4.5時間、充電時間は約1.5時間。
さらに、Beat Audioのケーブル「Silversonic MKVI」も参考展示。5月、6月発売予定で、店頭予想価格は17,000円前後。導体には高純度銀メッキ銅を採用し、導体数は4本。入力端子は3.5mm、2.5mm 4極、4.4mm 5極、3.5mm 4極、Lightning端子を、イヤフォン側の端子はMMCX、カスタム用2pin、MDR-EX1000、qdc/UEカスタム向け、AKG-MMCXに対応する。
「Silversonic MKVI 8-Wire」は、7月、8月発売予定。35,000円前後の予定。高純度銀メッキ銅の導体を、8本採用。入力端子は3.5mm、2.5mm 4極、4.4mm 5極、3.5mm 4極、Lightning。出力はMMCX、カスタム用2pin、MDR-EX1000、qdc/UEカスタム用、AKG-MMCXを用意する。
ALO audioからは、ケーブル「Super Litz Wire Earphone Cable」も展示。2月発売予定で、店頭予想価格は24,000円前後。導体は高純度銀メッキ銅で、導体数は4本。入力は3.5mm、2.5mm 4極、4.4mm 5極。イヤフォン側の端子はMMCX。
FiiO
「FA7」は、ユニバーサルタイプのイヤフォンで、今冬発売未定。米Knowles製のBAドライバーを4基搭載したユニバーサルタイプのイヤフォン「FA7」と、そのサウンドチューニングが異なるバージョン(開発コードFA7J)を展示。このFA7Jは、日本向けの音質にチューニングしたものだという。昨年12月に開催された「ポータブルオーディオフェスティバル2018冬 東京・秋葉原(通称:ポタフェス)」でも展示されたものだ。
今回のポタ研では、「FA1」というモデルと、その日本向け音質チューニング版「FA1J」も参考出品。両者の音の違いを体験できるようになっていた。
話題のポータブルハイレゾプレーヤー「M6」も展示。1月24日に発売したばかりで、価格はオープンプライス。実売は20,500円前後。コンパクトかつラウンドフォルムの筐体が特徴で、ESS製DAC「ES9018Q2C」と、低ノイズ・低歪と高出力を両立した新アンプ回路を搭載。192kHz/24bitまでのPCMと、5.6MHzまでのDSDネイティブ再生に対応する。
FiiOのサイトからSpotifyやRoon、Deezer、Sony headphonesなどのホワイトリスト登録済みアプリを、ユーザーがダウンロードして追加できるのが特徴。1月31日のファームアップデートにより、Amazon Music/Radio World/SoundCloud/TuneIn Radioにも対応した。
音茶楽
音茶楽ブースでは、オークヴィレッジの匠の技と音茶楽の音響技術を融合したというコラボイヤフォンの最新作「Flat4-楓III(KAEDEIII)と「Flat4-緋楓III(AKAKAEDEIII)」を出展。4月初旬発売で、価格はどちらもオープンプライス。音茶楽 Sound Customizeでの販売予定価格は10万円。各100台の限定販売を予定している。
ダイナミック型のドライバにCNF(セルロースナノファイバー)複合振動板を採用。CNFはすべての植物の基本骨格物質で、鋼鉄の1/5の軽さながら、5倍以上の強度を持つのが特徴。不要な共振も少なく、振動板素材として最適だという。ユニットの口径は10mmだ。
振動板の必要な部分をCNFで強化する事で、伸びがあり、拡がりのある高音域と、力強い低音域を両立。センターキャビネットには心地よい響きを持つ楓材に、拭き漆仕上げを施した。
内部に溝を設ける事で定在波を軽減し、より拡がりのある音を追求。位相補正チューブには漆塗りを施し(Flat4-楓IIIは黒漆、緋楓IIIは朱漆)、全ての部品の響きの調和を図っている。
音響回路には、位相補正チューブを使った「ツインイコライズドエレメント方式」を採用。カナル型の音質劣化の原因となる、外耳道を塞ぐ事によって生じる6kHz付近の共振を抑えている。ユーザーの外耳道の長さと位相補正チューブの長さを合わせるとより音質が良くなるため、外耳道長が標準の人用の楓IIIと、長めの人用の緋楓IIIをラインナップしている。
ブースにはこのFlat4-楓III/緋楓IIIに加え、バランス接続ケーブルモデルも参考展示。来場者の反響を踏まえ、製品化を検討するという。
JVCケンウッド
JVCケンウッドブースでは、謎のイヤフォン3機種が登場。2つはウッドドライバを搭載したもので、もう1つは搭載ドライバも秘密なイヤフォン。この3つ目はこれまでのJVCケンウッドイヤフォンの筐体とも違った形状で、中身が気になるモデルだ。
また、モチモチした質感の新開発イヤーピースも、前回のイベント出展から、よりブラッシュアップした形で登場。4.4mm接続のバランスケーブルも参考出品し、こちらも、要望が多ければ製品化を検討しているという。
光城精工
KOJOのブースでは、これまで何度もイベントに出展、ユーザーの声を反映させて約1年をかけて開発、真鍮を筐体に使ったイヤフォン「KJB01」の最終サンプルが登場。4月頃の発売をイメージしており、価格は5.5~7万円程度になる見込み。