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BenQ、“シネマカラー”を追求した短焦点4K/HDRプロジェクタ。19.8万円

ベンキュージャパンは、DCI-P3カバー率95%を実現した4K/HDR対応のDLPホームシアタープロジェクター「HT3550」を4月下旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は19.8万円(税込)。

BenQ HT3550

0.47型の単板DMDチップ(10bit)を搭載。DLPの画素ずらし技術を使って、3,840×2,160解像度の描写を実現する。「昨年発売のHT2550やTK800などと同じサイズのDMDを採用するが、HT3550では最新世代のDMDチップを採用している」という。輝度は2,000ルーメンで、コントラスト比は30,000:1。

“監督が思い描いた色を再現するCinematic Color”を特徴とし、DCI-P3で95%、BT.709は100%のカバー率を実現する。ISFccc認定キャリブレーションにも対応。高いコントラストで黒の再現にも優れ、映像の深部や細部が鮮明に再現できるとしている。

HT3550は、DCI-P3カバー率95%を実現する

HDR信号はHDR10とHLGに対応し、Ultra HD Blu-rayやBS 4K放送などのHDR映像を楽しめる。独自のAuto HDR Color RenditionとCinemaーOptimizedテクノロジーを採用したHDR-PROを搭載し、3D映像に対しても高い臨場感で描写するとしている。

HDR10とHLGに対応。HDR10入力時は、メタデータも読み込んでいるという
独自のカラー/トーンマッピング技術を組み合わせたというHDR Pro技術を採用する

搭載する映像モードは、ブライト/ビビッドTV/シネマ(Rec.709)/Dシネマ/サイレンス/ユーザー(HDR/HLG/ISF Night/ISF Day/3D)。

カラーホイールは、RGBRGBの6セグメント。リフレッシュレートは、2D時が96/100/120Hz、3D時が120Hz。高画質化技術の「CinemaMaster Video+」や高音質化技術「CinemaMaster Audio+2」を搭載する。

MaxxAudioのアルゴリズムを取り入れたCinemaMasterオーディオエンハンサーを搭載

10枚8群のオールガラスレンズで、光学ズームは1.3倍。独自の低分散レンズコーティングにより、色収差を抑えクリアな映像が楽しめるとする。明るさはF1.9~2.47で、f値は12-15.6mm。「5畳でも使用可能」とする短焦点構造を実現。約1.48mで60型、約2.5mで100型の大画面が楽しめる。投写画面サイズは30~300型。台形補正機能も搭載する。

レンズのフォーカス/ズーム/シフトは全て手動。天面のスライドシャッターを開けて、各種操作を行なう

光源は高圧水銀ランプで、寿命は4,000(通常時)~15,000時間(スマートエコ時)。

HDMI端子は2系統で、HDMI 2.0/HDCP 2.2に対応。18Gbps信号の入力もサポートする。5V/2.5A電源供給対応のUSB Type A(3.0)、USB Type mini B端子を各1系統搭載するほか、RS-232、12Vトリガーの制御用端子を備える。光デジタル音声出力、アナログ音声入力(ステレオミニ)を用意し、5W×2chのステレオスピーカーを搭載する。

動作音は28dB(静音モード時)/30dB(標準)。消費電力は最大350W。外形寸法は約380×263×127mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約4.2kg。

天面の操作ボタン
背面端子部

DCI-P3色域100%カバーのシアター特化モデル「HT5550」

HT3550の発表と合わせて、現在開発中とするホームシアター用プロジェクター「HT5550」もアナウンスされた。'19年の発売を予定するが時期や価格は未定。

HT5550

4K/3,840×2,160解像度と独自のHDR Pro技術を採用し、DCI-P3色域を100%カバーした「画質にこだわるシネマユーザーに特化したモデル」。デバイスはHT3550と同じ0.47型のDMDで、光源は高圧水銀ランプ。

HT3550と大きく異なるのは光学部。HT5550では、11枚のオールガラスレンズを採用し、1.6倍ズームを実現。DLP機ながら、上下60%・左右23%の広いシフト域を可能とした。

光学部を大幅強化。上下60%・左右23%のシフト域を実現する

レンズをセンターに配した、新筐体を採用。外装は高級感のあるブラックカラーをベースに、マット加工を施すことで、シアタールームでの不要な反射や迷光にも考慮。レンズ周辺には防塵用のフードも備える。

天面にレンズシフトのコントロールリングを備える
背面
新製品を説明したベンキュージャパンのプロダクトマネージャー兼副部長Jimmy Fan氏

4Kプロジェクター市場で国内シェア37%を獲得

HT3550の発表会で登壇した、ベンキュージャパン代表執行役社長の菊池正志氏は「ベンキューが日本でプロジェクターを投入したのが2004年。当初は本当に苦労したが、2011年頃のフルHDモデル投入をきっかけに認知が始まり、おかげさまで2018年には4Kプロジェクター市場でNo.1のシェアを獲得するまでに至った」と現状を報告。

「今回発表したHT3550は、ハイエンドとエントリーの中間に位置するもので、まさに“ストライクゾーン”のモデル。我々はHT3550を始めとし、'19年には更に多くの4Kプロジェクターを投入する。4Kに求められる画質や機能を探求し、日本のシネマユーザーに納得して選んでもらえるような製品群を用意し、4Kプロジェクターの市場を更に拡げる」と語った。

ベンキュージャパン代表執行役社長の菊池正志

ベンキュー・アジアパシフィック社長のJeffery Liang氏は、4Kプロジェクター市場の現状を説明。「日本を始め、中国、ベトナム、タイ、インドなど、アジアの広域にわたって、我々の4Kプロジェクターが支持されている。2018年は、4Kプロジェクターの市場が4.2倍へと大きく広がった。まだまだこの市場は広がると見込んでいる。今後も更に多くのユーザーへ、魅力ある製品を届けるつもりだ」と抱負を語った。

4Kプロジェクタージャンルにおいて、ベンキュープロジェクターは日本国内で約37%のシェアを獲得したという
ベンキュー・アジアパシフィック社長のJeffery Liang氏