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大日本印刷、「次世代ステルス空間」を開発
2019年3月5日 12:46
大日本印刷は、様々なセンサーを使って室内の人間の動きやコミュニケーションの状況などをリアルタイムに把握。それに合わせて、存在を意識させない設備機器を使い、照明の色を変えたり、音を出すなどして、人の自然な行動を促す「次世代ステルス空間」を開発。3月5日~8日に東京ビッグサイトで開催される「JAPAN SHOP 2019」のDNPブースでプロトタイプを公開する。
センサー機器の進化により、室内の人の動きや温・湿度、二酸化炭素濃度などの環境情報に加え、会話の内容からコミュニケーションの状況など、さまざまな情報をリアルタイムに把握できるようになっている。
それらで収集した情報を、照明や空調、音響などの設備機器にフィードバックする事も可能だが、従来の機器が見える設置形態では、その存在自体が空間内の違和感の対象と感じてしまい、「人の自然な行動を促すにあたっての阻害要因となっていた」という。
そこで、光や音を発する機器を壁や天井などと一体化させ、機器の存在を意識させずに、室内の状況に合わせて光の色を変えたり、音を発することで、人の自然な行動を促すのが「次世代ステルス空間」となる。
五感が受け取る光や音などを、照明やスピーカーなどの機器からではなく、あたかも空間を構成する壁や天井等の部材から発するのが特徴。機器と一体化した壁や天井が、人の動きや声のトーン、温・湿度や二酸化炭素濃度などを感知し、場の状況に応じて、光の色や明るさを変え、発する音の内容や大きさなどを最適化する。
壁や天井などの空間を構成する部材が機器と一体化したステルスな状態であるため、機器がアクティブに作動していない時は、空間の表層を彩る木目などの建装材として機能する。
「JAPAN SHOP 2019」で公開するプロトタイプでは、村田製作所が開発した会議空間のコミュニケーション状況を可視化するセンシングデータプラットフォーム「NAONA」と、日建設計とDNPが共同開発によるフルカラーLED照明一体型壁装材を連動。会議の参加者に対して、参加者相互のコミュニケーションの状況という目に見えない情報を、光の色や明滅などの動きによって可視化。次に取るべき自然な行動を促すことで、「空間自体が質の高い会議をファシリテート(活性化)する」という。
DNPでは今後、オフィスやホテル、住宅や店舗、教育施設や医療・介護施設などに向けて、可変する建装材と各種センサーを組み合わせたハードウェアと、制御プログラムや操作インターフェイスなどのソフトウェアをパッケージ化したシステムとして「次世代ステルス空間」を提供。将来的には、利用履歴を使ったコンサルティングなどのデータビジネスの展開も目指している。