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ヤマハ、ネットワーク再生やAlexaに対応した約2.7万円のサウンドバー「YAS-109」

ヤマハは、ネットワークオーディオ機能を追加し、Alexaにも対応した新サウンドバー「YAS-109」を7月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は27,000円前後。

新サウンドバー「YAS-109」

YAS-108の後継モデルで、サブウーファ内蔵のスリムなサウンドバー。新機能として、ネットワーク再生機能を搭載。2.4GHz帯のWi-Fiを内蔵し、SpotifyとAmazon Musicなどの音楽配信サービスが利用可能。Spotify Connectに対応し、プレミアムとフリーの両アカウントが利用可能。ネットワーク再生の対応ファイルは、MP3/WMA/AAC/Apple Lossless/WAV/FLACで、WAV/FLACは192kHz、Apple Losslessは96kHzまで対応する。

AmazonのAlexaにも対応。音声で音楽再生などを指示したり、天気予報などを聞く事も可能。ボリューム操作、入力切替なども音声でコントロールできる。

ネットワーク再生用に新アプリ「Sound Bar Controller」も新たに開発。Android/iOS用に提供するもので、直感的な操作でSpotifyなどの音楽再生を操作できる。

新アプリ「Sound Bar Controller」

従来モデルと同様に、DTS Virtual:Xに対応。天井にスピーカー設置をせずに、高さ方向を含めたサラウンドを仮想的に再現。前方、左右、後方に加え、高さ方向の音場もバーチャルで再現できるという。

このDTS Virtual:Xと5種類の音場プログラムの重ねがけも可能。映画、音楽、ゲーム、スポーツ、TV番組から選択でき、よりコンテンツにマッチしたバーチャルサラウンドが楽しめるという。

デコーダとしては、5.1chまでのリニアPCM、ドルビーデジタル、ドルビープロロジックII、DTS、5.1chまでのMPEG-2 AACに対応。ドルビーTrueHDや、Atmos/DTS:Xのデコードには対応していない。

マルチチャンネルソースだけでなく、ステレオ音声入力時でもアップミックス機能により、バーチャル3Dサラウンドが楽しめる。さらに、低音を増強する「バスエクステンション」機能も備えた。人の声などを聴き取りやすくする「クリアボイス」も利用できる。

高さ53mmのスリムな筐体

高さ53mmのスリムな筐体を採用。エッジ部分に丸みを持たせたデザインで、前モデルは下部方向に向けて末広がりな筐体だったが、新モデルでは上部の方が大きく、下にいくにつれてコンパクトになっている。ファブリックで表面を覆っており、テレビ周りに溶け込みやすくしている。

左がYAS-109、右がYAS-108

ユニット構成は、低・中・高域再生用に、7.5cmサブウーファー、5.5cmフルレンジ、2.5cmツイーターをそれぞれ2基ずつ搭載。最大出力計120Wのパワーアンプを内蔵。内訳は30W×2ch(フロント用)、サブウーファ用が60W。前モデルと比べ、ユニットを新しいものに変更。高効率なバスレフポートも搭載している。

HDMIはARCもサポート。入力端子はHDMI、光デジタルを各1系統搭載。アナログ音声入力は省かれた。HDMI出力は1系統。LAN端子や、サブウーファ出力も装備。別途サブウーファを追加する事もできる。

背面端子部

HDMIは4K/60p映像の伝送ができ、HDCP 2.2にも対応。HDR映像もサポートしている。消費電力は30W。ボイスコントロールスタンバイ状態では4.3W。外形寸法は890×131×53mm(幅×奥行き×高さ)、重量は3.4kg。壁掛けにも対応可能。リモコンを同梱する。

Bluetooth受信にも対応しており、スマートフォンからワイヤレスで音楽再生が可能。プロファイルはA2DP、コーデックはSBC/AACに対応する。圧縮された音楽を再生する際に、失われた高域などを補いながら再生する「ミュージックエンハンサー」も搭載。なお、前モデルは2つのデバイスと同時に接続できる「マルチポイント接続」に対応していたが、新モデルでは省かれた。

音を聴いてみる

前モデルのYAS-108と、新モデルYAS-109を比べてみると、サウンド面ではクリアさが大きく進化。DTS Virtual:Xと音場プログラムの重ねがけで、サウンドバーながら広大な音場が体験できるが、その空間に定位する音像のシャープさや、音場の見通しの良さなど、スピーカーとしての基本的な音質がアップしていると感じる。

そのため、映画コンテンツだけでなく、ネットワークオーディオ再生での2ch音楽や、スポーツ番組の音声なども、より聴き取りやすく、自然なサウンドに聴こえる。

低音を増強する「バスエクステンション」機能や、人の声などを聴き取りやすくする「クリアボイス」も引き続き利用できるが、音質の総合的な向上により、低域の分解能もアップ。サッカー中継では、会場の歓声に解説者の声が埋もれがちになるが、クリアボイスを使うと、音像と背景音の分離が明瞭に。その明瞭さも、より磨きがかかった印象だ。

使い勝手の面ではAlexaに対応した事がトピックだが、リビングなどに設置し、家族皆が使う製品であるサウンドバーにおいて、音声操作に対応した点は、利用頻度の拡大に繋がりそうだ。映画の鑑賞だけでなく、テレビをONにしていない時でも、Alexaに話しかけてジャズをBGM風にサウンドバーから流すなど、既存のサウンドバーイメージに囚われない使いこなしができそうだ。