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SOULNOTE、USB DAC搭載SACDプレーヤー「S-3」。新無帰還回路採用、128万円
2019年11月6日 15:23
CSRは、SOULNOTEブランドのSACD/CDプレーヤー「S-3」を12月下旬に発売する。価格は128万円。カラーはプレミアム・シルバーとプレミアム・ブラックの2色。
メカの振動や電源ノイズなど、ドライブメカ内蔵のデメリットを回避し、「クロック同期に特化した究極のデジタル再生システム」として提案するSACDプレーヤーで、USB DACなども搭載。「SOULNOTEのノウハウを全て投入した結果、今までのSACDのイメージを払拭する、熱くパワフルでありながら繊細で自然な音場と澄み渡る空気感を両立する」という。SOULNOTEの2ndステージモデルと位置付けているプリメインアンプA-2、フォノイコライザーE-2、DAコンバーターD-2の上位シリーズとなる、3rdステージモデルの第一弾。
SACD、CD(CD-R/CD-RW)対応のプレーヤー。デジタル入力としてUSB 2系統、同軸1系統、AES/EBUも備え、USBはPCM 768kHz/DSD 22.6MHzまでサポートする。DACチップはESS製「ES9038PRO」を片チャンネル2個、合計4個使用。チャンネルあたり120mAの電流出力を、Type-R Circuit初段直前でIV抵抗1本により電圧に変換する。
アナログ回路に、新開発の無帰還回路「Type-R Circuit」を搭載。高周波用バイポーラトランジスタ4個と抵抗8本のみで構成する完全バランス電圧増幅回路で、初段はゲインの無い差動合成。唯一ゲインを発生する2段目は対アース増幅のシングルエンド。出力段バイアスはLEDからトランジスタ熱結合にすることで、従来22Ωだったエミッタ抵抗を1Ωまで下げた。シンプルながら電源ノイズを排除できる構成で、ドライブ力と鮮度の高さが際立つという。
クロックは、45fsの低ジッターDDS「LMX2594」から出力されるマスタークロックでDAC からSACDメカまで完全同期。USBやLANによる伝送を伴わない、DAC主導I2S完全同期(ES9038PROの128fsモード)となる。外部クロック(10MHz)の接続も可能。基準クロックの切り替には高周波リレーを使用し、ジッターの付加を防ぐ。
本体内部のほとんどを占める電源回路は、アナログ系電源だけでなく、デジタル系電源もSACDメカニズムの下に詰めこんだ大量のフィルターコンデンサによる無帰還電源となっている。
内部のアナログ信号/電源供給の線材には、全て発泡テフロン被覆銅単線のSOULNOTEリファレンスケーブルを使用。これを直接基板に半田付けすることで接点を排除している。
単体DACのD-2にも搭載しているNOS(ノンオーバーサンプリング)モードを採用。FIRオーバーサンプリングのインパルス応答で観測されるプリエコーやポストエコーを防げるという。なお、DSD(SACD)再生時はNOSモードにはならない。
電源トランスはデジタル系とアナログ系を分離、それぞれ独立したサイドアルミベースにマウント。トランスの振動はそれぞれのベースから1点スパイク接地で排出する。ダブルトランスの弱点とされる2つの振動源による混変調を避けながら、モーターやデジタルノイズのアナログ電源への混入を排除した。
トランスベースはチタンスペーサーにより3点で浮かせたアルミサイドとのサンドイッチ構造。ダンプを避けつつ共振を排除する最適な材質/構造/形状とした。
SACDメカはD&M製で、アルミ削り出しベースを通じて、1点スパイク接地でマウント。振動をダイレクトに排出し、メカニズムの物理的位置を確定する、理想的な構造としている。
筐体は、SOULNOTE 2ndシリーズで採用しているフローティング天板構造を進化させ、天板自体がステンレススパイクでシャーシに掘られたスパイク受けに3点で接地。アルミ天板を部分的に切削し軽量化することで、天板が無い状態の音質に近づくようにチューニングしたという。
アナログ出力はXLRとRCAが各1系統。アナログ出力レベルはXLRが5.6Vrms、RCAが2.8Vrms。デジタル入力はUSB 2系統、同軸1系統、AES/EBU(またはZERO LINK)1系統を備える。USB入力の対応サンプリング周波数は最大768kHz(PCM)/22.6MHz(DSD)。同軸デジタルは最大192kHz(PCM)/2.8MHz(DSD64 DoP v1.1)。
全高調波歪率は0.008%、消費電力は50W。外形寸法は460×393×170mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約26kg。リモコンや、スパイク、電源ケーブルが付属する。