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Amazon Music HDでDolby Atmosやソニー360RA楽曲配信。Echo Studio発売
2019年12月4日 19:45
Amazonは4日、間もなく出荷が開始されるスマートスピーカー新機種「Echo Studio」などを使った音楽体験を紹介するイベントを開催。この中で、立体音響のDolby Atmosやソニーの「360 Reality Audio」に対応した楽曲をEcho Studio向けに12月5日から配信開始すると発表した。
Echo Stidioは、5つのスピーカーユニットと最大出力330Wのアンプを備え、1台で広がりのある音で音楽を聴けるのが特徴のEchoシリーズ上位モデル。Amazon Music HDで配信される、Dolby Atmosや360 Reality Audio(360RA)に対応した「3Dミュージック」音源を立体感のある音で楽しめる。部屋の環境に合わせて「配置場所にかかわらず最良のサウンドが出せるよう、音楽再生中に継続的に音を調整する」という機能も備える。価格は24,980円で、12月5日より出荷予定。
12月5日配信開始のDolby Atmosや360 Reality Audio楽曲は、当初「数千曲」をラインナップ。例えばEcho Studioに「アレクサ、3D音楽をかけて」と話しかけると「Best of 3D」プレイリストを再生するほか、「3DでHIP HOPをかけて」などでも対応楽曲を聴ける。サンプル楽曲を体験したところ、ホールの音響を再現したような広がりのある音で楽しめた。
日本でスマートスピーカーのEchoシリーズが発売されてから約2年。アマゾンジャパンのAlexa エクスペリエンス&デバイス事業部 リージョナルディレクター Alexa アジア パシフィックの大木聡氏は、Echoシリーズの普及に「音楽が深く関わっている」とし、購入者の87%が音楽再生に利用していることや、再生平均時間は、Alexa Cast機能による再生を除いても週に5時間以上に及ぶという点を紹介。
新しいEcho Stidioについては、9月に開始した高音質配信サービス「Amazon Music HD」との親和性の高さに触れ、「月額1,780円、年契約で1,480円相当(年額17,800円)というCD1枚より安い価格で、CDクオリティ以上を提供する」点を強調。その高音質を存分に活かせるというEcho Stidioを、シリーズの“大トリ”として投入するという。
Amazon Alexaによる声の操作とストリーミングサービスの自由度により、多くの新しい楽曲に出会えるようにすることで生まれる「より多くの音楽を、高音質で聴きたい」という要望に対し、Amazon Music HDと、Echo Studioの組み合わせが「現時点で最良の回答」とした。
Amazon Music事業部門 副社長のスティーヴ・ブーム氏は、Amazon Musicを現在50カ国近くで展開し、世界各地で生まれたヒット曲が楽しまれているという現状を紹介。Amazon Music HD導入の理由について、米国市場は2/3がストリーミング配信であるのに対し、日本はCDなど物理メディアが現在も強い点に触れ「音質へのこだわりが強いことの表れ。ストリーミングを採用する上で阻害となっていたのが音質だとわかった」とした。
ストリーミング黎明期に比べ、ネット通信の高速化やストレージの低価格化が進んできたことから、ブーム氏は「これまでは利便性が音質を犠牲にしてきたが、そういった時代は終わる」とし、Amazon Music HDが日本におけるストリーミングサービスの浸透に大きく寄与するとの見方を示した。
Amazon.comのAudio Technologyディレクターを務めるフィル・ヒルメス氏も「Echoデバイスにとって音楽が最も重要なユースケース」とし、中でもEcho Studioが対応したDolby Atmosや360 Reality Audioをアピール。「クラブやホールで音楽を聴いた時のような音の体験は2chのスピーカーでは難しかったが、3D技術に対応したことで“アーティストの意図した形”で音楽を聴ける」と説明。
また、Echo Studioならではの特徴として、AmazonデバイスのFire TVシリーズを使ってワイヤレスでホームシアターのサラウンド環境も構築可能という点を紹介。Echo Studioをテレビの脇に2台置いて、Fire TV端末(Fire TV Cube 第2世代、Fire TV Stick 4K、Fire TV 第3世代)と同一のネットワークに接続すると、Prime Videoの映画などがワイヤレスのサラウンド音声で楽しめるという。