ニュース

ソニー360 Reality Audioが今秋に欧米で配信開始。Amazon Music HD等で約1,000曲

ソニーとソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツは16日、没入感のある立体的な音場を実現する新音楽体験「360 Reality Audio」の提供を開始すると発表した。今年秋に欧米などから、Amazon Music HD、Deezer、nugs.net、TIDALの4つのストリーミングサービスを皮切りに、マーク・ロンソン、ファレル・ウィリアムズ、ビリー・ジョエル、ボブ・ディランなどの約1,000曲を新フォーマットで順次配信する。

ソニーが提案する360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティーオーディオ)は、オブジェクトベースの空間音響技術を用いた新しい音楽体験。コンテンツ制作時には、アーティストやクリエイターの創造性や音楽性に従って、ボーカル、コーラス、楽器などの音源に位置情報をつけて球状の空間に配置することが可能。また再生時には、アーティストと同じ空間にいるかのような、音に包まれる体験が楽しめるとする。

サービス開始時点での、対応ストリーミングサービスは、Amazon Music HD、Deezer、nugs.net、TIDALの4つ。いずれも定額課金制サービスを予定しており、具体的なサービスプラン・展開国・地域は各社により異なる。

秋以降、順次1,000曲の配信を予定しており、ソニー・ミュージックほか、ユニバーサルミュージック、ワーナーミュージック、ライブ・ネーション・エンタテインメントと協力し、コンテンツの拡大を目指す。

具体的な対応コンテンツには、マーク・ロンソン、ファレル・ウィリアムスなど著名アーティストの楽曲に加え、ビリー・ジョエル、ボブ・ディランなどの往年の名曲も提供予定。さらにライブ・ネーションが運営する施設で行なわれたチャーリー・エックス・シー・エックス、コーダラインなどのライブ音源100曲以上も配信予定。

360 Reality Audioコンテンツは、ヘッドフォンで再生可能

サービス開始時点では、ヘッドフォンやスピーカーで試聴可能。

Deezer、nugs.net、TIDALの場合は、対応アプリをインストールしたスマートフォン(Android/iOS)があれば、全メーカーのヘッドフォンと組み合わせて楽しめる。ソニーが推奨するヘッドフォンと、スマートフォン専用アプリ「Sony | Headphones Connect」を使うと、より没入感のある体験が可能。スマートフォンで撮影した耳の画像から、独自開発したアルゴリズムで聴感特性を解析することで、音場を一人一人に最適化するという。

なお、Amazon Music HDの場合は、対応スピーカーのEcho Studioで再生が行なえる。

Amazon Music HDの場合、サービス開始時点では、対応スピーカーのEcho Studioで再生が可能

今後幅広い機器で使えるようにするため、Amazon Alexa、Google Chromecast built-inといったプラットフォーム、及びMediaTek、NXP Semiconductors、Qualcommのチップセットでの対応に向け、各社と検討を進めている。

ソニーはライブ・ネーション・エンタテインメントのほか、ソニー・ミュージック、ユニバーサルミュージック、ワーナーミュージックと協力してコンテンツの拡大を進めるとともに、音楽スタジオなどとコンテンツの制作環境の整備も進める。米国ではBattery Studios、Chiller Sound、Live Nation Content Studioなど、イギリスではThe Crypt Studioなどで、既に制作が可能で、今後も拡大予定としている。

提供開始のアナウンスと合わせ、欧州最大の応用研究機構に属しているフラウンホーファー IISと共同で、360 Reality Audioミュージックフォーマットの規格書を提供。同フォーマットによる音楽体験を、クリエイターやアーティスト、音楽ファンに向けて広く提案し、新しいエンタテインメントの創出を目指していく。