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エソテリック、VRDS-ATLASと自社設計DAC採用のSACD「K-01XD」と「K-03XD」
2020年2月7日 16:05
エソテリックは、一体型SACD/CDプレーヤーのリファレンスモデルを進化させた「K-01XD」と「K-03XD」を3月1日に発売する。価格はK-01XDが175万円、K-03XDが110万円。
ドライブメカの新プラットフォーム「VRDS-ATLAS」を採用したほか、フラッグシップGrandiosoの開発で培った完全自社設計の「Master Sound Discrete DAC」を搭載した、SACDプレーヤーの「XD」エディション。両モデルのドライブは異なり、K-01XDは上位モデルと同じ「ATLAS 01」、K-03XDは「ATLAS 03」を搭載。また、電源回路などにも違いがある。
K-01XD
30年以上に渡って進化を続けてきたVRDSメカニズムの新プラットフォームVRDS-ATLASを採用。「フラッグシップモデルGrandioso P1X、K1Xに採用されたVRDS-ATLASリファレンスメカニズムの資質を余すところなく継承した」というK-01XD専用のVRDS-ATLASメカニズムを採用した。
K-01XDに搭載する「ATLAS 01」は、上位モデルと同一の20mm厚ブリッジを採用。高い剛性と重量により、音質に影響を及ぼす振動を減衰する。ターンテーブルは、音質に定評のあるジュラルミン製で、SS400スティール製ブリッジはVRDS-NEOよりも大型化。スピンドル軸受けは、上位モデル同様スティールボールによる点接触のスラスト軸受けで、摩擦や回転ノイズを極限まで抑える設計とした。
電源部も大幅に強化。合計4つの大容量トロイダルトランスを搭載し、DAC部のL/R、メカニズム、デジタル回路をそれぞれ専用の電源トランスから給電する。
電源レギュレーターは集積回路を使わないディスクリート構成で、フィードバック量を最小限とするローフィードバックDCレギュレーターを採用。力強く開放感溢れるサウンドを実現したという。また、合計71本(合計容量1,850,000μF/1.85F)のスーパーキャパシター(大容量コンデンサー)を搭載。電源の大容量化で、低域の解像度などが向上したという。
VRDS-ATLASトランスポートメカニズムはシャーシのセンターに配置。5mm厚のスティール製ボトムシャーシに固定して、独自のピンポイントフットで3点支持。これにより回転メカニズムの振動を効果的に抑制した。シャーシ内部はダブルデッキ(2階建て)構造で、主にオーディオ基板を上層、電源回路やトランス類を下層に配置。磁束漏れや振動などの影響を防ぎ、電源供給の配線を最短化している。
トップパネルはネジで締め付けないセミフローティング構造。伸びやかで開放感のあるサウンドを引き出すという。
USB入力はDSD 22.5MHzやPCM 384kHz/32bit再生に対応。PCMを2/4/8/16倍(最大768kHz)にアップコンバートする機能や、PCMからDSDへの変換機能を備える。MQA-CDのデコード再生や、USBなど各デジタル入力再生時のMQA再生にも対応する。
「Master Sound Discrete DAC」は、Grandioso D1Xに初めて搭載された自社設計のディスクリートDAC。K-01XDに搭載されたバージョンは「K1X版のエッセンスを凝縮しつつ、シンプルな回路構成とすることで更なる高みへと導いている」という。
DACは1chあたり32のエレメントで構成。各エレメントは、クロックドライバー、ロジック回路、コンデンサー、抵抗などの部品から成り、主要部品は、32エレメント分を全て独立させるなど、D1Xから発展させた贅沢な物量を投入。「音楽のエネルギーを余さずピュアに出力する」という。
独自開発の64bit/512Fs対応ΔΣモジュレーターを搭載。DSD、PCMをそれぞれ最適に再生するためのFPGAのデジタル処理アルゴリズムは、Master Sound Discrete DACのために開発された専用のアルゴリズムを使用している。
独自の電流伝送強化型出力バッファー回路「ESOTERIC-HCLD」も装備。応答速度を表すスルーレートが2,000V/μsのハイスピードな素子を採用。「アナログ出力回路にとって最も重要で強力な電流伝送能力とスピードを極限まで追求し、息を呑むほどのダイナミックレンジで音楽のリアリティーを再現する」という
出力端子は、アナログのXLRとRCA各1系統と、デジタルのXLRとRCA各1系統。USB/同軸/光デジタル入力も備える。
アンプとの接続にESOTERIC独自の電流伝送方式ES-LINK Analogも使用可能。HCLDバッファー回路の強力な電流供給能力を活かし、信号経路のインピーダンスの影響を受けにくくして信号を力強く伝送可能としている。
K-01XDは、Grandioso P1X/D1X用に開発された高音質クロックデバイス「Grandioso Custom VCXO II」を新たに搭載。従来の内部回路パターンや使用部品を変更し、位相雑音が極めて少なく、優れた中心精度(±0.5ppm)を実現。BNCのクロック入力も備え、マスタークロックジェネレーターのG-01XまたはG-02Xとの接続による音質グレードアップも可能。
コントロール入力端子としてRS-232Cやトリガーも装備。消費電力は26W。外形寸法は445×438×162mm(幅×奥行き×高さ)、重量は31kg。リモコン「RC-1315」や電源ケーブルが付属する。
K-03XD
K-03XDのドライブATLAS 03は、シンプルな18mm厚ブリッジを採用し、振動を減衰。ターンテーブルはジュラルミン製で、SS400スティール製ブリッジはVRDS-NEOよりも大型化した。スピンドル軸受けは、上位モデル同様スティールボールによる点接触のスラスト軸受けで、摩擦や回転ノイズを抑えている。
電源部は合計2つの大容量トロイダルトランスを搭載し、デジタルとアナログの電源部を独立。DAC部のLR、メカニズム、デジタル回路をそれぞれ専用の電源トランスから給電する仕様となっている。
ローフィードバックDCレギュレーターや、26本(合計容量650,000μF/0.65F)のスーパーキャパシターも搭載する。
VRDS-ATLASトランスポートメカニズムはセンター配置で、5mm厚のスティール製ボトムシャーシに固定。独自のピンポイントフットで3点支持。シャーシ内部はダブルデッキ構造。セミフローティングトップパネルも採用する。
Master Sound Discrete DACは、K1X版のエッセンスを凝縮しながらシンプルな回路構成としたK-03XD用のバージョン。1chあたり32のエレメントで構成する。独自開発の64bit/512Fs対応ΔΣモジュレーターや、電流伝送強化型出力バッファー回路のESOTERIC-HCLDも装備。
出力端子は、アナログのXLRとRCA各1系統と、デジタルのXLRとRCA各1系統。USB/同軸/光デジタル入力も備える。
USB入力はDSD 22.5MHzやPCM 384kHz/32bit再生に対応し、PCMの2/4/8/16倍(最大768kHz)にアップコンバートや、PCMからDSD変換も可能。MQA-CDのデコード再生や、USBなど各デジタル入力再生時のMQA再生にも対応する。
クロックはGrandioso Custom VCXO II。BNCクロック入力も備え、外部マスタークロックとの接続も可能。消費電力は25W。外形寸法は445×438×162mm(幅×奥行き×高さ)、重量は28kg。電源ケーブルやリモコン(RC-1315)が付属する。