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JDI、超高精細1,058ppiのVR液晶を量産開始。薄く軽いVRグラス実現
2020年2月17日 13:34
ジャパンディスプレイ(JDI)は、1,058ppiの高精細化を実現したVRヘッドマウントディスプレイ(HMD)専用の2.1型LTPS TFT液晶を量産開始。既に市販ディスプレイにも搭載されているという。
自然で緻密な動画表現が求められるVR用HMDにおいて、同社は1,000ppi超の高精細化や、動画ぼやけの抑制、レイテンシー低減に向けた技術開発を進めてきた。
今回の新開発2.1型1,058ppi LTPS TFT液晶は、メガネ型のVRグラス端末を軽く軽量化するための特殊な光学設計を採用。また、下部の角を切り取ったような異形状にすることで、メガネの小型化などデザインの自由度を高めたのが特徴。薄さは2mmを切るという。
パネルはVR専用のIPSで、解像度は1,600×1,600ドット。リフレッシュレートは120Hzに対応。応答速度は4.5ms(中間応答ワーストケース)。バックライトはグローバルブリンキングで、輝度は430cd/m2。
液晶パネルだけでなく、HMDのメーカーと協力してレンズ部も含めて最適化する設計により、全体の厚みを抑えたのも特徴。レンズの透過率を高め、輝度を下げることなく表示可能としている。また、コーナー部を切った形状については、これまで同社が培ってきたフリーフォームディスプレイの技術が活かされているという。
現在国外で市販されているVRグラスにおいて、このディスプレイ部が既に搭載。そのVRグラスのメーカー名は公表しておらず、日本では未発表の製品だが、ディスプレイを含むレンズ部全体を約3cm前後の厚みに抑えた軽さが特徴で、従来よりも高精細な映像を表示できるようになった。このメーカー以外にも既に引き合いが来ているという。
量産開始されたVR液晶は、バッテリー内蔵のスタンドアロン型HMDにも搭載可能。ただし、高輝度化などにより消費電力は従来より高く、今回の採用例はパソコンやスマホに接続するような軽量なメガネ型タイプとなっている。
VR向けHMDでは、より映像に没入するため一層の高精細ディスプレイへのニーズも高いことから、同社は今後も解像度を高めるための開発を続けるという。