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MSB、デュアルパワーサプライに電源強化した「Discrete DAC Plus」

アクシスは、DSD 11.2MHz/PCM 384kHzに対応した米MSB Technology製DAコンバーター「Discrete DAC Plus」を3月より発売する。価格は245万円で、カラーはシルバー、ブラック。

MSB Technology「Discrete DAC Plus」

'19年3月発売のDAコンバーター「Discrete DAC」の付属電源(デスクトップ・パワーサプライ)を、セパレート電源ユニット“プレミア・パワーベース”に変更した特別モデル。

プレミア・パワーベースは、Discrete DAC同様のモノコック・シャーシに低ノイズの整流・安定化電源回路を搭載したもの。

独立したコンパートメントに、2つの電源トランスと整流・定電圧回路のそれぞれを収納し電磁シールド仕様。電源の質を左右する整流素子には、超高速シリコン・カーバイド・ショットキー・ダイオードを投入した。真空管動作に近い同素子は、高効率で大電流を安定して取り出せると同時に、ターンオン/オフの瞬時性に優れ、一般の整流素子につきもののオフ時のリカバリー逆電流の発生とそれに起因するノイズを大幅に低減させるという。

下の筐体がプレミア・パワーベース

超低ノイズ・アナログ・リニア方式の電源回路構成によって、安定したクリーンなDC電力をデジタル系とアナログ系二つのDC電源入力に別々に供給。Discrete DAC本体側では、回路セクションごとにローカルレギュレーターが設けられ、さらなる低ノイズ化と安定化を図った。

デジタル回路とアナログ回路を分離供給するデュアルパワーサプライ化を実現したことで、「Discrete DAC本来のDAコンバージョン能力はさらに高められ、高分解能とダイナミズムを身上とするMSBならではのナチュラルな音楽再現性は最大限にブラッシュアップされる」としている。

プレミア・パワーベース内部

電源以外の、Discrete DAC本体の機能や仕様は従来モデルと変わらない。同社フラッグシップ「Select DAC」の開発から生まれた、新しいハイブリッドDAC技術“Prime DAC”モジュールを2基搭載する。

Discrete DACシャーシは、本体・電源ともに、分厚いアルミブロックを丹念に削り出したモノコック仕様。システムに応じて必要なファンクションをカスタマイズできるプラグインモジュラー方式を採用し、様々なデジタルオーディオ・フォーマットに対応できる拡張性を備える。

信号処理を制御するマスタークロックには、フェムトセカンド・クロックテクノロジーをカスタマイズした「超低ジッター・マスタークロック」を搭載。ジッター(クロック信号の微細な揺らぎ)が多いと、D/A変換時の微妙なタイミングにずれが生じ、結果D/A変換されたアナログ信号に不自然な非高調波歪みが加わるとされるが、超低ジッター・マスタークロックでは、D/A変換のタイミングを高精度に保つことでピュアな音楽信号を高いレベルで再現するとしている。

“Prime DAC”モジュール

標準搭載のデジタル入力は、同軸RCA、AES/EBU、光デジタル×2の計4系統。この他、BNCワードシンク出力、XLRアナログ出力を用意。

最新のMSBトランスポートやPro USBアダプターなどからデジタル音楽信号を超高速・超低ジッターでD/A変換する双方向レーザーのインターフェースPRO ISL、DSD 256/PCM 384kHz/MQA対応するUSB、超低ノイズでネットワークオーディオを実現するレンダラーなど、多彩なデジタル入力オプションモジュールを2系統追加することもできる。

出力インピーダンスは300Ω。消費電力は20W。脚装着時の外形寸法は、本体/電源共に432×305×68mm(幅×奥行き×高さ)。重量は本体/電源共に8.2kg。アルミリモコンなどが付属する。

オプションモジュール
背面