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NHK、高精細3Dテレビ実現へ「アクティナビジョン」表示システムを開発

NHKは27日、特別なメガネを使わず立体映像を楽しめる3次元テレビ実現に向けた技術として、独自の「アクティナビジョン」方式で“ハイビジョン解像度相当”の立体表示に対応するシステムを開発したと発表した。

3次元映像の表示例

「アクティナビジョン(Aktina Vision)」は、被写体からの光線を、水平・垂直に異なる位置(視点)から撮影した多視点映像で再現する方式。多視点映像の視点数と解像度を高めることで、見ている人が水平・垂直方向に動いた場合も、高精細で自然な3次元映像を表示できるという。Aktinaはギリシャ語で光線を意味する。

今回のシステムの外観

今回開発したシステムでは、72視点分の多視点映像を使用し、画素ずらし機能を持つ8Kプロジェクターで、この多視点映像を高解像度化。特殊な光学系を用いて、高解像度化された72視点分の多視点映像の光線の方向をずらして多重表示することで、これまでNHKが開発してきた約30万画素の3次元映像表示システムから、ハイビジョン解像度相当(約200万画素)へ、大幅な高精細化を実現した。

システムの原理

プロジェクターは解像度7,680×4320ドット、フレーム周波数120Hzのものを1台使用。表示される3次元映像の解像度は1,920×1,080ドット相当(960×540ドット画像を時分割で斜め半画素ずらし表示)。画面サイズは15.4型で、フレーム周波数は30Hz。

今後も、3次元映像の撮像や表示、圧縮符号化技術などの研究を進め、これまでにないリアルな視聴体験ができる3次元テレビの実現を目指すという。