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ハイセンス、AI活用の高画質エンジン搭載4Kテレビ「U8F」。75型で約23万円
2020年4月27日 13:00
ハイセンスジャパンは、BS4Kチューナーと新開発の映像エンジンを搭載した4K液晶テレビ「U8Fシリーズ」を5月下旬より順次発売する。50型、55型、65型、75型の4サイズをラインナップ。すべて価格はオープンプライス。店頭予想価格は、50型「50U8F」が13万円前後、55型「55U8F」が15万円前後、65型「65U8F」が18万円前後、75型「75U8F」が23万円前後。
【U8Fシリーズ】
- 50型4K液晶「50U8F」 店頭予想価格13万円前後 '20年秋発売
- 55型4K液晶「55U8F」 同15万円前後 5月下旬
- 65型4K液晶「65U8F」 同18万円前後 5月下旬
- 75型4K液晶「75U8F」 同23万円前後 6月下旬
2019年3月発売した、ハイグレード4K液晶モデル「U7E」の後継機種。
高コントラスト・倍速・広色域を満たすULEDラインの特徴を継承しながら、AIテクノロジーを活用した新映像処理回路「NEO エンジンplus 2020」を搭載することで画質性能の更なる底上げを図った。ほかにも、音響最適補正技術「Eilex PRISM」の採用による音質強化や、独自プラットフォームVIDAAのアップデートによる使い勝手向上を実現している。75型の大型モデルは、同社としては国内初投入となる。
なお、同時発表のスタンダードモデル「U7F」は、別記事で紹介している。
AI活用の超解像処理を搭載。バックライトも直下型に
4K/3,840×2,160ドットの液晶パネルを採用。倍速駆動により、残像間の少ないクリアな描写が可能。映像を分析し、前後フレームからフレームを生成する補間技術との組み合わせで、滑らかでクッキリした映像を実現するという。
LEDバックライトは、U7Eのエッジ型(16分割)から直下型配置に変更。エリアごとに細かく分割制御する「ローカルディミングplus」へと進化させることで、高コントラストで発色豊かな映像を実現。またLEDを素早く点滅・制御させることで、液晶の残像感を低減し、より鮮明な描写とする「SMR960」も搭載する。
広色域に対応しており、DCI-P3を90%以上カバー。HDR10とHLGの2方式のHDRをサポートする。
U8Fシリーズ最大の特徴が、新たに搭載された映像処理回路「NEOエンジンplus 2020」。東芝映像ソリューションとの共同開発で生まれたAIテクノロジーを活用したエンジンで「繊細かつ鮮烈な映像美を楽しめる」とする。
エンジンには、2種類のAI超解像処理を内蔵。「AIシーン別超解像処理では、5層のニュートラルネットワークを深層学習し、通常の映像とざらつきが目立つ映像を自動判別。シーンごとに適した超解像処理を施すことで、ノイズの少ないきめ細やかな高画質を実現。
また「AIモーション別超解像処理」では、AIが映像の動きの“速さ”を自動判別。動きの少ないシーン、動きの激しいシーン、それぞれに適切なフレームを参照してNR処理することで、動きによって適切な超解像処理が行なわれ、ノイズを抑えたクリアな映像を再現するという。
地デジなどの2K放送を高画質に4Kアップコンバートする画質処理も進化。水平4/3伸長→水平2倍伸長→垂直2倍伸長の3段階超解像処理により、ノイズを抑制した自然で高精細な映像が楽しめる。
ほかにも、白飛びや黒つぶれしている部分に対して、エッジや色彩を分析して潰れる前の状態を再現する「エリア別適正露出復元」や、映像のハイライト部分を抽出して明るさを引き上げてきらめきを表現する「輝き復元」も新搭載している。
FPSや格闘ゲームなどに最適な「ゲームモードplus」を搭載。映像処理をバイパスすることで表示遅延を一段と低減し、ストレスのないゲーム表示を実現する。新たに、HDMI 2560×1440/60p出力のPCゲームに対応し、低遅延を実現しながらも3段階超解像処理とフレーム補間処理により、高精細でなめらかな映像を可能とした。
音響最適補正技術「Eilex PRISM」で音質強化。新リモコンも
搭載チューナーは、新4K衛星放送×1、地上/BS/110度CSデジタル×3。別売の外付けUSB HDDを接続すれば、2K放送の2番組同時録画、4K放送の1番組録画が可能。チャプター機能も搭載する。番組表は高精細な4K番組表。著作権保護技術のSeeQVaultもサポート。また新たに2画面機能も追加された。
使用頻度の高い「十字キー」と「決定ボタン」に大きな起伏をつけた新リモコンを採用。ボタンの配置やサイズ、質感にまでこだわり、ブラインドタッチもしやすいデザインに仕上げたという。下部には、Netflix、YouTube、Amazon Primeビデオ、Hulu、ABEMA、U-NEXTのダイレクトボタンを搭載した。
UIは独自プラットフォーム「VIDAA」を引き続き搭載。新モデルでは、VIDDA 3.0へとアップデート。従来からのカスタマイズ性能はそのままに、VODサービスの追加やおすすめコンテンツの表示が可能になった。対応する映像配信サービスは、リモコンに搭載した6つのVODほか、TSUTAYA TV、スカパー! オンデマンド、DMM.com、アクトビラ、ひかりTV 4K、dTVなど。
音声操作は、GoogleアシスタントとAmazon Alexaに対応。対応するスマートスピーカーやスマートフォンを介し、チャンネル変更や音の調整などが音声で操作できる。
75型を除くU8Fシリーズは、サランネットを装備したフロントスピーカーを採用。音声最大出力は50/55/65型が10W×2、75型が13W×2。
スピーカーの3次元マトリックス測定と独自の音響解析理論に基づいて開発された音響最適補正技術「Eilex PRISM」を新たに搭載。VIRフィルターにより、高精度でより明瞭度の高い臨場感あふれる高音質を実現し、音楽や映画などをアーティストが意図した通りに再生。
デジタル圧縮によって失われた周波数軸上の弱い信号を復元することで音質を改善する「サウンドリマスター」、スピーカーの制限された音に左右の広がりと高さや奥行きを加えて臨場感を与える「サラウンドスペース」のほか、番組とコマーシャルの音量差を自動調整する「オートボリューム」、映画やドラマなどでの声を強調する「クリア音声」機能を搭載する。
筐体は“大海原を航海するセーリング”をモチーフにデザイン。「テレビが世界中の映像を届けるように、各海岸を自由軽快かつ生き生きと航海し、多彩な風景と文化を届けるイメージから生まれた機能的な形状」という。
HDMI入力端子は4系統。消費電力は75型が410W、65型が330W、55型が265W、50型は未定。
スタンドを含む外形寸法/重量は、75型が167.6×36.7×105.6cm(幅×奥行き×高さ)/31.3kg、65型が145.2×35.6×91.5cm(同)/25.8kg、55型が123.2×26.1×78.6cm(同)/18.1kg、50型は未定。
参入10年目の'20年はテレビシェア12%目標。ブランドアンバサダーに綾野剛
オンラインで行なわれた発表会には、同社代表取締役社長の李文麗氏が登壇。
「ハイセンスジャパンは、2011年にテレビ販売からスタートを切り、15年に冷蔵庫、16年には洗濯機市場にも参入した。エントリーモデルの商品から始まり、徐々にユーザの皆様にも信頼され、商品ラインナップもミドル、さらにハイエンドへと拡がり、売上げ、マーケットシェアともに着実に右肩上がりで推移してきた。18年には、東芝映像ソリューションをグループの傘下におさめ、東芝レグザの伝統を受け継ぐ画質エンジン『NEOエンジン』を共同開発。日本基準画質の商品を提供できるようになった。19年には、エアコンの販売がスタートし、総合家電メーカーとして、常に新しい技術を追い求め、より快適で、感動を与える商品を生み出していくことで、より良い生活を提案していくことを目指す」とこれまでの歩みを振り返った。
そして「2020年にハイセンスジャパンは設立10周年を迎える。今後はさらに、顧客中心の商品開発を行ない、顧客が満足する、高いレベルのサービスを提供していく」と抱負を述べた。
執行役員副社長の磯辺浩孝氏からは、2020年の目標と販売方針が発表された。
2019年に8%強となった国内テレビシェアを、'20年には12%突破を目指す。新製品においては、大型インチ、およびNEOエンジン搭載モデルの比率拡大に注力。「売上金額比率の観点で、50型以上を48→60%、NEOエンジン搭載モデルを40→55%まで拡大させる」という。
さらに顧客満足度の更なる向上を実施。「不良率0」を目指し、'19年に実施した社長直轄組織の品質部新設に続いて、'20年には第2新座サービスセンターを開設する。同社は19年11月から365日コール受付を開始しており、「2 つのサービスセンターで、お客様のニーズに迅速に対応できることが今まで以上に可能となる」という。
あわせて、新しいブランドアンバサダーとして俳優の綾野剛氏を起用することも発表された。27日からは、新製品の65U8Fや綾野剛氏のサイン入りポスターを抽選でプレゼントするTwitterキャンペーンを実施。また6月7日よりスタートするテレビCMにおいては「コンセプトの“switch your sense Hisense”を打ち出し、グローバル時代の新基準を訴求する」(マーケティングマネージャー小林氏)という。