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ゼンハイザー、最上位機と同じドライバー搭載ながら2.3万円の完全ワイヤレス
2020年9月1日 08:00
ゼンハイザーは、最上位モデルとまったく同じドライバーを搭載しながら、店頭予想価格23,500円前後に抑えた完全ワイヤレスイヤフォン「CX 400BT True Wireless」を9月下旬に発売する。本体カラーはブラックとホワイトの2色で、価格はオープンプライス。
実売36,300円の最上位モデル「MOMENTUM True Wireless 2」と同じ、ドイツ・ハノーファーにある本社で開発された7mmドライバーを搭載しながら、価格を抑えたのが特徴。MOMENTUM True Wireless 2とCX 400BT True Wirelessの大きな違いは、アクティブノイズキャンセリング機能の有無。MOMENTUM True Wireless 2は搭載しているが、CX 400BT True Wirelessは非搭載。外音取り込み機能や、スマートポーズ機能、IPX4の防水性能も省かれている。その他の主な仕様は共通。
イヤフォンのハウジング形状は異なるが、サイズ感はMOMENTUM True Wireless 2と、CX 400BT True Wirelessでほぼ同じ。耳に触れる内側の筐体形状が2機種で共通しているため、優れた装着感も上位機種譲りになっているという。
再生周波数帯域は5Hz～21kHz、感度は107dB。業界最高クラス10mWのBluetooth 5.1 class1に対応し、MOMENTUM True Wireless2でも採用されているLDSアンテナとQualcomm社製チップによる音の途切れにくさも特徴。対応コーデックはSBC、AAC、aptX。2マイクのビームフォーミングにより通話も可能。
タッチ操作にも対応する。イヤフォン側にMOMENTUM True Wireless2と同じタッチパネルセンサーで、反応がよく快適な使い心地を実現したとのこと。専用アプリと連携させることで、タッチコマンドをカスタマイズすることもできる。
ノイズキャンセル機能は搭載しないものの、遮音性の高いエルゴノミクスデザインを採用。パッシブで外の騒音を遮断する。長時間の使用でも疲れにくく「MOMENTUM True Wireless 2とほぼ変わらない装着感」とフィット感を実現したという。
バッテリー駆動時間は本体のみで最大7時間、充電ケースと組み合わせると最大20時間。充電ケースはMOMENTUM True Wireless 2と比べてコンパクトになっているため、充電ケースを組み合わせた使用時間はMOMENTUM True Wireless 2の方が28時間と長い。
充電ケースの充電にはUSB Type-Cを使用し、1.5時間でフルチャージできる。また10分の充電で1時間使用できる。イヤフォン部の重さは両耳合計で12g、充電ケースは37g。
速報試聴レポート。最上位モデルとほぼ遜色ないサウンド
短い時間ながら試聴する機会を得られたので、そのインプレッションをお届けしよう。
まず充電ケースは、MOMENTUM True Wireless 2のものと比べると、幅は小さいものの、背が高いデザイン。ポケットに忍ばせておくと、向きによっては“盛り上がり”が目立つかもしれない。また、MOMENTUM True Wireless 2のケースはファブリック素材で覆われているが、CX 400BT True Wirelessは手触りのいいプラスチック素材だった。
装着してみると、アクティブノイズキャンセリング機能は搭載していないが、すぐ隣の話し声がほぼ聞こえないほどの高い遮音感を得られた。音楽を再生すれば話し声は一切聞こえない。地下鉄や新幹線、飛行機内など、よほど騒音の激しい場所でなければ、遮音性に不満を感じることはなさそうだ。
イヤフォンを装着後、左右イヤフォンのハウジングにあるタッチパネルを同時に長押しすると、ペアリングモードになる。ペアリングや電源の状況については、常に音声でアナウンスしてくれる。今回は手持ちのiPhone Xとペアリングして音楽を聴いてみた。
試聴した「夜を賭ける/YOASOBI」では、音場が広く抜けのいい高音と量感ある低音を感じることができた。続いて試聴した「Pretender/Official髭男dism」でも傾向は変わらず、筆者が普段使用しているAppleの「AirPods Pro」と比べると、よりクリアなサウンド感で、しっかりと低音が響く印象だ。
上位機MOMENTUM True Wireless 2の、ノイズキャンセルをONにした状態と比べると、全域での押し出しや、低域の迫力などが、CX 400BT True Wirelessの方が大人しい。一方、MOMENTUM True Wireless 2でもノイズキャンセルをOFFにすると、スッキリとしたモニターライクな音になり、この状態のサウンドと、CX 400BT True Wirelessのサウンドはかなり近い。
音の分解能は高く、低域もタイトで情報量が多いピュアオーディオライクなサウンドだ。実売約2万円は、強力なライバルがひしめく完全ワイヤレスイヤフォンのボリュームゾーンと言える価格帯だが、その中でも、抜きん出た音質と感じる。「MOMENTUM True Wireless 2に興味があったが、価格的に手が出なかった」「飛行機や電車に乗る機会も減ったので、アクティブノイズキャンセリングは無くてもいいかな」という人は、店舗などで一度、試聴して欲しい。
