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クリプトン、ノイズ対策徹底 & 低重心化した電源ボックス「PB-HR1500」

「PB-HR1500」

クリプトンは、「クリプトンHR(High Resolution)」シリーズの電源ボックス新モデルとして、「PB-HR1500」を11月上旬に発売する。価格は129,000円。9年間販売してきた「PB-HR1000」の後継機となる。

特徴として、ノイズの除去を徹底するために「バスタレイド」と「ネオフェード」という素材を採用。

バスタレイドは、電磁干渉抑制体と呼ばれるもので、電波を吸い取るようなノイズ抑制効果を持っており、レーダーに映らないステルス戦闘機などにも使われている複合磁性体。微細な金属片の方向を揃え、密に折り重なった構造で、フェライトを超えるノイズ抑制効果を持つという。

シート状にした同素材を、内部のジャンパー線(PC-Triple C)にスパイラル状に巻きつけることで、高周波ノイズを抑制。内部でアンテナ効果による高周波ノイズ成分への悪影響を軽減し、高域のSN比を改善。音の明瞭度をアップさせたという。

三菱ガス化学の「ネオフェード」という素材をベースに、クリプトンと三菱ガス化学がオーディオ用素材として「ネオフェード カーボンマトリックス3層材」を共同開発。ネオフェードは構造体の共振を抑え、振動エネルギーを効率良く吸収して熱エネルギーに変える効果がある。これを、2枚のCFRP(カーボン繊維強化プラスチック)の板で上下から挟んで3層構造としたもの。

この3層材を、天面パネルと底面のインシュレーターフットに採用。音を汚し、なまらせる不要振動を吸収させた。表面のカーボンクロス・マトリックス材には、電磁シールド効果もあり、パソコンなどのデジタルノイズの大きい機器に対して、電磁アース効果がノイズを低減するという。

筐体内では、2回路フィルター構造を採用。PCやパワーアンプなどを接続するための「大電流機器・高ノイズ機器」用コンセントと、「小電流機器」用コンセントの回路を分離。これにより、相互の電流やノイズが影響しあうのを防いでいる。新モデルではこのコンセントを、物理的にも距離を離して配置。低価格モデルも含めた、配置の統一を図っている。

「大電流機器・高ノイズ機器」用コンセント
「小電流機器」用コンセント

筐体の素材には、測定と試聴から、電磁遮蔽に強く、防振に優れ、重さもあるステンレスを採用している。また、筐体の高さを抑える事で、剛性がアップしている。内配線材にはPC-Triple Cを採用。広いダイナミックレンジと、高いSN比を実現した。

コンセントは、レビトン製のホスピタルグレードで、ACインレットはロジウムメッキ仕上げ。コンセント数は6個口で、「大電流機器・高ノイズ機器」用が4口、「小電流機器」用が2口。

外形寸法は300×126×70mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は3.2kg。

手前からハイエンドなPB-HR2000、HR1500、HR1000
左からHR1000、HR1500、HR2000。HR1000とHR1500を比べると、背が低く、低重心になっているのがわかる

音を聴いてみる

同日発表された、新ブックシェルフスピーカー「KX-1.5」を使い、「PB-HR1000」と、新モデル「PB-HR1500」の音を聴き比べてみる。

全体としてSN比が向上、音の描写も細かくなるが、特に違うのは低域。HR1500の方がより深く、ドッシリと沈み込み、音楽に安定感が出る。クラシックで、楽器の音が出ていない時の、音場の後方に広がる空気感も、HR1500の方がよりリアルだ。