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ソニー、世界最小・最軽量のフルサイズミラーレス「α7C」。約21万円

フルサイズミラーレス「α7C」(ブラック)
標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」と組み合わせ例

ソニーは、光学式ボディ内手ブレ補正機構を搭載したフルサイズミラーレスとして、同時発表のズームレンズとの組み合わせた際のシステムとして世界最小・最軽量を実現した「α7C」(ILCE-7C)を、10月23日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はボディのみで21万円前後。標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」を同梱したレンズキット(ILCE-7CL)も用意し、価格は実売24万円前後。ブラック(B)に加え、フルサイズセンサー搭載αとしては初めてのカラバリとなる、シルバー(S)もラインナップする。

「α7C」(シルバー)
標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」と組み合わせ例

同社APS-C機「α6000シリーズ」とほぼ同等のボディに、フルサイズ機「α7 III」に勝る性能と機能を搭載した、フルサイズα(Eマウント)の新モデル。

小型・軽量ボディを実現すべく、手ブレ補正ユニットやシャッターユニットなどを新規に開発。またフルサイズ向け交換レンズの標準ズームレンズとして世界最小・最軽量の「FE 28-60mm F4-5.6」も用意。 このレンズとの組み合わせ時に、フルサイズミラーレス一眼カメラと交換式ズームレンズとの組み合わせにおいて、カメラシステムとして世界最小・最軽量を実現。“圧倒的な機動力”を特徴としている。

キットレンズ(FE 28-60mm)を組み合わせた場合でも、重量は676gを実現(バッテリー、メモリーカード含む)
機動力に優れた小型・軽量のカメラシステムを実現した

「α7Cは、高速性能(Speed)のα9、高解像度(Resolution)のα7R、高感度(Sensitivity)のα7S、そして基本性能(Basic)のα7に加わる、フルサイズαの新コンセプトシリーズ。型名のCは、“コンパクト(Compact)”を指しており、我々ソニーが持つ技術を結集し、世界最小・最軽量のボディと妥協のない性能を両立させた。『フルサイズは大きく重い』と、小型軽量な性能を諦めてAPS-C機を選んでいたユーザーや、スマートフォンからさらに良い機材へのステップアップを検討しているエントリー層に向けて訴求する」(同社説明員)という。

なお、レンズキット同梱の標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」は、単品でも21年春の発売を予定。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は6万円前後。

標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」
沈胴式のため、撮影時はレンズを繰り出して使用する

「α6600」と同等ボディにフルサイズセンサと手ブレ補正機構を搭載

α7C最大の特徴が、光学式ボディ内手ブレ補正機構を搭載したフルサイズミラーレスとして、世界最小・最軽量を謳ったコンパクトなボディ。

前面

外形寸法は124×59.7×71.1mm(幅×奥行き×高さ)。重量は509g。α7 III比では、重量78%・体積81%まで小型化、またα6600比においては重量101%・体積110%とし、APS-C機とほぼ同等のサイズになっている。

前面
背面
側面
上部。ボディのサイズを比較した写真。写真左からフルサイズ機の「α7 III」「α7C」、APS-C機の「α6400」
「α7 III」(FE 28-70mm F3.5-5.6装着)と、「α7C」のサイズ比較

α7C用に主要なデバイスが新規に開発されているのも特徴。筐体サイズに応じた設計された光学式5軸ボディ内手ブレ補正ユニットを用意し、5.0段分の補正効果を実現。これと合わせコンパクトなシャッターユニットも新規に開発。また各パーツのレイアウトを一から見直すことで最小サイズをとことん追求した。なおボディは、車や航空機などでも使われるモノコック構造。耐久性の高いマグネシウム合金で、防塵・防滴性能も備える。

新開発の光学式5軸ボディ内手ブレ補正ユニット
モノコック構造で耐久性も備える。素材はマグネシウム合金

搭載する撮像素子は、有効約2,420万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー。BIONZ Xエンジンとの組み合わせにより、高画質と高感度耐性を実現。常用ISO感度は100~51200、拡張時は50~204800まで対応する。また15ストップの高いダイナミックレンジを実現しており、滑らかでいろ再現性の高いグラデーション表現を可能とした。

693点の像面位相差検出AFセンサーに加え、425点のコントラストAFを搭載することで、高精度なAF性能を実現。最新世代のαではおなじみの、人物/動物対応のリアルタイム瞳AFや、リアルタイムトラッキングも搭載。独自のAFアルゴリズムにより、EV-4までの低照度環境でも合焦できるという。

AF/AE追従連写は最高約10コマ/秒。サイレントモード時でも最高10コマ/秒を実現し、223枚の連写バッファを可能とした。シャッターの耐久性は、約20万回。

撮影データをワイヤレス伝送できるWi-Fi Direct機能を搭載。2.4GHz帯と、5GHz帯に対応しており、周辺機器へのスムーズな接続を可能とした。

新開発の小型シャッターユニット。耐久性は約20万回

4K/30p記録に対応。動画撮影時もリアルタイムトラッキングが可能

動画撮影機能はα7 IIIと同等で、3,840×2,160ドットの4K動画撮影が可能。フレームレートは最大30pまで。画素加算のない全画素読み出しにより、4K映像に必要な画素数の約2.4倍、6K相当のデータを凝縮して4K映像を出力することで高解像な4K動画が記録できる。1fpsから120fpsまでの8段階選択で、遅回し・早回し撮影を可能にするスロー&クイックモーションもサポートする。

S-Log3、S-Log2ガンマを使ったプロ用途の撮影ほか、カラーグレーディングをしなくても。ハイライトからシャドーまでより忠実な描写ができるHLG撮影もサポート。最新世代の画質処理により、肌の色や花の色など、より自然な色合いでの描写が向上しているという。

動画撮影中のファストハイブリッドAFにも対応。動画撮影時も、モニターをタッチしてのリアルタイムトラッキングが可能。人物のリアルタイム瞳AFも利用できる。7段階のAFトランジションが選べるほか、5段階のAF乗り移り感度といった詳細なAF設定も備える。

背面には、設定しているフォーカスモードに関係なくリアルタイムトラッキングを動作できるAF-ONボタン、そして天面には即座に動画撮影できるMOVIEボタンを設置した。

背面
上部

液晶モニターはバリアングル式となっており、ハイポジションからローポジションまで、自由な撮影が可能。

バリアングル式の液晶モニターを搭載

デジタルオーディオインターフェイス対応のマルチインターフェースシューを搭載。別売のショットガンマイクロホン「ECM-B1M」を組み合わせれば、音声をデジタル信号のままダイレクトにカメラに伝送、劣化のない高音質録音が行なえる。

上記マイクに加え、ワイヤレスリモードコマンダー付きのBluetoothグリップ「GP-VPT2BT」を組み合わせれば、ケーブルレスの高品位な動画撮影が可能。バリアングルで簡単なセルフィー撮影もでき、Vlogに最適なシステムを構築できるという。

ショットガンマイクロホン「ECM-B1M」とBluetoothグリップ「GP-VPT2BT」を組み合わせた例

カードスロットは、SDカードのシングル。インターフェースは、micro HDMI、USB-Cほか、3.5mmステレオミニのマイク、ヘッドフォン端子を用意。対応バッテリは、大容量のZバッテリー「NP-FZ100」を採用。液晶モニター使用時の実撮影時間は、動画で約215分、静止画で約740枚。電子ビューファインダー使用時は、動画で220分、静止画で680枚。

側面のインターフェイス部
大容量バッテリー「NP-FZ100」を採用する