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ソニー、手のひらフルサイズ「α7C」後継機。高解像モデルも

「α7C II」

ソニーは、コンパクトボディにフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラ「α7C」の新モデルとして、画素数や手ブレ補正、ファインダーなどを強化した第2世代「α7C II」(ILCE-7CM2)と、約6,100万画素のセンサーを搭載した高解像モデル「α7C R」(ILCE-7CR)の2モデルを10月13日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はα7C IIのボディが約30万円前後、レンズキットが約33万円前後。α7C Rはボディ単体のみの販売で約45万円前後。ボディカラーはブラックとシルバー。

受注開始は9月6日で、キットレンズはFE 28-60mm F4-5.6(SEL2860)。α7C II/α7C R発売後も、α7Cは併売。一方で2017年発売の高画素機「α7R III」(ILCE-7RM3)は販売完了予定となっている。

グリップエクステンション「GP-X2」

また新モデルに対応したグリップエクステンション「GP-X2」も用意する。α7C Rに同梱されるほか、単体販売も行なう。同じく10月13日発売で、価格は22,000円。なお現行モデルのα7C(ILCE-7C)には非対応。

2020年9月に発表されたα7Cは、同社のAPS-C機「α6000シリーズ」とほぼ同等のボディにフルサイズセンサーや手ブレ補正ユニット、有機ELファインダー、最高10コマ/秒のシャッターユニットなどを詰め込んだモデルとして人気となった。

α7C II

「α7C II」(シルバー)

そんなα7Cの正当進化モデルとなるα7C IIは、初代モデル購入者から改善要望が多かったというファインダーやグリップ形状、手ブレ補正などの性能が改善されている。

初代の「α7C」(左)と並べたところ。メニューダイヤルやカスタムダイヤル以外にも、シャッターボタンの位置とサイズが変更されている

イメージセンサーは初代モデルが約2,420万画素の裏面照射型フルサイズセンサーだったのに対し、α7C IIでは有効約3,300万画素まで進化。画像処理エンジンもBIONZ XからBIONZ XRとなり、新たにAIプロセッシングユニットも搭載する。

オートフォーカスでは、位相差測距点が693点から759点に強化され、リアルタイム認識AFも従来の人物、動物に加え、鳥、昆虫、車、列車、飛行機にも対応する。ボディ内手ブレ補正は従来の5.0段から7.0段に強化されたほか、動画撮影時にアクティブモード、レンズ協調補正も利用可能。連続撮影速度は最高約10コマ/秒。

側面の端子部。前モデル(左)からUSB-Cポートの位置や端子カバーの開閉向きが変更されている
開閉向きが変わったことで、カバーを開けた状態で背面ディスプレイを回転させても干渉しなくなった

動画性能では、7Kオーバサンプリング4K撮影と、4K/60p(Super35mmモード時のみ)、4:2:2 10bit撮影にも対応した。クリエイティブルックや、S-Log 3/HLG/S-Cinetone/LUTなどピクチャープロファイルも利用できる。

「α7C II」(右)は最新世代のメニューUIを採用
背面ディスプレイ上部のMENUボタンの位置が変更されたほか、カスタムボタンも追加された

有機ELファインダーの画素数は約236万ドットで変わらないものの、倍率が約0.59倍から約0.7倍に。バリアングル液晶モニターも約92万ドットから約103万ドットに強化された。メニュー表示についても最新世代のUIに進化した。

表面加工が変更されたグリップ部分
グリップの形状も前モデル(左)から変更されている

グリップは、より持ちやすい形状を追求したほか、表面加工も変更。前ダイヤルや背面にカスタムボタンも追加された。筐体にはマグネシウム合金を採用し、Zバッテリーに対応。SDカードスロットはシングルスロット。重さは前モデルが約509gだったのに対し、α7C IIでは約514gとなっている。

「α7C II」の軍艦部

α7C R

「α7C R」(ブラック)
「α7C R」(左)と「α7R V」(右)を並べたところ

クラス最高の解像性能をコンパクトなボディに搭載したというモデルで、センサーの有効画素数や画像処理エンジンなどは、同じく高解像機の「α7R V」と同等ながら、重さはα7R Vの約723g(バッテリー/SDカード含む)に対し、α7C Rでは約515gと軽量を実現。体積も約53%少ないコンパクトさを実現しており、高解像と機動力を兼ね備えたモデルと位置づける。

α7R Vと同じく有効約6,100万画素の裏面照射型フルサイズセンサーを搭載する。映像エンジンはBIONZ XRで、AIプロセッシングユニットも搭載。オートフォーカス性能もα7R Vと同じく、位相差測距点は693点、リアルタイム認識AFは人物、動物、鳥、昆虫、車、列車、飛行機に対応する。

軍艦部のレイアウトは「α7C II」(左)と「α7C R」(右)で共通

ボディ内手ブレ補正はα7C IIと同じく7.0段で動画時のアクティブモードやレンズ協調補正にも対応する。動画記録形式は4K/60p、4:2:2 10bitに対応。なお、α7R Vはボディ内手ブレ補正が8.0段+動画時アクティブモード+レンズ協調補正、動画記録形式は8K/24p、4K/60p、4:2:2 10bitとなっている。

クリエイティブルックが利用できるほか、ピクチャープロファイルではS-Log3/HLG/S-Cinetone/LUTを利用可能。有機ELファインダーは約0.7倍/約236万ドット。背面液晶は約103万画素のバリアングル式。連続撮影速度はα7Cやα7C II、α7R Vが最高約10コマ/秒なのに対し、α7C Rは最高約8コマ/秒となっている。

「GP-X2」を「α7C R」に装着したところ
GP-X2にも三脚穴が設けられるほか、装着したままバッテリー交換もできる

上述のように、α7C RにはグリップエクステンションのGP-X2が標準で同梱され、大口径レンズを装着しても安定したホールド性を確保するという。

レンズキャッシュバックキャンペーンも実施

α7C R/α7C II購入者限定のレンズキャッシュバックキャンペーンも実施する。期間中にα7C R、またはα7C IIを購入した人限定で対象のレンズ(28本)の購入で最大20,000円がキャッシュバックされる。

本体購入期間は2023年10月13日から2024年1月10日までで、予約販売期間中の購入もキャンペーンの対象。対象レンズ購入期間は本体購入日から2024年1月10日まで。20,000円キャッシュバックの対象レンズはSEL1635GM、SEL2470GM、SEL24105G。10,000円キャッシュバックの対象レンズはSEL1224GMやSEL1224G、SEL2070Gなど。

プロモーション施策として、α7C IIでは歌手のLiSAを起用したWebCMを、α7C Rでは映像作家の山田智和氏撮影の作品やインタビュー記事を、それぞれのスペシャルサイトで今秋に公開予定。またα7Cシリーズを体験できる撮影ツアーなども開催する。

そのほかα Universe、New Generationでは、トッププロによるα7C II/α7C Rの作品・インプレッションも公開予定。