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ソニー、Suicaに対応した第3世代スマートウォッチ「wena 3」

ソニーのスマートウォッチ「wena 3」

ソニーは、腕時計のバンド部分にスマートウォッチの機能を内蔵した「wena」の最新モデルとして、バックル部に部品を集約し、Suicaに初めて対応した「wena 3」を発表した。「metal」、「leather」、「rubber」と3種類のバンドが用意され、metalとleatherは2色展開。1日の14時から予約受付を開始しており、発売は11月27日。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はmetalのシルバーが33,000円前後、プレミアムブラックが35,000円前後。leatherのブラウンが30,000円前後、プレミアムブラックが32,000円前後、rubberは24,000円前後。

また、インダストリアルデザイナーである山中俊治氏や、イタリアのカーデザイナーであるファブリッツィオ・ジウジアーロ氏、時計メーカー大手のシチズン、セイコーとコラボしたヘッド部を採用した製品も発表し、こちらも予約を受け付けている。

シリーズ初のSuicaに対応

これまで「wena wrist」として展開されてきたスマートウォッチの第3世代。従来の「wena wrist pro」から、より短く、記憶に残りやすいよう名称が変更された。

「wena 3」ではバックル部に部品を集約した

従来モデルはバンドの各コマに部品を分散する形だったが、wena 3ではバックル部に部品を集約。前モデルのwena wrist activeから体積30%、厚さ2.5mmの小型化を果たしたほか、デザインの自由度も向上。3種類のバンドが作れるようになったほか、時計メーカーとコラボレーションする際、メーカーがバンド部分もデザインできるようになった。時計業界の標準という5気圧防水仕様。

初めて「Suica」に対応する

初代モデル登場時から要望が多かったという電子マネー「Suica」に初めて対応した。チャージや残高確認などはiOS/Android向けの専用アプリ「wena 3」経由で操作できる。従来モデルが対応してきた楽天EdyやiD、QUICPayなどにも引き続き対応。ただし、初期設定時にiOS端末が必要な点は変わらない。

本体には1週間持続するというバッテリーに加え、約24時間の予備電力も内蔵。万が一、外出先で本体のバッテリーが切れてしまった場合でも、予備電力で電子マネー機能を利用できる。

バックル内の基板サイズは従来の半分以下で、電気回路や基板パターンなどは自社設計。部品配置を三次元的にコントロールしたという。バッテリーやディスプレイ、ガラスなどはすべて湾曲部品。バックル部の有機ELディスプレイはタッチ操作対応で、通知や電子マネーの残高、消費カロリーなどをひと目で確認できる。

ディスプレイは屋外での視認性も向上。照度センサーによる自動輝度調整も利用できる。デスクにぶつけても傷がつかないよう、Corningの「Gorilla Glass(ゴリラガラス)」が採用されており、90cmの落下衝撃にも耐えるという。

発売後のユーザーアップデートで忘れ物防止タグ「MAMORIO」にも対応する。置き忘れを防止する通知機能や、MAMORIOの遺失物発見システム「クラウドトラッキング」機能、商業施設などに設置されている「MAMORIO Spot」などの捜索ネットワークなどを利用できるようになる。

光学式心拍センサーは従来の緑LEDに加え、赤LEDも搭載したデュアル仕様に。デュアル式になり、手首や指の動きによって発生するノイズを除去するソニー独自のアルゴリズムを採用したことで、より正確に心拍数を計測できるようになったという。日常生活の歩行データと心拍数の長期ログを組み合わせてVO2 Max(最大酸素摂取量)を推定する機能も備えた。

Amazon Alexaも搭載し、話しかけるだけで天気の確認やスマート家電を操作することもできる。そのほか、スマートロックの「Qrio Lock」との連携機能、Wena 3からペアリングしたスマートフォンを探す機能なども備える。

従来は18/20/23mmの3種類しかなったラグ幅は、18~24mmまで1mmごとの計7種類に増え、多種多様な時計ヘッドに対応できるようになっている。

バンド展開は3種類
metalバンドのシルバー

バンドは、metal、leather、rubberの3種類。metalはステンレス素材「SUS316L」を使用、装着感を追求して小さくデザインされたコマに、ヘアラインを施して高級感が演出されている。デザインはディスプレイガラスと幅を合わせたラインがつながるよう仕上げられた。シルバーとプレミアムブラックの2色展開で、プレミアムブラックは表面にIP(イオンプレーティング)処理が施され、より高い硬度と耐ニッケルアレルギー性を備える。

leatherのプレミアムブラック

leatherはブラウンとプレミアムブラックの2色が用意され、ブラウンは革に関する国際的な安全・環境基準である国際皮革環境認証「LWG」を取得しているタンナーが製造した素材を使用。自然のシボを生かした質感や風合いが楽しめるという。プレミアムブラックは、革の質感や風合いは残しつつ、日常生活で使用できるよう、染料仕上げと顔料仕上げを施したもの。日本エコレザー(JES)認証も取得している。

rubberは1色展開

rubberは1色展開。ヘッドの時計部分を外してスマートバンドとしても使用できる。バンドを装着したまま、ヘッドを着脱できる新機構「エンドピースコネクタ」も備えた。

著名デザイナーやセイコー、シチズンとのコラボモデルも

バンド単体のほか、オリジナルデザインの時計ヘッドがセットになったモデルも発表された。工業デザイナーとして知られる山中氏がデザインした「wena head designed by Shunji Yamanaka」は、4つのムーブメントを内蔵した“フォー・イン・ワン”モデル。ベゼルに食い込んだ3つのサブダイヤルが特徴で、それを縁取るリングをガラス裏面に蒸着することで、独創的な立体構造になっている。

「wena head designed by Shunji Yamanaka」

ラインナップは東京、パサデナ、オックスフォードをイメージした3モデル。いずれも発売は11月27日(金)。市場想定価格は、東京をイメージした「wena Three Hands Silver -Tokyo Edition」とパサデナをイメージした「wena Three Hands Silver -Pasadena Edition」が59,000円前後。オックスフォードをイメージした「wena Three Hands Premium Black -Oxford Edition-」が60,000円前後。

「wena head designed by Giugiaro Architettura」

ジウジアーロ氏とコラボレーションした「wena head designed by Giugiaro Architettura」は、モータースポーツでの使用を想定したモデルといい、時計ヘッドを左右に30度ずつ回転させられるのが特徴。時計ケースとラグ付きリングの間には、30度に傾けた場所でクリック感を出す機構が備えられており、心地よい操作感を演出しつつ、ヘッドが意図せず回転することを防ぐという。

シルバーとプレミアムブラックの2色展開で、市場想定価格はシルバーが58,000円前後、プレミアムブラックが59,000円前後。他モデルと同様、予約は1日の14時から受け付けているが、発売は2021年3月12日。

山中氏とジウジアーロ氏とコラボレーションしたモデルは、いずれも秋田県湯沢市にある協和精工の時計工場で製造される。

シチズンの「PROMASTER」とコラボした「wena 3 -PROMASTER Edition-」

シチズンとは、本格スポーツウォッチブランド「PROMASTER」とのコラボレーションとして、「wena 3 -PROMASTER Edition-」が限定500台で販売される。ヘッド部は、モータースポーツからインスピレーションを受けた多機能ワールドタイム電波時計をベースに、wenaオリジナルのデザインが施された。バンド部も「PROMASTER」のメタルバンドで、バックル部にwena 3を搭載する。市場想定価格は99,000円前後。

セイコーの「BRIGHTZ」とコラボした「wena 3 -BRIGHTZ Edition」
セイコーの「セイコーダイバーズ」にインスパイアされた「wena 3 -SEIKO Mechanical Edition」

セイコーとは、今年で20周年を迎える「BRIGHTZ(ブライツ)」とのコラボモデル「wena 3 -BRIGHTZ Edition」と、国産ダイバーズウォッチ「セイコーダイバーズ」にインスパイアされた機械式時計「wena 3 -SEIKO Mechanical Edition」の2種類が発売される。それぞれ200台限定の販売で、市場想定価格はBRIGHTZ Editionが139,000円前後、SEIKO Mechanical Editionが84,000円前後。なお、SEIKO Mechanical Editionは防水性能上、ダイバーズウォッチとしては使用できない。

シチズン、セイコーとのコラボモデルはいずれも10月1日予約受付開始、11月27日発売。

また、セイコーはソニーと共同開発し、ヘッド部には電子制御可能な専用アナログムーブメントを、バンドバックル部分にwena 3を搭載した「wiredwena」2モデルと、アニメーション作品「攻殻機動隊SAC_2045」とコラボした「wiredwena攻殻機動隊SAC_2045コラボ」2モデルを2021年1月15日(金)に発売するほか、シチズンはソニーとパートナーシップ契約を締結。2021年夏頃に同社のIoTサービス「Riiiver」にwena 3を対応させる予定。

wena 3のリリースを記念し、1日(木)の18時から「ソニーのスマートウォッチ”wena 3”発表記念 特別対談」がTwitterライブで配信される。番組には、wena事業室統括部長の對馬哲平氏のほか、フリーランス編集者の長谷部敦氏、時計専門誌「クロノス日本版」編集長の広田雅将氏、家電女優として知られる元SDN48の奈津子氏が出演する。