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ソニー、'21年3月期の純利益1兆円超え。PS5は780万台突破

ソニーは28日、2020年度の連結業績を発表。売上高は、前年度比9%増の8兆9,994億円、営業利益は同15%増の9,719億円と、いずれも過去最高を記録。純利益も同101%増の1兆1,718億円。コロナの影響による映画分野の大幅な減収などがあったが、ゲームやネットワークサービス分野、金融分野の大幅な増収がカバーした。なお、PlayStation 5の販売台数は2020年度で780万台、2021年度は1,480万台以上を目指すという。

ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野の売上高は、前年度比6,787億円(34%)と大幅に増加し、2兆6,563億円を記録。営業利益もPS5発売にかかる販売費や一般管理費の増加はあったが、ゲームソフトやネットワークサービスの増加により、前年度比1,038億円増加の、3,422億円となった。

PS5に関しては、デバイスの供給不足などで品薄が続いているが、2020年度は780万台を販売。2021年度の見通しとしては、PS4導入2年目の台数である1,480万台を上回る事を目標に設定。「引き続き部材の確保につとめ、これを上回るように今後も努力していく。収益性改善により、周辺機器を含むハードでは、前年度と同水準の利益貢献を予定している」(十時裕樹副社長兼CFO)とのこと。

十時裕樹副社長兼CFO

G&NS分野全体の2021年度の見通しとしては、主にハードウェア販売台数の増加や為替の影響により、増収を見込んでいる。営業利益については、自社制作ゲームソフトの増収、及びハードウェアの収益性改善を見込むものの、自社制作以外のゲームソフトの減収やソフト開発費を中心としたコスト増により、減益を見込む。

エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)分野の売上高は、前年度比705億円(4%)減少した1兆9,207億円。製品ミックスの改善によるテレビの増収はあったが、販売台数が減少したデジタルカメラ、放送用・業務用機器、オーディオ・ビデオの減収などが響いた。

営業利益は前年度比519億円増加の、1,392億円。モバイル・コミュニケーションを中心としたオペレーション費用の削減や、テレビ、デジタルカメラにおける製品ミックスの改善などによるもの。

2021年度の見通しとしては、製品ミックスの改善によるテレビの増収、販売台数の増加によるデジタルカメラの増収などを見込んでいる。

音楽分野の売上高は、前年度比900億円(11%)増加し、9,399億円。この大幅な増収は音楽制作、および映像メディア・プラットフォームの売上が増加したため。音楽制作は、主にストリーミングサービスからの収入の増加により、増収となった。

映像メディア・プラットフォームでは、主に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の貢献などによるアニメ事業の売上増加と、モバイル向けゲームアプリの収入増加により、増収を達成。営業利益も前年度比457億円の増加となる、1,881億円となった。

2021年度の見通しとしては、前年度に公開した『劇場版「鬼滅の刃」』の貢献の減少や、モバイル向けゲームアプリの収入減少を見込んでいるが、ストリーミングサービスからの収入の増加などによる音楽制作・音楽出版の増収により、分野全体で増収を見込む。

映画分野の売上高は、前年度比2,531億円(25%)減少の7,588億円。新型コロナウイルス感染拡大による映画館の閉鎖の影響で主要作品が劇場公開できなかった事が響いた。テレビ番組制作でも、作品制作の遅れなどにより納入数が減少し、減収となっている。

一方で、営業利益は前年度比123億円増加の805億円。劇場公開ができなかった影響で広告宣伝費が減少したことや、ホームエンタテインメントの売上増加によるもの。

2021年度については、劇場公開再開にともなう劇場興行収入の増加、「サインフェルド」のライセンス収入を含むテレビ番組制作の増収、メディアネットワークの増収により、分野全体で大幅な増収を見込む。

イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の売上高は、前年度比581億円(5%)減少の1兆125億円。モバイル機器向けイメージセンサーの販売数量は増加したが、製品ミックスが悪化したことで減収になったほか、コロナの影響によるデジタルカメラ向けイメージセンサーの販売数量減少も響いた。

営業利益は前年度比897億円減少の1,459億円。研究開発費や減価償却費の増加、前述の減収の影響、為替の悪影響などによるもの。2021年度の見通しとしては、モバイル機器向けイメージセンサーで製品ミックスの悪化を見込むが、販売数量の増加により増収を予定。デジタルカメラ向けイメージセンサーの販売数量の増加と、それに伴う増収を見込む。

2021年度通期の連結業績の見通しは、売上高が9兆7,000億円、営業利益は9,300億円、純利益は6,600億円と予想。金融分野で大幅減収を見込むものの、映画分野、G&NS分野、EP&S分野で増収を見込むことなどにより、2020年度比で増収を見込んでいる。