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改正著作権法が成立。放送のネット同時配信手続き円滑化

著作権法の一部を改正する法律案・説明資料より(文部科学省作成)

放送番組のインターネット同時配信に必要となる、権利処理の円滑化を盛り込んだ「著作権法の一部を改正する法律案」が参議院で可決、成立した。

改正著作権法は、放送番組の同時配信や追っかけ配信、一定期間の見逃し配信について、放送と同様の円滑な権利処理を実現するためのもの。

具体的には、権利者が別段の意思表示をしていなければ、放送だけでなく、同時配信等での利用も許諾したと推定する「許諾推定規定」が新たに創設。さらに、許諾を得るのが困難な「レコード(音源)」「レコード実演(歌唱・演奏)」や、過去の映像などについても、事前許諾を不要としつつ、放送事業者が権利者に報酬を支払うことで同時配信等の利用を円滑化する内容を盛り込んでいる。

権利処理に関わる手続きが簡略化されることで、視聴者や放送事業者、クリエイターにとって利益となることが期待されている。

今回の改正著作権法では、図書館関係の権利制限規定の見直しも含まれており、例えば、絶版等により一般に入手困難な著作物の一部を、厳格な要件設定や補償金の支払いを前提に、利用者に直接メール送信できるようになることも盛り込まれている。

著作権法の一部を改正する法律案・概要より(文部科学省作成)