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4K8K放送機器が約861万台に。電波漏洩対策助成金は今年度で終了
2021年5月27日 19:30
放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、新4K8K衛星放送の視聴可能機器台数について発表。4月分の集計では約32万台、累計では約861万台を記録した。6月に実施するNHKと民放5社が合同で実施する「新4K8K衛星放送を見ようよ! 月間」の第2弾についても紹介した。
対応機器出荷累計は約861万台。五輪までに1,000万台は厳しい
4月分の出荷内訳は、新チューナー内蔵テレビが24.2万台、外付け新チューナーが1,000台未満、新チューナー内蔵録画機が2.6万台、CATVの新チューナー内蔵STBが5.4万台。前年同月比で約1.5倍高い伸びを記録しており、とくに新チューナー内蔵テレビが全体の2/3以上を占めている。
一方で、新チューナー内蔵録画機は10万台を超えていた前年同月に比べ、大幅に減少。これについては新チューナー内蔵テレビで録画も可能な機種が増加したことで、テレビだけを購入する層が増えたことによるものと考察している。
累計では、新チューナー内蔵テレビが593.7万台、外付け新チューナーが25.5万台、新チューナー内蔵録画機が95.4万台、CATVの新チューナー内蔵STBが145.9万台となっている。
なお、東京オリンピック・パラリンピックまでに1,000万台の出荷を目標にしていたことに関しては、残り140万台に対し、大会開始の7月までの3カ月では47万台/月ペースとなり、かなり厳しい状況。開催期間中の8月までの4カ月では、35万台/月ペースとなるため、まだ可能性が見えることから、8月を目標に引き続き1,000万台達成を目指すとした。
NHKと民放5社のピュア4K集中放送第2弾。ピュア4K率向上にCMの4K化も
NHKと民放5社は、昨年12月に実施した「新4K8K衛星放送で見ようよ! 月間」の第2弾を6月に実施。ピュア4K番組を集中的に展開する。
BS日テレ4Kでは、「ぶらぶら美術・博物館 2時間スペシャル」や、北川景子がヨーロッパに渡りゴッホの魅力に迫る「日本に恋したゴッホ ~北川景子が歩く天才画家の旅路~」などを放送。BS朝日4Kでは、「スーパー4Kマジック」の第7弾「Mr.マリック VS 最強の東大生軍団」や、「京都ぶらり歴史探訪」など4Kレギュラー番組のスペシャル企画、「ワールドプロレスリターンズ 4Kスペシャル」などを放送する。
BS-TBS 4Kでは、銭湯の魅力をゆったり探訪する「おもひで銭湯探訪」、日本各地の神社と風景を紹介する「PRIME JAPAN」の神社回、「解析! 日本の名城」の安土城回などを放送する。
BSテレ東4Kでは、「警視庁ゼロ係」や「高嶺のハナさん」などのドラマの4K版や、4Kリストア版の「ランボー」2作、プロ野球のオリックス×巨人戦などを放送。BSフジでは、4週連続で滝川クリステルが生命の多様性と神秘に触れるドキュメンタリー「Earth Walker」、「浅田真央サンクスツアー 千秋楽公演4K特別版」などを放送する。
NHKでは、BS4Kにて「浮世絵ミステリー 歌麿・国芳ヒットの謎」、「キネマの神様」の製作に密着した「山田洋次の青春」などを放送。BS8Kにて、元陸上短距離走選手のボルトなどの体内を可視化して超人の謎に迫るドキュメンタリー「超人達の人体」などを放送する。
なお、現在の民放5社のピュア4K率は20%前後。「新4K8K衛星放送で見ようよ! 月間」の期間中はこの比率が上がり、高い時には30%程になる見込みとしている。
BSフジ常務取締役 荒井昭博氏は、2年半で4Kでの番組製作には慣れてきたが、「制作費が2Kと比較して非常に高額であることが、民放の経営面で大きな大きな足枷になっており、急激にピュア4K率を上げるのは困難」とし、スポンサーによるCMの4K化も4K発展の大きなテーマになっていると述べた。
電波漏洩対策事業の助成金は今年度で最後。説明動画も公開中
今年度が最後となる電波漏洩対策事業の助成金についても説明。
この助成金は、ブースター、分配器、壁面端子など、宅内で電波が外部に漏れるタイプの機器を使用していた場合、Wi-Fi等に妨害を与えたり、電子レンジ等の電波が入り込んで新4K8K衛星放送の受信に影響を与える際に、それらを電波の漏れない(3.2GHz対応)機器に交換する費用の一部に国の助成金を活用できる制度。これまで、戸建住宅、集合住宅合わせて約7万9千世帯に助成が完了したという。
コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、人を集めての講習会が難しくなったことから、現在、助成金の概要について、申請内容や各段階に応じて短い時間で解説した動画12本をYouTubeにて公開している。詳しくはWebページを参照のこと。