ニュース

FAudio、新世代最上位ユニバーサル「Dark Sky」。「Majorを超える」

Dark Sky

ミックスウェーブは、FAudioの新世代のフラグシップユニバーサルイヤフォン「Dark Sky」を7月21日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は134,900円前後。

「Majorよりも遥かに優れたサウンドを作る」をサウンドデザインコンセプトとして開発されたモデル。

2017年に発売されたMajorは「シングルダイナミックドライバーで最高のサウンドを生み出す」を目標に掲げて作られたが、「当時の振動板コーティング技術は私たちの望んだサウンドを100%実現するには不十分であり、Majorは一つの到達点ではあったもののサウンドパフォーマンスに満足していなかった」という。

Dark Sky

Dark Skyはダイナミックドライバーの伝承を継承しつつも、「より開放的で高解像度のディテールを持ち、低域の明瞭さと広大なサウンドステージを持ったサウンドに仕上がっている」という。

Dark Skyには、新開発の10.2mm径ダブルレイヤーダイナミック型ドライバーを採用。ファイバー素材でできた振動板と、D.L.Cコーティングされた振動板、特性の異なる2種類の振動板をダブルレイヤー構造で配置。

ファイバー素材を使用した振動板は非常にレスポンスがよく、立ち上がりの速いタイトな低域とメロウなボーカルを実現。D.L.Cコーティングされた振動板は高音域の伸びが良く、細部の表現力が向上し音場の広がりと解像度が向上したという。これにより低域の明瞭度や開放的なサウンドステージを実現している。

筐体は堅牢なアルミニウム合金製。ドライバーチューニングを担う3つのアコースティックチャンバー(空気室)を備え、2つのアコースティックチャンバーでハウジングの容積を最適化し、筐体内のエアーフローをコントロール。搭載したダイナミック型ドライバーのポテンシャルを引き出している。

最後のアコースティックチャンバーは、音導管(サウンドチューブ)に採用。鼓膜やドライバーににかかる空気圧をコントロールし、低音域の解像度を向上させている。

筐体カラーに合わせたカラーの専用ケーブル「S.S.S.」が付属。導体に銀合金、ドイツ製の純銀、金メッキ銀合金の3種類を採用。Hi-Fiなサウンドに合わせて高級な半田を選定したとする。

各パーツはCNC切削で削り出し、繋ぎ目のない美しい外観に仕上げた。ケーブルジャケットには柔らかなPVCを採用。プラグは2.5mmで、付属の変換コネクターを使用することで、3.5mmや4.4mmでの出力にも対応する。

周波数特性は15Hz~38kHz。感度は114dB@1mW。インピーダンスは24Ω@1kHz。イヤフォン側の端子はカスタム2ピン。

改良された独自開発イヤーピース「FA Premium+ EarTips」を同梱。「FA Vocal」、「FA Instrument」を改良したのが「FA Premium+」で、新しく採用したシリコン素材は柔軟性が高く、従来のイヤーピースと比べ、ピース内の音の反射を低減。より正確なサウンドを実現したとする。柔らかさが向上したことで、耳への負担も減らし、聴き心地を大幅に向上させた。

Dark Sky

音を聴いてみる

短時間だか試聴したので、そのファーストインプレッションをお届けする。音が出た瞬間に驚くのは、高級イヤフォンとしては小ぶりで薄い筐体にも関わらず、圧倒的に広がる音場だ。筐体の剛性の高さや、余分な反響の低減が効いているようで、筐体の制約を飛び越えて、どこまでも広がる音の余韻が非常に心地良い。

気持ちいいのは音場だけでなく、中高域の分解能も目が覚めるほどシャープ。自分の耳の性能がアップしたかのようだ。それでいて、高域に硬質な、金属質な響きが乗ったりもせず、低域から高域まで非常にナチュラルな音になっているのが凄い。

高解像度なサウンドなので、低域の分解能も良好。太く、深く沈むベースラインも、パワフルな迫力がありながら、弦を爪弾く指の動きが見えそうなほど描写が細かい。

ポップスやロックのヴォーカルを聴いていて感じるのは、“音のダイレクトさ”と“広大な音場の両立”だ。音の鮮度が高く、ヴォーカルや楽器が前へ前へと迫ってくるような、ダイレクトなサウンドが届く気持ちよさと、その背後に広大にサウンドが広がっていく空間描写のうまさが共存している。普通は、音像がパワフルに迫るイヤフォンでは音場が狭くなりがちだが、Dark Skyでは相反する要素が両立している。

モニターイヤフォン的な、色付けの少ない、バランスの良い、高解像度なサウンド。それでいて、音の余韻にゆったりと浸れる空間の広さも兼ね備えた、オールマイティーに使えるイヤフォンだ。

開封したところ