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庵野総監督、ヱヴァ新劇場版「本当は8年で完結」。今後は「実写を何本か作りたい」

7月23日にオンラインで開催された「Comic-Con@Home」のパネルセッションに、映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の原作・脚本・総監督を務めた庵野秀明氏が登壇。「僕の描く作品は基本的には日本で暮らす人たちに向けたドメスティックな内容です。そのような作品が世界の人に愛されているのは本当にありがたく、光栄」と世界中のファンに感謝を伝えたほか、今後の展望について「エヴァではなく実写作品の映画を何本か作りたい」と明かした。

冒頭、庵野総監督は「本当は8年で完結させようと思っていましたが、16年かかってしまいました。全てが終わった今、ホッとしています」と、完結を迎えたばかりの「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズを回想。

日本のみならず、世界中で作品が愛されている理由については、次のように語った。「作品自体のストーリーやドラマ、技術的なクオリティは、スタッフとキャストの努力のお陰で、常になるべく高い位置にあるように頑張って維持しています。それとは別に、『エヴァンゲリオン』には世界の人に共通する何かがあったのだと思います。それは自分自身の物語として捉えられるような仕組みになっていたからなのかもしれません。一概には決められませんが、世界中の人がそれぞれ自分にとってこれだと思うものが、届いた結果なのかなと思っています」

また、「シン・エヴァ」のラストについては「おおむね最初から決めていた」と言い、「漠然とあった終わり方が、少しずつ形を変えて今回の終わりに行きつきました。ディティールは変化しましたが、根本的には変わっていません」と明かした。

自身の今後の活動については、「今年61歳になったので、エヴァではなく実写作品の映画を何本か作りたいと思っています。アニメーションは、今後実写作品を数本作ってから、またやれるチャンスがあればと思っています。まだ何も決まっていませんが」とコメントした。

「実写作品とアニメーション作品の制作の仕方は全く違います。アニメーションでは出来ないことを実写で色々と描けるので、本当に楽しみにしています」

最後に世界中のファンに向けて、「『エヴァンゲリオン』に限らず、僕の描く作品は基本的には日本で暮らす人たちに向けたドメスティックな内容です。そのような作品が世界の人に愛されているのは本当にありがたく、光栄です。皆さん『エヴァンゲリオン』を本当にありがとうございます、そしてよろしくお願いいたします」と感謝を伝えた。

3月8日に公開された「シン・エヴァ」は、一部劇場を除いて7月21日に終映。7月21日までの累計観客動員数は669万人、興行収入は102.2億円だったことが、映画公式Twitterで明かされている。

また本作は240以上の国と地域で、8月13日からAmazon Prime Video独占での配信が決定。日本でも同日からAmazon Prime Videoで見放題独占配信される。

庵野氏は、公開日調整中の空想特撮映画「シン・ウルトラマン」で企画・脚本を、2023年3月公開予定の映画「シン・仮面ライダー」で脚本・監督を務める。

Amazon Panel | Comic-Con@Home 2021(庵野総監督のパネルセッションは17分3秒ごろから)