映画フィルムの劣化を防ぐ酢酸ガス吸着剤「シネキープ2」

「シネキープ2」

IMAGICAエンタテインメントメディアサービスは、映画フィルムの劣化予防や保存に利用する酢酸ガス吸着剤「シネキープ2(Cine Keep 2)」を直販サイトにて発売した。ラインナップと直販価格は、12個入りが2,640円、120個入りが24,200円。

加水分解によって発生する酢酸ガスを吸着することで、フィルムの保存環境を安定的な状態に保つことができる酢酸ガス吸着剤。ネガフィルム、プリント、35mm、16mm、8mmフィルムに利用でき、フィルムの劣化につながる成分を吸着するため、大切な映像資産を未来につなげていくための予防保存として利用できるとする。

古いフィルムの成分は空気中の水分と結合すると酢酸ガスが発生し、ビネガーシンドローム(酸っぱい匂いを発する)と呼ばれる状態におちいって、劣化が進行するという。ビネガーシンドロームの状態になったフィルムは、変形・乳剤面の溶解により、やがて記録された映像が失われてしまう。

ビネガーシンドロームにより変形したフィルム

画像の消失

シネキープ2は、酢酸ガスを吸着させてフィルムの劣化を防ぐほか、フィルムの害となるアルカリ性ガスの吸着、脱臭、調湿の効果も備えている。フィルムケース(フィルム缶)の隙間に3個(16mmフィルムや8mmフィルムなど小さいフィルムの場合は1個)を直接封入して利用する。

主な成分は内材がアロフェン、外包材(不織布)はポリエステル。ガスの吸着面積は7,000～9,000m2、比表面積は700～900m2/g。外形寸法は110×50mm。