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ARCAM再び、7.7万円のアンプ内蔵小型ネットワークプレーヤー「Solo Uno」

アンプ内蔵ストリーミングプレーヤー「Solo Uno」

ハーマンインターナショナルは、英ケンブリッジ生まれのオーディオブランド「ARCAM(アーカム)」の日本市場導入を決定。アンプ内蔵ストリーミングプレーヤー「Solo Uno」など、4機種を10月より順次発売する。価格と発売時期は、Solo Unoが77,000円で10月、DACやHDMI入力を備えたプリメインアンプ「SA30」が330,000円で10月、ベーシックなプリメインアンプ「SA20」が165,000円で12月、SACD・ネットワークプレーヤー「CDS50」が143,000円で10月。

「Solo Uno」

ARCAMは、1976年に英ケンブリッジの名門ケンブリッジ大学の学生であったジョン・ドーソン氏らによって創業。シンプルで美しいデザインと高音質を実現した最初のプリメインアンプ「A60」が話題となった。

80年代には、完全自社開発のCDプレーヤーやコンポーネントDACの草分け的存在「Black Box Delta」シリーズを発売。業界に先駆けてデジタルオーディオの利便性に着目し、「デジタルオーディオの高音質化」を追求。2017年から、ハーマンインターナショナルのグループ傘下になっている。

上からSA30、SA20、CDS50

Solo Uno

「Solo Uno」

B5サイズのコンパクトボディに、アンプとネットワークオーディオ受信機能を搭載したストリーミングプレーヤー。小型スピーカーなどを接続すれば、省スペースでネットワークオーディオが楽しめる環境が構築できる。外形寸法は140×213×52mm(幅×奥行き×高さ)。重量は1.5kg。

MQAにも対応した高解像度なDACを搭載。LAN端子に加え、5GHz/2.4HGHzデュアルバンドWi-Fiも内蔵。AirPlay2、Chromecastに対応するほか、Roon Readyにも対応。スマートフォンなどから、手軽に音楽を再生できる。専用スマホアプリ「MusicLife」も用意し、直感的に操作が可能。

サポートするファイルはWAV、FLAC、ALAC、AIFF、OGG(192kHz/24bit)、AAC(96kHz/24bit)、MP3(48kHz/16bit)、WMA(44.1kHz/16bit)。

アンプの出力は25W/ch@8Ω、50W/ch@4Ω。小型筐体ながら、ハイグレードなスピーカーターミナルを備えている。

3.5mmのステレオミニ入力を1系統搭載。サブウーファー出力も備えている。サブウーファー出力のクロスオーバーは80Hz。

背面

筐体には高剛性アルミキャストを採用。鏡面クローム仕上げとなっている。最大消費電力は60W。

筐体には高剛性アルミキャストを採用。鏡面クローム仕上げ

HDMI入力も備えたプリメインアンプ「SA30」

プリメインアンプ「SA30」

ネットワーク再生機能と、HDMI入力端子も搭載したプリメインアンプ。MQA対応のDACを搭載している。HDMI入力はARCに対応しており、テレビと接続し、テレビのサウンドをSA30と接続したスピーカーから再生できる。

ネットワーク機能としてLAN端子や、5GHz/2.4HGHzデュアルバンドWi-Fiも搭載。専用スマホアプリ「MusicLife」も用意し、直感的に操作ができる。

アンプ部は、A級動作のサウンドクオリティとハイパワーを両立するという130W/ch@8Ω、200W/ch@4ΩのクラスGアンプを搭載。このクラスGアンプは、歪みの少ない高精細な再生音を実現するクラスAアンプと、大出力の要求に高効率に応えられるクラスABアンプを組み合わせたハイブリッド型のアンプ技術。

クラスAでは、歪みの発生しない領域で出力素子を動作させるために高いバイアス電流をかける必要があり、音質に定評がある。一方で、そのほとんどは熱として消費され、エネルギー損失が多いことに加え、大出力を実現するためには物理的な筐体スペースやコストが必要になるという課題がある。

そこでARCAMでは、「日常の音楽視聴における歪みのない精細な再現性」と「映画などの再生における急激な大出力」では、要求されるアンプ性能が異なることに注目。ハイブリッド技術に到達した。

さらに、接地した室内環境に応じた自動音場補正機能の「Dirac Live」も用意。電源部には大型トロイダルトランスを採用する。入力端子は、RCAアンバランス×3、ステレオミニ×1、MC/MCフォノ×1、光デジタル×1、同軸デジタル×2。

最大消費電力は800W。外形寸法は433×323×100mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は10.7kg。

プリメインアンプ「SA30」の背面

プリメインアンプ「SA20」

プリメインアンプ「SA20」

上位モデルと同様にクラスGアンプを搭載。DACやHDMI入力、ネットワーク再生機能などは省いたプリメインアンプ。90W/ch@8Ω、150W/ch@4ΩのクラスGアンプを搭載する。

電源部には大型トロイダルトランスを採用。低ノイズ、高精度レベル調整が可能なレジスターラダーボリュームを採用。

入力端子は、アンバランスRCA×3、3.5mmステレオミニ×1、MMフォノ×1、光デジタル×1、同軸デジタル×2。

最大消費電力は500W。外形寸法は433×323×87mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は9.2kg。

プリメインアンプ「SA20」の背面

SACD/CDネットワークプレーヤー「CDS50」

SACD/CDネットワークプレーヤー「CDS50」

SACD、CDに加え、USBメモリー、ネットワーク再生に対応したプレーヤー。192kHz/32bit対応のDACも搭載。

LAN端子とWi-Fiも搭載し、ストリーミング再生に対応。専用スマホアプリ「MusicLife」で直感的に操作できる。

出力端子として、アンバランスRCA×1、バランスXLR×1、光デジタル×1、同軸デジタル×1を搭載。入力端子は、光デジタル×1、同軸デジタル×1。サポートするファイルはWAV、FLAC、ALAC、AIFF、OGG(192kHz/24bit)、AAC(96kHz/24bit)、MP3(48kHz/16bit)、WMA(44.1kHz/16bit)。

最大消費電力は20W。外形寸法は433×283×87mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は5.3kg。

「CDS50」の背面

デジタルオーディオの利便性・音質向上にいち早く取り組んできたARCAM

濱田直樹プロダクトマネージャー

都内で開催した発表会で、コンシューマー ライフスタイル オーディオ プロダクトマーケティング部の濱田直樹プロダクトマネージャーは、現在のオーディオ市場ではお馴染みの“単体DAC”を英国ではじめて「Black Box Delta」シリーズとして開発・発売したのがARCAMである事や、英国初のCDプレーヤーを開発した事、ジッター問題にもいち早く注目し、対策を講じるなど、デジタルオーディオの黎明期から、その利便性・音質の向上に取り組んできた事を紹介。

さらに、2015年にはインパルス応答特性と周波数特性の補正を組み合わせたルーム音場補正技術「Dirac Live」をいち早くアンプに搭載。時間軸上の音のズレがもたらす問題に対して、設置する部屋の影響も含めた対策を行なうなど、高音質なオーディオを、手軽に、多くの人に届ける事をテーマに掲げているのがARCAMだという、

また、ARCAMでは「シンプル化」を徹底する一方で、大型トロイダルトランスや肉厚なヒートシンク、巨大コンデンサなど、音質の基礎に関わる部分は細部までこだわり、“無駄は徹底的に省くが、感情に訴える部分には惜しみなく投入する”のも特徴だという。

海外ではAVアンプなども手掛けている

ハーマンインターナショナル ジャパンのトム・メッツガー代表取締役社長は、ポータブルオーディオや、カーオーディオ、コネクテッドカー、ヘッドフォンなどの市場において、世界的なマーケットシェアを誇り、年平均成長率が過去5年間で+10%、2025年までの次の5年間では+18%を見込むなど、全世界で二桁成長を継続している事、オートモーティブの売上がコロナ禍で堅調に推移している事、直販サイトも高い成長率になっている事など、ハーマンの近況を紹介。

ハーマンインターナショナル ジャパンのトム・メッツガー代表取締役社長

レコーディングから再生まで、プロオーディオからコンシューマー、カーオーディオ、映画館などの施設の音響、ライブステージの音響も手掛けるなど、文字通り“音の入口から出口までを完全網羅”しており、各分野で強力なブランドを持っている事を紹介。

また、JBLのサウンドシステムとトヨタのパートナーシップが25年間続いており、先日発表された新しいランドクルーザーにもJBLのサウンド・システムが採用。さらに、マークレビンソンとレクサスとのパートナーシップにより、新しいレクサスNXにマークレビンソンのサウンドシステムが導入された事なども、各担当者が解説した。

新しいランドクルーザーにもJBLのサウンド・システムが採用された

さらに、発表会場には今後正式発表が予定されている新製品も多数参考展示。

定番Bluetoothスピーカーの新モデル「FLIP6」

JBLブランドからは、定番Bluetoothスピーカーの新モデル「FLIP6」や、TOURシリーズのノイズキャンセリング(NC)搭載完全ワイヤレス「TOURPRO+ TWS」、ハイブリッドNCを搭載したヘッドフォン「TOURONE」が登場予定。

TOURシリーズのノイズキャンセリング(NC)搭載完全ワイヤレス「TOURPRO+ TWS」
ハイブリッドNCを搭載したヘッドフォン「TOURONE」

他にも、JBLの直販サイト限定で、リモートワークでの利用も想定した、着脱式マイク付属のヘッドセット「FREE WFH WIRELESS」や、完全ワイヤレスの「WAVE200」、完全ワイヤレス「LIVEPRO+ TWS」の新色CHROME、ROSE GOLDの追加が予定されている。また、ヤマダ電機専売予定のNCヘッドフォン「LIVE460」なども参考出品された。

着脱式マイク付属のヘッドセット「FREE WFH WIRELESS」
完全ワイヤレスの「WAVE200」
「LIVEPRO+ TWS」の新色CHROME、ROSE GOLD
ヤマダ電機専売予定のNCヘッドフォン「LIVE460」
AKGのオールインワン・テレワーク用マイク「ARA」も登場予定。ヘッドフォンアンプを内蔵し、ヘッドフォンをマイクに直接接続し、Web通話が可能
Harman Kardonブランドの新製品も参考出品。ニューヨーク近代美術館「MoMA」にも収蔵されている、デザイン性の高いスピーカー「SOUNDSTICKS」の新製品、「SOUNDSTICKS 4」も展示されていた
手前がSOUNDSTICKS
SOUNDSTICKS 4