レビュー

超小型で高音質、ARCAM「Solo Uno」でJBL新スピーカーを鳴らす

中央がARCAM(アーカム)の「Solo Uno」。スピーカーはJBL「L52 Classic」

すっかり“あたりまえ”になった音楽のサブスク配信。家で過ごす時間も増え、「せっかくだからこの膨大な音楽をスマホじゃなく、ちゃんとしたオーディオシステムで楽しみたい」と思っている人も多いだろう。だが、御存知の通り本格的なオーディオ機器は、大きく、重く、高価なので、なかなか手が出ない。

もっとシンプルで、小さくて、そこまで高価ではなくて、音楽配信と親和性が高く、それでいて音は本格的なオーディオはないものか……。そんなところに、英国ケンブリッジから、超気になる製品が登場した。ARCAM(アーカム)の「Solo Uno」というモデルだ。

Solo Uno

特徴は一目瞭然、そのコンパクトさ。片手でラクラク持ち運べて、デスクの上のノートパソコン近くに置いても邪魔にならないサイズ。しかも薄い。それでいて、2chアンプ、Wi-Fi、ネットワークオーディオ受信機能を搭載したストリーミングプレーヤーでもある。つまり、あとはコンパクトなスピーカーさえ用意すれば、省スペースで本格的なオーディオシステムが完成するというわけだ。

「でも、海外ブランドのオーディオだからお高いんでしょう?」と思いきや、このSolo Uno、77,000円とそこまで高くない。

組み合わせるのは、コンパクトで高音質、そしてカッコいいスピーカーが良い。そこで、JBLの新製品であり、レトロな外観だがスペックは最新の「Classic」シリーズ最小モデル「L52 Classic」(ペア11万円)を用意。Solo Unoと組み合わせて体験してみる。

L52 Classic

ボディは小さいが多機能

ARCAMと聞いて、ピンと来る人は、昔からのオーディオファンだろう。英国のブランドで、1976年にケンブリッジの名門ケンブリッジ大学の学生だったジョン・ドーソン氏らが創業。最初のプリメインアンプ「A60」が、シンプルで美しいデザインと高い音質で人気となった。

また、デジタルに関する技術力も高く、'80年代に完全自社開発のCDプレーヤーを作ったり、今でこそ当たり前になっている“単体DAC”の草分け的モデル「Black Box Delta」シリーズを発売。「デジタルオーディオの高音質化」に、長年の技術的蓄積を持つ老舗メーカーだ。

以前、日本でも販売されていたが、2017年からはハーマンインターナショナルのグループ傘下となり、今回あらためてSolo Unoなどの新製品を投入。“ARCAM再上陸”を果たしたというわけだ。

Solo Uno最大の特徴はコンパクトさ。外形寸法は140×213×52mm(幅×奥行き×高さ)で、とてもアンプとは思えない。パソコン机の上に置くと、光学ドライブのようなサイズ感だ。重量も1.5kgなので、ひょいと片手で持ち上げられる。

筐体は高剛性なアルミキャスト製なので、手にした時も質感が高い。底部にはインシュレーターとして、大きなゴム製パーツが取り付けられており、小さいとはいえ、さすがオーディオメーカーとうなる配慮だ。

底面

デザインもスタイリッシュ。筐体の下半分が鏡面のクローム仕上げになっており、見た目にも高級感が漂う。この鏡面に机の木目などが映り込むので、パッと見ると、上の黒い部分だけが空中に浮いているように見える。ただでさえ小さい筐体が、より薄く見える。“オーディオ機器がここに置いてあるぜ!”という自己主張はとても控えめで、むしろ隣に置いたスピーカーに目がいく。機材は極力目立たせたくないという人に、最高のデザインだろう。

下半分が鏡面のクローム仕上げ
上から見たところ

この筐体に、出力は25W/ch@8Ω、50W/ch@4Ωの本格的なアンプと、ネットワーク受信機能、DACを搭載。DACはMQAにも対応した高解像度なチップを採用。ネットワークまわりはLAN端子に加え、5GHz/2.4HGHzデュアルバンドWi-Fiも内蔵する。

5GHz/2.4HGHzデュアルバンドWi-Fiも内蔵

サポートするファイルはWAV、FLAC、ALAC、AIFF、OGG(192kHz/24bit)、AAC(96kHz/24bit)、MP3(48kHz/16bit)、WMA(44.1kHz/16bit)で、MQAのデコードにも対応する。

AirPlay2、Chromecastに対応するほか、Roon Readyにも対応。リモコンは付属していないが、専用スマホアプリ「MusicLife」も用意している。

AirPlay2、Chromecastに対応しているので、一番シンプルな使い方は、スマホの普段使っているアプリで音楽配信や動画配信を楽しみながら、その音声をSolo Unoに転送する方法だろう。

背面。3.5mmのステレオミニ入力を1系統搭載している

また、3.5mmのステレオミニ入力を1系統搭載しているので、通常のアナログアンプとして使うことも可能。パソコンのアナログ音声出力と接続したり、ポータブルオーディオプレーヤーを接続する事も可能だ。

コンパクトな製品だが、背面には立派なスクリュータイプのスピーカーターミナルを備えている。金メッキ仕上げで、細かい部分まで妥協なく作り込まれているのがわかる。サブウーファー出力も備えているので、例えば、小型スピーカーを使って低音不足を感じた時に、サブウーファーの追加で対応できるわけだ。

スピーカーターミナル

JBL、人気シリーズに最小スピーカー登場「L52 Classic」

今回組み合わせるスピーカー「L52 Classic」も、新製品なので軽く特徴をおさらいしよう。JBLは70年代に登場し、その歴史の中で世界的に最も成功したスピーカーのひとつと称された「L100 Century」をデザインモチーフとした、モダンクラシックな見た目ながら、中身は最新というシリーズを近年展開。「L100 Classic」と「L82 Classic」などをリリースして、いずれも人気モデルとなっている。

「L52 Classic」はその最も小さいサイズとなるが、クラシカルなデザインや、上位機で使われている最新技術を多く投入した“小さくてもガチなオーディオスピーカー”だ。

左からL52 Classic、L82 Classic、L100 Classic 75

グリルを含めた外形寸法は、197×216×331mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は5kg。上位モデルに搭載している25mm径チタンドーム・ツイーターの3/4スケール・バージョンである、新開発の19mm径チタンドーム・ツイーター「JT020Ti1-4」を高域用に搭載。

新開発の19mm径チタンドーム・ツイーター「JT020Ti1-4」

低域用には、JBL独自のSFG対称磁界構造にアルミショートリング、コッパ―キャップを組み合わせた超低歪磁気回路と、堅牢なアルミダイキャスト製フレームを採用した、こちらも新設計の133mm径のホワイト・ピュアパルプコーン・ウーファー「JW135PW-4」を搭載。2ウェイ・フロントバスレフのブックシェルフスピーカーとなっている。

新設計の133mm径のホワイト・ピュアパルプコーン・ウーファー「JW135PW-4」

ちなみに、メーカー側がスピーカーの置き方として基本としているのが、ツイーターが外側に来るように設置する事。ただし、今回はデスク上に設置、ニアフィールドで試聴したところ、個人的にツイーター内側の方がJBLらしい濃い音に感じたのでツイーターが外側に来るようにセッティングした。このあたり、好みで置き方を追求するのもオーディオの楽しいところだ。

ツイーターに搭載したウェーブガイドや音響レンズ、高音域用連続可変アッテネーターなど、まさに「JBLのモニタースピーカー」という外観で、見ているだけで“燃え”る。さらにグッとくるのが、さわるとフカフカするQuadrex Foamを使ったフロントグリル。カラーはブラック、オレンジ、ダークブルーの3色が選べる。今回は落ち着いたブラックで、左下のオレンジ色のJBLロゴがおしゃれ。オレンジのグリルも“まさにJBL”といったカラーで、自分で買うならオレンジかなぁなどとニヤニヤしながら悩んでしまった。

高音域用連続可変アッテネーターも備えている
Quadrex Foamフロントグリルを採用し、カラーはダークブルー、ブラック、オレンジの3色から選べる
今回お借りしたのはブラック。装着すると、このような見た目になる

音楽配信や映像配信のサウンドをSolo UnoとL52 Classicで再生

さっそくSolo UnoとL52 Classicを接続してセットアップしよう。といっても、スピーカーケーブルを接続して、Solo Unoの電源を入れるだけで、拍子抜けするほど準備は簡単だ。

あとはスマートフォンやタブレット、iOS機器からSolo Unoを見つけて、連携するデバイスとして登録する。まずは、AndroidスマホのGoogle Pixel 3 XLを使用。Google Homeアプリを起動し、Solo Unoと同じネットワークに接続すると、Google Homeアプリ上にSolo Unoが登場。そこで、Solo Unoを使用するデバイスとして登録するだけだ。

Google Homeアプリから登録しているところ
音声・音楽をキャストするデバイスとして、Solo Unoを選択する

あとは、Amazon Music HDやNetflix、YouTubeなど、普段使っているアプリでコンテンツを再生。これらChromecast built-in対応アプリであれば、そのサウンドをSolo Unoに転送して、Solo Uno+L52 Classicから再生できる。

Amazon Music HDで「藤田恵美/camomile Best Audio」から「Best of My Love」を再生。音が出た瞬間にわかるのは、非常に素直で、ニュートラル、そして情報量の多いサウンドという特徴だ。

冒頭のアコースティクギターが、弦の金属質な響きと、胴体の木製の温かい響きが、キチンと描きわけられており、着色が少ない、ナチュナルな音色だ。1分過ぎから入ってくるアコースティクベースは、「ズズーン」と深みのある低域で、流石は本格的なブックシェルフスピーカーという貫禄。コンパクトなサイズからは想像できない音圧とスケール感を伴った低音で、例えば小さなBluetoothスピーカーや、パソコン用アクティブスピーカーでは真似できないサウンドだ。

単に低音がパワフルで迫力があるだけではない。アコースティクベースの「グォーン」という低音の輪郭は非常にシャープで、締まりがある。これが膨らんでしまうと「ブォーン」と、フォーカスの甘い音になってしまうが、Solo Uno+L52 Classicではボリュームを上げても、低音の輪郭がビシッとシャープなままで、無駄に膨らんだり、滲んだりしない。

これは、スピーカーの実力が凄いというのもあるが、アンプ側のドライブ能力が高い事の証拠でもある。ユニットは前後に振幅して音を出すが、アンプの駆動力が高いと、そのユニットをキッチリと駆動できるため、音を出す時だけでなく、音が無くなった瞬間にも、ユニットをビシッと止められる。駆動力が弱いと、いつまでもフラフラユニットが動いてしまい、音がにじんだり、ボケたりするのだ。つまり、Solo Unoの高い駆動力と、L52 Classicのストレートなサウンドという特徴がマッチした結果、端切れの良い低音が生み出されたというわけだ。

トランジェントが素晴らしいので、ジャネール・モネイのアルバム「Dirty Computer」から「Make Me Feel」を聴くと、キレッキレのサウンドで鳥肌が立つ。切り込むような低域のビートが鮮烈だが、そのパワーに負けじと、中高域のヌケの良さも抜群。音像が空間に自由に定位し、音が飛び交うような感覚は、まさにスピーカーで楽しむオーディオの醍醐味だ。

それにしても、大きなアンプも、ディスクプレーヤーも何も置かず、スピーカーとSolo Unoのシンプルな構成だけで、これだけ良い音が楽しめるのは非常に楽しい。「Solo Unoにネットワーク再生やアンプが内蔵されているから」と、頭では理解できるが、この最小構成コンポの前で、スマホをちょっといじるだけで音が出るのは、ちょっとした魔法のようだ。もちろん、Amazon Music HDでなくても、例えばiPhoneを使って、Apple MusicのサウンドをSolo Uno+L52から再生する事も可能だ。

オーディオ機器として、本格的なスピーカースタンドに設置するのももちろん良いが、省スペースなので棚などにも気軽に設置できる。また、前述の通り、Solo Unoは横幅が140mmしかなく、奥行きも213mmと短いため、デスクの上にノートパソコンと並べて設置するような使い方にも適している。

パソコンからも、Wi-Fi経由でAirPlay2やChromcastを使ってSolo Unoに音楽を転送できるので、パソコンで作業しながらニアフィールドリスニングを楽しむような使い方も可能だ。

Solo Unoは横幅が小さいため、ノートパソコンの横に設置しても邪魔にならない

パソコン内蔵スピーカーとは、文字通り次元の違う音が楽しめる。パソコンスピーカーではなかなか感じられない、音場の広さや、そこに定位する音像のリアルさに勘当する。広がるサウンドステージは非常に広大で、パソコンのディスプレイの遥か後方まで音が広がっていく様子がわかる。

「Make Me Feel」を聴くと、ジャネール・モネイのボーカルはディスプレイより前にグッとせり出し、吐息も感じられそうなリアリティがある。SN感の良さ、情報量の多さを実感できるサウンドで、Solo Unoの実力がしっかり発揮されている。そして、音場はゆったりと広大に描きながら、ギターやベース、ボーカルなどの音像はキッチリと前に出るこの感じは、JBLスピーカーならでは。グイグイと迫ってくるようなサウンドのパンチを浴びたい人には、Solo Uno+L52 Classicの組み合わせはオススメだ。

楽しめるのは音楽だけではない。例えば、スマホやiPadなどのタブレット端末とワイヤレスで接続、NetflixやAmazon Prime Videoアプリで映画などを楽しむ時に、そのサウンドをSolo Uno+L52 Classicから再生する事ができる。

試しに、スマホのNetflixアプリで映画「アメリカン・スナイパー」を再生しながら、音だけSolo Uno+L52 Classicから再生すると、ショボいスマホ内蔵スピーカーから、世界が激変。砂埃が舞う危険な戦場が部屋の中に出現し、一気に“ホームシアター感”が出てくる。

屋外を移動しているシーンでは、風の音や、遠くからの銃撃音の反響具合などで“広い空間なんだな”という事が音でわかる。兵士が移動すると、装備した銃器やリュックの金具などが「カチャカチャ」と音を立てるが、その金属音がクリアかつシャープで、臨場感がスゴイ。女性と子供のテロリストが、米軍の戦車に対戦車手榴弾を投げようとするのを、狙撃で阻止するシーンでは、張り詰めた空気感と、主人公の息遣い、銃撃音のどれもが鮮烈で、観ている側の鼓動もはやくなってしまう。

実際にやってみるとわかるが、画面が小さくても、音がリッチになると満足感が急上昇する。いつもはなんとなく見ていたドラマや映画が、一気に“濃く”感じられ、のめり込むように楽しめた事に驚いた。

ノートパソコンのアナログ出力とSolo Unoを接続

なお、Solo Unoはアナログ音声入力も備えているので、パソコンでプレイしているゲームの音をSolo Uno+L52 Classicから再生するといった事も可能だ。アナログ入力もキッチリ作られているので、ワイヤレス伝送時と比べても、音の鮮度低下はあまり感じられず、クリアかつソリッドな描写はそのままだ。

アナログ音声入力端子を使う時は、MUTEボタンを約3秒長押しする
本体前面にボリュームやMUTEボタンを備えているので、手の届くパソコンまわりに設置しても使いやすい

テレビの音がSolo Uno+L52 Classicで激変!

Solo Unoのアナログ入力をさらに活用して、パソコンだけでなく、テレビとも接続してみよう。テレビの内蔵スピーカーと、Solo Uno+L52 Classicを聴き比べてみたが、これもまた天と地ほどの差があり、テレビのサウンドがリッチになる。

筆者は、千鳥の「相席食堂」(朝日放送テレビ)という番組が好きなのだが、テレビ内蔵スピーカーで視聴している時に、この番組のサウンドに対して、何の印象も持っていなかった。

だが、Solo Uno+L52 Classicで音を出してみると、これがスゴイ。この番組は、有名人が田舎の食堂などを旅して、地元の人に相席をお願いする。そんな旅の様子を映像で流しながら、途中で面白い部分があると、千鳥の2人がVTRの再生を一時停止し、ツッコミを入れる……という内容。

一時停止ボタンを押すと「ちょっとまてや!!」というSEと共に、有名人が屋外を旅しているシーンと、千鳥がいるスタジオの映像が切り替わるのだが、屋外のシーンでは風の音、海から聴こえる波の音、道路を走行するクルマの音などから、それが広い空間である事が耳でしっかりわかる。そして、「ちょっとまてや!!」とスタジオに切り替わると、その空間がグッと狭くなり、スタジオ内には壁がある事で人間の声の反響も変化する。その変化具合が、Solo Uno+L52 Classicではモロにわかるのだ。

テレビ内蔵スピーカーは、音場や音像が薄っぺらで、空間など感じた事もなかった。まさか、「相席食堂」を見ながら、空間表現がどうのこうの言う日が来るとは思わなかったが、「普通のバラエティ番組でも、音にはこんなに情報量があるんだな」と驚いてしまう。画面したにテロップが表示される時の「シャラーン!!」というSEも、輪郭がシャープでクリアなため、SEが流れる旅にちょっとドキッとしてしまう。

ついでに、PlayStation 5をテレビに接続。オープンβテストを実施していたFPSゲームの新作「Battlefield 2042」をプレイしてみたが、これも戦場の臨場感がヤバい。足元を風が通り過ぎて草を揺らす音や、自分の靴底から鳴るジャリジャリという砂の音、そして上空を爆音を奏でて飛び去る戦闘機と、様々な音のオブジェクトが、高精細に耳に飛び込んでくる。リアリティが増すという利点に加え、敵の足音なども察知しやすくなるため、ゲームプレイがスムーズになった。

気になる上位モデルも薄型

Solo Uno(77,000円)とJBL L52 Classic(ペア11万円)の組み合わせで約19万円と、20万円を切るオーディオシステムだが、その価格やサイズから考えると、非常に満足度が高い。

音楽配信や映像配信を日頃から楽しんでいる人であれば、それらのサウンドをリッチに楽しめ、さらに、テレビやパソコンを繋いで使えば、さらに活用シーンが広がるだろう。ラジオチューナーは内蔵していないが、radikoアプリのサウンドを飛ばせば、クリアかつ高音質でラジオを楽しめ、日常のBGM的な使い方をすれば、使用頻度はさらに高まる。使い出のあるオーディオシステムと考えれば、コストパフォーマンスも高いと言えるだろう。

価格やサイズの面で、“新しいタイプのオーディオ入門向けシステム”とも言える。なお、ARCAMはSolo Uno以外にも、DACやHDMI入力を備えたプリメインアンプ「SA30」(330,000円/12月発売予定)、ベーシックなプリメインアンプ「SA20」(165,000円/12月発売)、SACD・ネットワークプレーヤー「CDS50」(143,000円/発売済み)をラインナップしている。

DACやHDMI入力を備えたプリメインアンプ「SA30」
プリメインアンプ「SA20」
SACD・ネットワークプレーヤー「CDS50」

特に注目は「SA30」で、2chアンプだが、AVアンプのようにHDMI入力を備え、HDMI ARCを使ってテレビのサウンドを再生できる。さらに、ネットワーク再生機能まで搭載しており、これ一台とスピーカーがあれば様々な事ができてしまう。Solo Unoの兄貴分のような存在だ。

写真を見れば一目瞭然だが、これら上位モデルは、いずれもSolo Unoのように薄型で、重ねた場合でも場所をとらない。そもそもARCAMは、 『生活の中に音楽を』をモットーにしたメーカーであり、大げさなシステムではなく、生活に溶け込みやすいサイズや、購入しやすい価格を維持しながら、良質なサウンドを届ける事にこだわっているのが、製品を見るとよくわかる。

そういう意味で、ブックシェルフスピーカーの影に隠れるような小ささながら、様々な音源を高音質に再生してくれるSolo Unoは、“ARCAMの理念”を最も体現したようなコンポと言えるかもしれない。

いずれにせよ、再上陸したARCAMは、今後、要注目のオーディオブランドと言えそうだ。

(協力:ハーマンインターナショナル)

山崎健太郎