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違法音楽アプリ・リーチサイトの利用減少続く。法改正が影響

日本レコード協会(RIAJ)は25日、違法音楽アプリおよびリーチサイトの利用実態調査を公表。2021年11月調査時点での違法音楽アプリの利用者数は、人口推計で約37万人(前回調査64万人)、またリーチサイトの利用者数は人口推計で約39万人(昨年同時期59万人)となり、いずれも大きく減少したことが分かった。改正著作権法の効果や違法音楽アプリの利用面での不満が影響しているという。

今回の調査は、2010年10月1日に違法音楽アプリなど違法なコンテンツに誘導するリーチサイト・リーチアプリの規制強化を目的とする「改正著作権法」が施行されたことを受け、違法音楽アプリとリーチサイトを対象に、法改正施行一年後における変化を含め分析を行なったもの。調査はインターネットWEBアンケートで、期間は'21年11月26日から30日。12~69歳までの男女、全国50,000サンプルを対象とした。

それによると、違法音楽アプリ(MusicFM、MusicBox)の利用者数は、2020年3月246万人、同年9月81万人、法改正直後の2020年11月で64万人と減少していたが、今回調査(2021年11月)では37万人と更に減少。また、今回新たに追加したリーチサイトの利用者数は、2020年11月の59万人から、2021年11月には39万人へと減少が見られた。

利用者の年代別構成では、違法音楽アプリ、リーチサイトいずれも30才以上が最も高く、次いで12~19才、20代が最も低い結果となった。このうち性年代別でみると、違法音楽アプリは10代・20代女性、リーチサイトは10代男性の割合が突出して多いことがわかった。

違法音楽アプリを利用する理由は前回調査と同様、「無料で利用できるから(53.2%)」がトップ。また利用を中止する理由としては、「安全ではない感じがする(31.8%)」が最も高く、その他「使いづらい」「聴けない曲やアーティストが多い」「広告が多い」など、利用面で不満を感じている回答が目立つ結果となった。

過去に違法音楽アプリを利用していたが、現在は利用を止めた人の音楽視聴方法では、「YouTube」「定額制音楽配信サービス」との回答が多く見られた。また同様に、リーチサイト過去利用者の現在の音楽視聴方法では、「定額制音楽配信サービス」がトップで、次いで「購入した音楽DVD・Blu-ray Disc」、「購入した音楽CD」が並び、音楽関連商品を所有することに意欲的な傾向が見られたという。

改正著作権法に関する認知状況においては、違法音楽アプリの場合は前回とほぼ横ばい(46.4%)を維持する一方で、リーチサイトの場合は24.4%の認知状況となり、違法音楽アプリを下回る結果になった。

収益がアーティストに還元されているものと思い利用している違法音楽アプリ利用者は40.3%と前回調査(32.0%)から増加、一方リーチサイトでは55.2%と過半数を超える利用者がアーティストに還元されていると誤った認識で利用しているという。

また、アーティストへの支払いがないと分かっても、違法音楽アプリ利用者の53.2%(昨年40.0%)、リーチサイト利用者の55.2%が利用継続すると回答。アーティストが反対する場合の利用意向はそれぞれ39.5%と51.0%まで減少する結果が得られた。