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KEF、“音のブラックホール”搭載ハイエンドスピーカ

KEFは、フラッグシップモデルとなるフロアスタンド型スピーカーの「Blade」新モデルを発表した。同ブランドの最新音響技術「Metamaterial Absorption Technology(MAT)」が投入されている。最上位となる「Blade One Meta」と、コンパクトな「Blade Two Meta」をラインナップし、価格はBlade One Metaが440万円(ペア)、Blade Two Metaが330万円(ペア)。

「Metamaterial Absorption Technology(MAT)」

ドライバーの裏側からくる不要なサウンドを99%吸収する独自の吸音技術「MAT」を採用した世界初のシングル・アペアレント・ソース・スピーカー。MATは複雑な迷路のような構造を持ち、素材自体は既存のものを使っているというが、特別に開発された迷路のような構造ひとつひとつが特定周波数帯の音を吸収し、“音のブラックホール”のような役割を果たす。これによりピュアで自然なサウンドを楽しめるという。

Bladeに使われるMAT搭載の第12世代Uni-Qドライバーは、全域で最大限の性能を発揮するように設計された専用設計ドライバー。最先端のUni-Qドライバーは「音量に関係なく、常に美しく、明瞭で叙情的な高音を再生することが可能」という。超低歪の新設計ミッドレンジボイスコイルにより、中域の高調波歪を下げ、熱圧縮を低減し、効率も向上した。

「Single Apparent Source Technology」

心臓部には「Single Apparent Source Technology」も採用。この点音源スピーカーテクノロジーは、Uni-Qドライバーを拡張したもので、低域、中域、高域がひとつの点から放射される点音源の音響的理想を達成することを目的とする。これにより、Bladeはすべての可聴周波数帯域で驚くほど位相と振幅が整っており、リアルで没入感あるサウンドを楽しめる。

Bladeに搭載される4つのベント型ベースドライバーも、MAT搭載第12世代Uni-Qドライバーと統合され、クリーンで大きく伸びる、クリアにコントロールされた低音サウンドを実現。Bladeのオリジナルコンセプトに基づいて、ボイスコイルを振動板から切り離すことで、低次のクロスオーバーを使用することができ、「より純粋でシルキーな低音域レスポンスを実現している」という。

大音量で再生した際にキャビネットが励起しないよう、これらのドライバーは背中合わせにマウントされ、出力に影響を与える運動エネルギーを打ち消すようにもなっている。

キャビネットは音響学に基づいたデザインで、トップからボトム、そしてフロントからリアへテーパーを描く丸みを帯びたフォルムとなっており、サウンドの透明感を損なうような不連続面を一切持たない。超高密度ポリウレタン複合材で作られていおり、複雑な放物線カーブはサウンドを不透明にする定在波を排除するために巧妙に設計されているとのこと。

デザインは5種類のキャビネット仕上げと6種類のドライバーコーンカラーをブレンドした8種類の仕上げから選択。スピーカーキャビネットのカラースキームのカスタマイズもできる。

Blade One Metaの再生周波数帯域は27Hz~45kHz(-6db)、クロスオーバー周波数は350Hz、2kHz、感度は88dB(2.83V/1m)。パワーアンプクラスは50~400W。公称インピーダンスは4Ω。外形寸法と重さは363×540×1,590mm(幅×奥行き×高さ)、57.2kg。

Blade Two Metaの再生周波数帯域は30Hz~45kHz(-6dB)、クロスオーバー周波数は450Hz、2.2kHz、感度は86dB(2.83V/1m)。パワーアンプクラスは50~400W。公称インピーダンスは4Ω。外形寸法と重さは338×475×1,461mm(幅×奥行き×高さ)、35.5kg。