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estelon、ダイヤモンドツイータで鋳造キャビネットのフロア型スピーカー

「XB Diamond MkII」(グロス・コバルト・ブルー)

アーク・ジョイアは、estelonのフロアスタンディングタイプのリアバスレフ型スピーカーシステム「XB Diamond MkII」を、3月1日に発売した。仕上げはグロス・ブラック、マット・ブラック、グロス・ホワイト、マット・ホワイト、グロス・コバルト・ブルーの5種類で、価格は638万円(ペア)。

グロス・ブラック
マット・ブラック

3ウェイ・3スピーカーで、発売済みの「Forza」と「YB MkII」の中間を担うという意欲作。フラッグシップであるForzaの設計を通して得た技術を活用し、コンポジット材を鋳造する独自のキャビネットデザインを踏襲。「進化を遂げた新次元のエステロン・サウンドを体験頂ける」という。

搭載ドライバーは、すべてThiel&PartnerのAccutonブランドのものを採用。中域用には逆ドーム型158mmセラミック・ユニットを搭載した。インパルス応答に優れており、全高調波歪みと相互変調歪みが非常に低いため、透明度の高い音楽再生ができる。

高域用は、フラッグシップモデルと同じ25mm径ダイヤモンド・逆ドームツイーターを搭載。人間の可聴範囲に歪みを与えることなく、最高周波数(最大60kHz)までの音を再生する。

ダイヤモンドの特性は非常に優れているものの、多くの高調波歪みを引き起こす原因にもなるため、キャビネットの内部容積や内部定在波を計算し、すべての製品を手掛けるエンジニアのアルフレッド・ワシルコフ氏による度重なるリスニングテストをもとに開発されるクロスオーバー・ネットワークにより「臨場感あふれる『音楽』だけが目前に生み出される」という。

低域用は中域用と同様、逆ドーム型の220mm径セラミック・サンドイッチ構造のドライバーユニットを搭載。軽量ながら剛性、内部減衰性に優れる。

リアバスレフ方式を採用しており、ウーファーユニットの背面側に1つのバスレフポートを搭載。ツイーターとミッドレンジは独立したチャンバーを持ち、ウーファーユニットから影響を受けない構造となっている。

独創的なユニット配置も特徴で、スピーカー最上段にミッドレンジ部、その直下にツイーター部、床に近い底部にウーファー部を搭載。クロスオーバー・ネットワーク部は各ドライバー・ユニットが搭載されたチャンバーとは物理的に分離されたキャビネット底面のチャンバー内に搭載されている。

そのネットワーク回路は設計や使用する素材なども最適化。クロスオーバー回路はツイーター/ミッドレンジは2次カーブ、ミッドレンジ/ウーファーは3次カーブを採用。OFCコイルやMundorf製Silver Gold Oilコンデンサを搭載、取り付けるはんだも高品位なものを使用しており、すべてが熟練の技術者による手作業で組み上げられている。

アンプからの音楽信号をドライバーユニットに伝送する内部配線材には、Kubala-Sosna製の純銅ケーブルを使用している。

再生周波数帯域は22Hz~60kHz、クロスオーバー周波数は85Hz/2.1kHz、出力音圧レベルは86dB/2.83V、公称インピーダンスは6Ω。スピーカー端子はシングル・ワイヤ端子。

キャビネットは、共振点の異なる複合素材(パウダーや樹脂等のコンポジット材)をミックスした上で鋳造による均一な一体成型を採用することで、高剛性・高密度を確保。キャビネットの不要振動がさらに低減したことで、搭載するドライバーユニットのパフォーマンスを最大限まで発揮し、より純度の高い音楽再生を可能とする。

緻密にデザインされたキャビネット形状は非常に複雑なもので、平行面を排除し、内部の表面も美しく湾曲させている構造により、内部定在波を極限まで抑制。音響工学に基づき、最高のパフォーマンスを発揮するドライバー・ユニットの配置、適切な内部チャンバー処理も施された。

キャビネットの成形、塗装はすべてエストニア国内で実施。外形寸法は420×590×1,260mm(幅×奥行き×高さ)、重さは1本あたり69kg。

グロス・ホワイト
マット・ホワイト