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「王立宇宙軍 オネアミスの翼」4Kリマスター化。リバイバル上映

「王立宇宙軍 オネアミスの翼」
(C)BANDAI VISUAL/GAINAX

1987年3月14日に劇場公開された長編アニメーション映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」が、公開35周年を迎えたことを記念し、本編の4Kリマスター化が決定した。さらに、4Kリマスター版によるリバイバル上映も行なわれる。リバイバル上映の情報は、公式サイトや公式Twitter(@Honneamise1987)で、後日改めて案内される。

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HD場面写真
(C)BANDAI VISUAL/GAINAX

山賀博之監督をはじめ、庵野秀明氏や貞本義行氏、樋口真嗣氏など、後に多くの名作、話題作を世に送り出すトップクリエイターが集結した若き制作集団GAINAXと、バンダイ(現在はバンダイナムコアーツが映像事業を継承)がタッグを組んで制作した、両社にとって初の長編アニメーション映画。通貨や言語、文化に至るまで、全てゼロから作り上げられた膨大かつ緻密な世界観は、その世界で息づくキャラクターとともに高い評価を得ている。

(C)BANDAI VISUAL/GAINAX
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本作の作画技術の高さは当時世界中のアニメファンに熱烈に支持され、現在もその評価は変わらず。特に庵野氏によるクライマックスのロケット打ち上げシーンはそのリアリティで観る者を圧倒する。本作は1987年の劇場公開以来、今なお「後世に遺したいアニメーション作品」のひとつとして世界中で語り継がれる伝説的な作品となっている。

今回は、山賀監督監修のもと、35mmマスターポジフィルムからの4Kスキャン&4Kリマスター化を実施。フィルムが持つ情報を鮮やかに再現したとのこと。なお、リバイバル上映では、音声は1987年オリジナル版を使用する予定。

35周年&4Kリマスター化について、山賀監督は「1987年3月14日に生まれた世界に立って」と題したコメントを寄せ、本作が劇場公開された'87年3月14日を「机上の空論がこの現実とリンクした日である」と振り返っている。

シロツグ・ラーダット。彼は戦わない軍隊、「王立宇宙軍」の兵士。この30年の歴史を誇る宇宙軍も政府には見放され、今じゃ人間どころか人工衛星すら満足にあげられない。いつの間にやら、宇宙への夢も遠ざかり訓練もさぼり放題のシロツグ。そんなある日、街で神の教えを説くふしぎな少女リイクニに出会ったことでシロツグの運命は変わってしまった。シロツグは仲間の兵士の反対にもめげず宇宙パイロットに志願してしまったのである。かくして「王立宇宙軍」の威信と名誉挽回の宇宙飛行計画が開始された……。

キャストはシロツグ・ラーダット役に森本レオ、リイクニ・ノンデライコ役に弥生みつき、将軍役に内田稔、指導官役に飯塚昭三ほか。

エグゼクティブ・プロデューサーは山科誠、企画は岡田斗司夫、渡辺繁、原案・脚本・監督は山賀博之。キャラクターデザイン・作画監督は貞本義行、作画監督は庵野秀明、飯田史雄、森山雄治、助監督は赤井孝美。樋口真嗣、増尾昭一。音楽監督は坂本龍一。

山賀博之監督「王立宇宙軍 オネアミスの翼」35周年コメント

「1987年3月14 日に生まれた世界に立って」
脚本・監督 山賀博之

机上の空論という言葉がある。
机の上だけで考えた現実とリンクするかどうかも分からぬ理屈のことであるが、今から38年前、僕と岡田斗司夫さんの二人はこれに取り組んでいた。

その時、二人が向かいあって座っていた大阪市生野区にある桃谷駅前商店街の喫茶店のテーブルの上に載っていたのは、おしぼりと水とコーヒーのみ。メモ用紙の一枚も無かった。

二人の机上の空論に特徴があったとすれば、話題にしているテーマ自体が「机上の空論」についてだったことだ。

この喫茶店の空間内で語られている理屈は、一歩店を出れば、果てしなく流れる大河のようなあの世界の重さに匹敵することができるのか?

そして3年後となる1987年3月14日。その机上の空論がこの現実とリンクした日である。

(C)BANDAI VISUAL/GAINAX
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