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OHE自己破産を受け、オンキヨー株式会社「新しいオンキヨーを創っていく」

今月13日にオンキヨーホームエンターテイメントが自己破産を申請した事を受けて、昨年オンキヨーホームエンターテイメントから独立したオンキヨー株式会社が「新しいオンキヨーを創っていくことを使命として、これからも事業を進めて参ります」とのコメントを発表している。

オンキヨーホームエンターテイメントは、2020年10月に(当時の社名はオンキヨー)、ホームAV事業を主体とした再編を実施。OEM事業を行なっていたオンキヨーと、デジタルライフ事業・ホームAV事業を行なうオンキヨー&パイオニアを合併。社名をオンキヨーから、オンキヨーホームエンターテイメントへと変更した。

その際に、OEMハードウェア事業をオンキヨーサウンド株式会社に、デジタルライフ事業やその他の事業を担当するオンキヨー株式会社へと子会社化した。その後、オンキヨーサウンドは資金難から事業継続ができず、2022年2月に事業を停止し、同年3月に破産申立てを行なった。

2020年8月に発表された再編の資料より

オンキヨー、“ホームAV事業を主体に”方針転換(2020年8月3日)

子会社の破産後も、オンキヨーホームエンターテイメント(OHE)は、ホームAV事業譲渡に伴う手数料収入を得ながら小規模にビジネスを続けようとしていたが、新型コロナウィルスや半導体供給問題が響き、資金繰りが悪化。2022年5月13日付で破産手続開始の申立てを行なう決断をした。

オンキヨーホームエンターテイメント、自己破産申請。負債31億円

一方で、2020年10月のグループ再編時に、既存事業であるオーディオ事業・スピーカー事業等を行なわない、新たな事業を推進する会社として、会社分割によりOHEグループの一員として設立されたオンキヨー株式会社は、その後、OHEにより、オーディオ事業をブランドとともに米社に売却。2021年9月30日付で、債務超過であったオンキヨー株式会社についても、OHE所有の全株式をマネジメント・バイアウト(MBO)により、TK FUND合同会社に譲渡し、オンキヨー株式会社はOHEから独立した。

そのため、オンキヨー株式会社は現在も事業を継続しており、OHEは、オンキヨー株式会社の株式を保有しておらず、オンキヨー株式会社とOHEの資本関係は無くなっている。これにより、事業運営や、運営するOnkyo Direct、開発受託、補聴器などのライセンス事業への直接的な影響は無いという。

オンキヨー株式会社は、「OHEは存続しないことになりました。しかしながら、資本関係こそありませんが、歴史あるオンキヨーのDNAは当社の約50名の社員(5月18日時点)に引き継がれています。私たちは、新しいオンキヨーを創っていくことを使命として、これからも事業を進めて参ります」と、コメントしている。