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Ayon Audio、純A級の真空管プリメイン「Scorpio II」「Spirit V」

Scorpio II

アクシスは、Ayon Audioの新製品として、真空管プリメインアンプ「Scorpio II」と「Spirit V」を発売する。受注開始は7月を予定。価格は真空管にKT88×4を使ったScorpio IIが680,000円、KT150×4のSpirit Vが980,000円。

どちらのモデルにも、オプションとしてチューブケージ(30,000円)、リモコン(45,000円)、USB DACモジュール(65,000円)などを用意する。Scorpio IIは真空管をKT150に変更(750,000円)、Spirit VはKT170に変更したモデル(1,100,000円)もオーダー可能。

共通する特徴

信号増幅回路とパワーステージに使用される真空管は、各モデルそれぞれの特質を最大限引き出すよう組み合わせを考慮して選定。すべての真空管を、特別にカスタムメイドされたAmplitrex AT1000チューブテスターで事前にバーンインと特性テストを実施している。

可能な限り回路はシンプルにし、信号経路を短縮。経路には半導体素子は一切挿入せず、増幅回路にもフォロア―、バッファーを使っていない。真空管はその動作特性カーブにおける最高エリアで作動させる高電流/低インピーダンス設計としている。

電源は、新しいコンポーネントと強化されたACラインノイズフィルターリングによってさらに洗練。電源トランス、チョークコイル、フィルター群の綿密な相互作用によって、高純度で安定した電源供給力を実現。

インダクターの代わりに抵抗を使用するステージには、フィルターリングの損失を補うためにはるかに大きなストレージ容量をもつ電解コンデンサを併用している。

超広帯域出力トランスも搭載。アンプの方形波応答特性の劇的な改善により、超高域での伝送速度を維持しながら、同時に低音域での強大な電流供給を実現。「圧倒的な能力は、極めつくされた純度、透明度、解像度を音にもたらし、流麗さと力に満ちたナチュラリティーを送り出すことを可能とする」という。

Scorpio II

Spiritシリーズの弟機として、ベーシック・アーキテクチャーを受け継ぎながら、よりシンプル化を求めた初代「Scorpio」を基に、その回路デザインの再構築と、プリ/ドライバー段の真空管を変更。大幅な特性強化と音質向上を果たしたというアップグレーデッド・モデル。

KT88のプッシュプル構成である出力段は、3極管モードと5極管モードの切り替えが可能。純A級で動作し、「高い解像度と広大なダイナミックスによる鮮烈なリアリティーを生み出す」という。

独自のインテリジェント・オートフィックス・バイアス(AFB)回路を搭載。電源を立ち上げてから15分から20分経ち安定温度に達してから無信号状態でリアパネルのBias-setupボタンを押すと、この回路が起動し、数分かけて全出力管のバイアスを最適に自動調整する。

出力管のバイアス値をチェックできるバイアスメーターを新たに装備。ロジカル・シーケンス・ソフトスタート・パワーアップ回路も備え、電源オン後の緩やかな起動によって真空管寿命を延ばすという。出力管回路プロテクションサーキットシステムも備える。

出力パワーは5極管モードで42W×2、3極管モードで30W×2。入力端子はRCA×4。消費電力は150W。外形寸法は46×36×26cm(幅×奥行き×高さ)で、重量は29kg。

Spirit V

Spirit V

Spirit IIIの後継機としてさらに大幅な改良を加えている。すべてのゲインステージとドライバーステージが再設計・最適化され、さらなるシグナルフローの短縮化を実現。新しいドライバーステージへのチョークと新しい出力トランスが安定性を100%向上させた。

システム処理と保護機能には、一連のAyonアンプと同様に、完璧な自動バイアス設定を行なうAFB回路などを投入。

KT150プッシュプル構成の出力段は、3極管モードと5極管モードの切り替えが可能。純A級で動作し、「高い解像度と広大なダイナミックスによる鮮烈なリアリティーを生み出す」という。

出力管のバイアス値をチェックできるバイアスメーターを新たに装備。ロジカル・シーケンス・ソフトスタート・パワーアップ回路や、出力管回路プロテクションサーキットシステムも備えている。

出力パワーは5極管モードで65W×2、3極管モードで40W×2。入力端子はXLR×1、RCA×3。ダイレクトインとプリアウトも備えている。消費電力は175W。外形寸法は48×37×26cm(幅×奥行き×高さ)。重量は33kg。