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NHK、在外邦人向け番組「NHKワールド・プレミアム」ネット配信を検討
2022年6月16日 11:39
NHKは、在外邦人向けサービスのために1日24時間提供している番組「NHKワールド・プレミアム」を、外国の動画配信事業者に提供できるようにするため、「NHKインターネット活用業務実施基準」の変更を検討している。現在、経営委員会が広く意見を募集しており、今後は届いた意見を参考にして案をとりまとめ、総務省に認可申請する予定。
現在の「NHKワールド・プレミアム」は、NHKが日本国内で放送している番組を外国の放送事業者に提供しているもので、提供先事業者のケーブルテレビや衛星放送サービスを通じて、在外邦人にニュースや情報番組のほか、ドラマ、音楽番組、子ども番組、スポーツ中継などを日本語で届けている。24時間編成で、世界の100以上の国・地域で約2,000万世帯が視聴可能という。
しかし、近年メディア環境が変化し、多チャンネルのサービスを放送だけで行なう事業者が減り、インターネットで動画配信を行なうサービスが増加している。そのため、「NHKワールド・プレミアム」を、放送事業者だけでなく、動画配信事業者にも提供することで、インターネットサービスも活用し、将来も在外邦人がNHKの放送番組を視聴できる環境の維持・拡充を目指すとのこと。その実現のため、「NHKインターネット活用業務実施基準」に新規定を設ける。
今回実施しようとしている業務は、放送番組等を他の事業者に提供する業務(3号業務)のうち、高い社会的意義があると認められるものとして、受信料を財源として実施する業務(3号受信料財源業務)に位置付ける。
これまで3号受信料財源業務では、提供先の事業者が利用者に対価を求めないことを提供の条件としていたが、無料での配信を条件とすると、提供先の事業者が限られてしまう一方、有料サービスであっても提供の意義があると考えられることから、この業務に限っては有料サービスへの提供も可能にする。ただし、提供の財源が受信料であることを踏まえ、有料サービスへの提供時には提供先事業者に一定の負担を求める規定も設ける。
この新たな業務を含め、3号受信料財源業務の実施に要する費用は年額5億円を超えないものとする。変更後の「NHKインターネット活用業務実施基準」の施行期日は令和5年4月1日とし、この機会に役割を終えた時限的な規定も廃止する。