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ソニー、映画「トップガン」採用のVENICE用カメラヘッド延長システム

「CBK-3620XS」

ソニーは、デジタルシネマカメラ「VENICE 2」8K/6K用のカメラヘッド延長システム「CBK-3620XS」を、2023年初頭に発売する。受注生産品で、価格はオープンプライス、市場想定価格は242万円前後。エクステンションシステムは映画「トップガン マーヴェリック」の撮影にも使われた。

このエクステンションシステムは、ケーブルを介し、画質を劣化させずにカメラのヘッド部分だけをカメラ本体から取り外すことができ、最長12mの延長を可能にするもの。これにより、VENICE 2の高い撮影品質や操作性はそのままに、特殊な環境下でもさまざまなシーンを撮影できる。VENICE 2の8Kモデルにあわせ、従来のVENICEよりも帯域が広い映像信号が伝送できるように進化しており、「8Kの妥協のない映像品質と自由度の高い撮影を両立する」とのこと。

対応カメラはVENICE 2の8K/6KモデルとVENICE。エクステンションシステムの取付作業はサービス窓口に持ち込む必要はなく、ユーザー側で実施できる。VENICE 2でCBK-3620XSを使うには、2023年初頭リリースのファームウェア2.00が必要。VENICEではファームウェアVer6.3以降が必要で、一部の機能は非対応。

延長ケーブルは3mと12mの2種類が同梱される

小型・軽量のカメラヘッドを用いることで、狭い空間やジンバルを使った撮影も容易に。カメラを設置するスペースが狭くてもカメラヘッドを設置できる。カメラヘッドとカメラ本体の間の延長可能な長さは、3mと最長12mを用途に応じて選択可能。3mと12mの計2種の延長ケーブルが同梱される。延長のためのリピーター(カメラヘッドとカメラ本体を接続するケーブルの中間に連結するパーツ)は不要のため、より自由に動き回る撮影が可能になる。

カメラヘッドのアサイナブルボタンは発売済みの「CBK-3610XS」から3点増え、計4点に。撮影スタート/ストップに加え、NDフィルターの設定変更なども割り当てられる。発売済み機種では非対応だった、カメラヘッドの傾きに合わせた水準器表示とメタデータへの記録にも対応した。

「トップガン マーヴェリック」の撮影監督であるクラウディオ・ミランダ氏は「『VENICE』のエクステンションシステムは、長編の映画撮影の柔軟性を高める素晴らしい機材です。映画『トップガン マーヴェリック』では、3台のカメラに接続する3つの小型のエクステンションシステムを用いて、F-18戦闘機のコックピットに6台のVENICEカメラを配置し、飛行中の迫力ある映像をカメラに収めることができました。エクステンションシステムは、クリエイティビティを最大限発揮するための、自由度の高い撮影を可能にしてくれます」とコメント。

また直近のプロジェクトで同システムを使った撮影を進めている、アカデミー賞受賞撮影監督のエリック・メッサ―シュミット氏も「『VENICEエクステンションシステム2』は、私にとって必要不可欠の大事な機材です。これまで愛用してきた画像センサーを最大限活用しながら、これまでにない撮影を実現できています」と語っている。

'23年初頭リリースのVENICE 2新ファームウェアでは、CBK-3620XSへの対応に加え、イメージセンサーの読み出しモードの追加、記録機能の強化、モニターアウト機能の拡充、アナモフィックレンズの操作に合わせたモニター表示画角調整機能、プレイバック再生機能の拡充、Genlock関連機能の拡充といった機能追加も予定されている。