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ソニー、新8.6Kセンサー搭載シネマカメラ「CineAlta VENICE 2」
2021年11月16日 10:03
ソニーは、デジタルシネマ用カメラ「CineAlta」の新製品として「VENICE 2」を発表した。新開発8.6Kセンサーを搭載し、8K撮影が本体だけで可能な「VENICE 2 8K」と、前モデルのVENICEと同様の6Kセンサーを搭載し、処理能力などを高めた「VENICE 2 6K」の2モデルをラインナップする。発売時期は2022年で、8Kモデルが2月、6Kが3月の予定。価格はオープンプライスで、実売想定価格は8Kが680万円前後、6Kが620万円前後。
映画業界で普及しているフォーマットX-OCNで収録する場合、従来のVENICEではメモリーレコーダー「AXS-R7」をVENICEの後部に取り付ける必要があった。VENICE 2では、本体にAXSを2スロット装備し、X-OCNや4K QFHD ProResでの収録が本体のみで可能。筐体自体はわずかにVENICEより大きくなってはいるが、ほぼ同レベルの大きさに抑えており、VENICE+AXS-R7とVENICE 2を比べた場合、VENICE 2単体の方が全長でマイナス44mm、重量は410g軽量化。コンパクトなカメラで、機動的な映画撮影ができるという。
さらに、筐体自体のサイズを同程度に抑えているため、従来のVENICE向けの撮影用アクセサリーの多くが、VENICE 2でも使用できるとする。
VENICE 2 8Kは、新開発の8.6KフルフレームCMOSセンサーを搭載。8.6K Full-Frame V1.0での収録モードは以下の通り。一番高解像度なモードでも30p、映画向けの17:9では60p、放送向けの16:9でも60pで撮影できるのがポイント。アナモフィックレンズと親和性が高い5.8K 6:5でも48pで撮影可能。
- 8.6K 3:2 30p
- 8.2K 17:9/16:9 60p
- 5.8K 6:5 48p
- 5.8K 17:9/16:9 90p
なお、8K収録に向けて、新たなAXSカードも投入。「AXS-A1TS66」というモデル名で、ストレージ容量は1TB。最大6.6Gbpsの書き込み速度を実現しており、8.6K 3:2 X-OCN XT 30p収録や、8.2K 17:9 X-OCN ST 60p収録、6K 3:2 X-OCN XT 60p収録をサポートする。AXS-A1TS66の実売想定価格は52万8,000円前後。
2つの基準ISO感度を持ち、ノイズを抑えたクリアな映像表現を可能にする「デュアル・ベースISO」機能も進化。従来のVENICEは、500/2500の2つだったが、VENICE 2ではISO 800、ISO 3200に強化。ラチチュードも、15ストップ+から、VENICE 2では最大16ストップとさらにワイドになった。
「通常、感度を800から3200に増幅するとノイズが増加するが、VENICE 2では800と3200で、切り替えた時にほぼ同じノイズバランスになるように作っているという。
VENICE 2 6Kは、VENICEと同じ6KのフルフレームCMOSセンサーを搭載。V1.0での収録モードは以下の通り。6K/60pや、4K/120pのハイスピード撮影にも新たに対応。ラチチュードは15スップ+。デュアル・ベースISOは、前モデルと同じISO 500/2500となっている。
- 6K 3:2 60p
- 6K 17:9/16:9 72p
- 4K 6:5 72p
- 4K 2.39:1 120p
また、VENICEはセンサー部分の付け替えができるため、前モデルのVENICEを使っているユーザーが、追加でVENICE 2 8Kを買った場合、VENICEの6Kセンサーを取り外し、VENICE 2 8Kに取り付けると、VENICE 2 8Kを、VENICE 2 6Kとして使うことも可能。8K解像度が不要なシーンや、ハイスピード撮影が必要など、撮影状況に合わせて切り替えられるようになっている。なお、VENICEに、VENICE 2 8Kの8Kセンサーを取り付ける事はできない。
ほかにもVENICE 2の進化点として、SDI 1/2からの12G-SDI出力時、SDI 3/4からの3G-SDI(HD)同時出力に対応。4K出力時の3D LUTをあてられるようになった。LAN端子を備えており、PCと接続し、カメラ内でグレーディングをして、カスタマイズした情報を素材として記録したり、作ったLUTを直接投げ込めるようになっている。
さらに、12V 出力コネクタをLemoコネクタへ変更。LAN端子は、カメラアシスタントサイドパネルへ移動させた。また、ガイド音声などを収録したいというユーザーからの声に応え、本体にマイクも新たに内蔵。AUX(TC out)コネクタをBNCコネクタへ変更するなど、細かなブラッシュアップも行なわれている。