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VRヘッドセット「PICO 4」10月発売。峯岸みなみも大興奮

「PICO 4」

VRヘッドセットなどを展開するPICO Technology Japanは9月29日、次世代のオールインワンVRヘッドセット「PICO 4」を日本国内で初披露した。発売日は10月7日で、価格は128GBモデルが49,000円、256GBモデルが59,400円。予約は29日15時からAmazonやヨドバシカメラ、ビックカメラなどで受け付けている。発表会にはPICO 4のアンバサダーに就任したタレントの峯岸みなみも登場し、「『こんなに手軽に体験できるんだな』と新たな驚きがあった」とPICO 4の印象を語った。

PICOは2015年3月に設立された企業で「VRオールインワン技術に注力した、独立したイノベーションと研究開発力を持つVRのリーディングカンパニー」。日本国内向けにはオールインワンVRヘッドセット「Pico Neo3 Link」を今年発売している。

「PICO 4」のヘッドセット
ヘッドバンドを跳ね上げるようにして装着する

PICO 4はヨーロッパ現地時間9月22日に発表された新モデルで、QualcommのSnapdragon XR2チップセットを搭載する。メモリ容量は8GBで、OSはPICO OS 5.0。ストラップを除いたヘッドマウントとディスプレイ本体の重量が295gとブランド史上最軽量を実現した。パンケーキレンズにも小型・軽量なものを実装することで筐体の厚みを最薄部で35.8mmに抑えている。

ディスプレイ解像度は4,320×2,160ドット(片目あたり2,160×2,160ドット)/1,200PPI。リフレッシュレートは最大90Hzをサポートする。瞳孔間距離調整も利用できる。ヘッドセットのフレームには4基のSLAMカメラを内蔵しており、高精度のトラッキングと周辺環境のマッピングが可能。ヘッドセットを装着した状態でも周囲の状況をフルカラーで確認できる。

ストラップは本体後方のホイールで調節する
ストラップの付け根部分にはスピーカーや音量調整ボタンを備える

ホイールで調節可能なストラップが標準で付属。クッションの裏地には吸汗速乾性に優れた独自素材“SuperSkin”を使用し、クールでドライな使い心地を実現しているという。5,300mAh大容量バッテリーを内蔵し、最大3時間のゲームプレイが可能。バッテリーはQualcomm Quick Charge QC 3.0に対応した。デュアルステレオスピーカーとデュアルマイクも内蔵。

人間工学に基づいたデザインのヘッドセットには、メガネスペーサーも同梱。「メガネを使用されている利用者の方にも快適さや鮮明さを損なうことなく、VRの世界にどっぷり没入することができる」という。度付きレンズ希望する場合は、メガネブランド「JINS」のオンラインショップで専用アタッチメントが購入可能となる予定とのこと。

付属コントローラー

コントローラーは、一体型の回転円弧柱が特徴。デザイン性と構造強度を考慮したといい、利用者が手を近づけて操作しやすいように設計されている。6DoFにも対応しているため、仮想環境内でより広い範囲の動きを楽しむことができるほか、HyperSenseブロードバンドモーターにより、よりリアルな触覚フィードバックが得られる。

2023年には、下半身の動きを効果的にモニタリングできる「PICO Fitnessバンド」、持ち運びに便利な「キャリーケース」、あらゆるシーンで安定したワイヤレス接続を実現する「PCワイヤレスドングル」といったアクセサリーの発売も予定されている。

ゲームなどのコンテンツは専用ストア「PICO Store」からダウンロードできる。日本発のVR魔法アクションRPG「RUINSMAGUS~ルインズメイガス~」がPICO 4発売日に登場するほか、VRアクションアドベンチャーゲーム「オノゴロ物語~The Tale of Onogoro~」も今秋リリース予定。PICOユーザーの友人と一緒に映画やライブなどを鑑賞できる「マルチプレイヤーシネマ」も利用可能。

発売記念キャンペーンとして、期間中に指定販売店でPICO 4を購入の上、アカウント登録とPICOストアでのログインを完了すると、フィットネスゲーム「Body combat」を含む有料のゲーム3タイトル(9,188円相当)がプレゼントされる。

また人気YouTuberを多数抱えるUUUMと長期パートナーシップを締結。日本オリジナルの施策として、UUUM制作によるインフルエンサーVRチャンネルが、PICOプラットフォーム上に登場する。第一弾は「あなたの推しは、PICOの中にいる。」で、動画・SNSで活躍するインフルエンサーがPICOの中で目の前に現れる。リリース時期は未定だが、第二弾、第三弾とコンテンツを展開予定。

軽さと簡単装着が印象的なPICO 4

短時間ながらPICO 4を試遊してみたところ、軽さと装着のしやすさが印象的だった。5,300mAhという大容量バッテリーを内蔵しているものの、重量を前後に均等分散する設計もあり、ヘッドセットの重さで頭が前や後ろに引っ張られるような感覚はなかった。

「PICO 4」を装着したところ

頭の上を通るベルトはマジックテープ式でサイズ調整がしやすく、装着後のアジャストは後方にあるホイールを回すだけとシンプルなので、戸惑うことなくすんなりと装着できた。ヘッドセットを外すときもホイールを回すだけでOKだった。

試遊の間は、UIやコントローラーの動作もスムーズで引っ掛かりを感じるようなことはなかった。また周囲の状況をフルカラーの映像で確認できるので、机に置いたコントローラーを手に取るのも簡単だった。

今回は、映像視聴のほか、VR魔法アクションRPG「RUINSMAGUS~ルインズメイガス~」もプレイしてみたが、デモ版ということもあってか、ムービーシーンでは少し映像のカクつきが気になる場面も。ただゲームプレイ自体に大きな影響はなかった。

内蔵スピーカーのサウンドも映像視聴では低音に物足りなさを感じたが、ゲームプレイでは十分な迫力を味わえた。

峯岸みなみ「世界に入り込み過ぎた」。U-NEXTアプリも登場へ

PICO 4を装着して登場した峯岸みなみ

29日に行なわれた発表会には、PICO 4のアンバサダーに就任したタレントの峯岸みなみが登場。PICO 4で実際にゲームをプレイして、その魅力を語った。

峯岸はVRデバイスへの印象を問われると「まだ日常生活に取り入れることはできていません。正直、デバイスに対して重かったり、高かったりと身近じゃないイメージがありました」とコメント。しかし「PICO 4はとても軽いので、着けながら行動するのも楽。『こんなに手軽に体験できるんだな』と新たな驚きがありました」と印象をPICO 4への印象を語った。

発表会では、そんな峯岸がPICO 4を装着してスポーツゲーム「All-In-One Sports VR」をプレイ。ヘッドセットを装着すると「(つけ心地は)軽いです。頭がグンッと持っていかれそうだなと思うくらい、重厚感ある見た目ですけど、全然そんなことはなくて。着けていても自由です」と装着感を表現。視界に映るゲーム画面についても「後ろまで、どこを向いても海と空(が広がっている)。それがすごいです。隙間から現実が入ってこないのがめちゃくちゃ凄いなと思います」と興奮気味に語った。

実際にでビーチバレーをプレイすると、「ああっ!!」「来いっ!!」「はいっ!!」など時おり大声を出しながら、前後左右に激しく動いてゲームを堪能。「ゲームって、力加減が思ったように反映されないことがありますが、PICO 4はかなり自分が打っているテンションに比例して、ボールが飛んでくれるような、本当にやっているような感じがリアルです」とプレイフィールを表現した。

体験を終えてヘッドセットを外すと「こんなにたくさんの人の前で、あんなに夢中にゲームしていたなと(笑)。世界に入り込み過ぎていました」と笑顔も交えてコメント。ヘッドセットの装着感については、サーブやレシーブなどで激しく動いたものの「重さとか違和感は感じませんでしたし、360度どこを見てもその世界に入り込ませてくれるものだったので、なかなか外に出かけられなかったりとか、そういうときの気分転換になりますし、運動不足解消にもなるし、いいなと思いました」と語った。

PICO Technology Japanの小山マックス氏
PICO Technology Japanの宮川学氏

そのほか発表会にはPICO Technology Japanの小山マックス氏や宮川学氏も登壇。同社でヘッド・オブ・パートナーリレーションズを務める宮川氏は「VRの体験は、いくら端末が進化しても、快適なゲームプレイが実現しても、それだけでは足りません。日常のエンターテインメントシーンをより豊かにしてくれるパートナーと大きな一歩を踏み出します」として、動画配信サービス「U-NEXT」とアプリケーション参画の基本合意に至ったことを明かした。既存のU-NEXT配信コンテンツに加え、VRならではのコンテンツを揃えていくとのこと。コンテンツの詳細やサービス開始時期などは改めて発表する。

またUUUMとのコラボレーションについても説明。ゲストとして発表会に登場したUUUM執行役員の西田真樹氏は「みなさんが好きな、“推し”のクリエイターがPICOの中にいて、一緒にご飯を食べたり、テレビを見たり、散歩をしたり、あるいは企画会議に参加したり。そういった新しい体験をお届けできればと思っています」と語った。