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「グランツーリスモ7」フォトリアル映像とソニー・ブラビアの意外な関係

ソニーは、ソニーの商品やサービスに込めた開発者の想いや裏話などを掲載する「広報note」において、ゲームの「グランツーリスモ」と、ブラビアの高画質技術の関係を紹介する記事を掲載した。

ポリフォニー・デジタルが手掛けるグランツーリスモは、フォトリアルなCG映像が特徴。そのハイクオリティな映像は、4K HDRコンテンツのスタンダードとして、テレビがその画質をアピールする時のデモ映像として活用される事も多い。

そんなグランツーリスモの開発陣と、ソニーのエンジニアが交流を始めたのは、シリーズ第7作目となる「グランツーリスモSPORT」開発中の2016年頃から。

フォトリアルを追求していたポリフォニーには、「コンテンツが本来持っている色や光の映像信号をそのまま映し出せるテレビが世の中に存在しない」という悩みがあったという。

当時のテレビはSDR(スタンダード・ダイナミック・レンジ)が主流で、HDRの国際規格(ITU-R BT.2100)が制定されたばかりの頃。

ブラビアの開発チームは、明暗差の表現を拡大し映像のリアリティを飛躍的に向上させるHDRをどう訴求していくか模索していたという。そんな中、あるイベントで両社のエンジニアが出会い、意気投合。

開発中のHDR対応テレビを、ソニーがポリフォニーのCG制作現場に貸し出したところ「自分たちのHDRコンテンツをHDRのテレビに映し出したら、すごく良かったんです。」(ポリフォニー 鈴木氏)、「HDRの規格上、最大限である10,000nitの明るさまで表示できる試作機を、大崎や厚木で見せてもらったことはよい経験になりました。上限、つまり理想形が先にわかったことで、めざす方向が明確になり、コンテンツ制作をする上でも役立ちました。」(同内村氏)という。

その後も両社のエンジニアは交流を続け、HDR映像がテレビで表示されたときにどう見えるのか、どういう特徴があるのかを追求。GT7のエンドロールにブラビアの名前が入るほど、信頼関係を構築した経緯が語られている。