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完実電気、Perfectionブランド復活。第1弾は電源タップと仮想アース

アクティブフィルター搭載電源タップ「PFT-T3000AF」

完実電気は、来年創業75周年を迎える事を記念し、往年のPerfection(パーフェクション)ブランドを復活。復活第1弾として、電源タップとアーススタビライザーを5月30日より発売する。価格は、アクティブフィルター搭載電源タップ「PFT-T3000AF」が132,000円、パッシブフィルター搭載「PFT-T1000PF」が55,000円。仮想アース「PFT-ES1」は、6月下旬発売予定で297,000円。

完実電気は1949年に創業。当時銀座6丁目で、国内音響製品卸売業としてスタートしたが、1959年にPerfectionブランドを立ち上げ、スピーカーシステムを製造し国内外へ販売。さらに、ドイツのTelefunkenからスピーカーユニットの輸入・販売も開始。1965年に輸入オーディオ製品の卸売業開始した後も、1975年にはPerfection超低音3Dシステムフィルターアンプ・スピーカーも発売。1989年に直輸入貿易を再開し、現在に至っている。

ブランド復活第1弾製品は、「3モデルはいずれも70年以上にも及ぶ商社活動を通じて得たノウハウを生かし、新たなコンセプトを取り入れた製品。ノイズ対策製品FORN(FOR Noise)シリーズ3製品をスタートとして、オリジナリティに溢れた新発想のオーディオアクセサリーを順次開発していく」という。

アクティブフィルター搭載電源タップ、Perfection「PFT-T3000AF」

最大の特徴はアクティブノイズエリミネーター(ANE)を搭載している事。電源ラインに重畳している高周波ノイズを抽出し、そのノイズエネルギーをANE回路で電圧変換することで、ノイズを低減させる効果があるという。

電圧変換したエネルギーでフロントパネル左下部のLEDランプを点滅させることで、点滅の頻度でノイズ量を可視化出来るとする。

「PFT-T3000AF」の内部
ANE回路

通常のフィルター付きタップは壁コンセントからの電流に対して常に効果を発揮するが、ANE回路は壁コンセントからのノイズだけでなく、接続している機器から発生するノイズに対しても効果があるとのこと。

また、ANE回路は電源ライン、または接続された機器からノイズの侵入があった際にのみ動作し、電源ラインに音質を劣化させる余計な干渉を極力抑えるという。

高周波以外のノイズ対策としてX,Yコンデンサー(パッシブフィルター)も搭載。広い帯域のノイズをカバーしている。

フロントパネルに接続したコンセントの電源状況を可視化出来るマルチメーターも搭載。入力電圧、使用電流、電源周波数を表示するほか、アースの接地/非接地の状況を知らせる。

剛性の高いフレームにハネナイトを配置したアルミインシュレーターを搭載。雷サージとサーマルプロテクターを備えている。

入力はIECインレット×1。出力はコンセント×8口 + アース端子。定格容量はAC100V/15A(合計1,500W)。内部配線材は、BELDEN製16AWG OFHC銅線。外形寸法は279.6×126×51.4mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約1.6kg。電源ケーブルは付属しない。

パッシブフィルター搭載電源タップ、Perfection「PFT-T1000PF」

Perfection「PFT-T1000PF」

1台にデジタル機器とアナログ機器を両方接続しても、極力高周波ノイズの影響を防ぐ設計の電源タップ。インレット側の前段4口はアナログ機器向け、後段4口はデジタル機器向けに分かれており、前段・後段間にデジタルノイズの流入を防ぐ新開発フィルターを搭載する。

X,Yコンデンサーを搭載し、広い帯域のノイズ対策を実現。鋼板フレームとアルミベースの組み合わせ、ハネナイトを採用したインシュレーターにより、振動対策も施している。雷サージとサーマルプロテクターも搭載する。

定格容量はAC100V/15A(合計1,500W)。内部配線材はBELDEN製16AWG OFHC銅線。外形寸法は255×100×43mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約700g。電源ケーブルは付属しない。

仮想アース、Perfection「PFT-ES1」

Perfection「PFT-ES1」

「これまでの仮想アースの概念を覆す」というモデル。「昨今のシステムはデジタル機器のバリエーションが増え、電源のみならず筐体アースでは受け止めきれない高周波ノイズによりアースが不安定になっている状況が多々ある」として、世界初という仮想アースにセレクター機能を設けているのが特徴。

独自の理論に基づいて作成されたPAFS(PERFECTION ADAPTIVE FILTER SYSTEM)フィルターの選択、アース接続先のマテリアルを選択でき、ユーザーのシステム、接続先の機器に合った最良の設定が行なえ、「アースノイズ問題を解決に導くことが出来る」とする。

フロントに設けたスイッチで、フィルターの有無、アースのマテリアルを選択可能。ハイカットフィルター、ローカットフィルター、フィルター無しも選択できる。

アースマテリアルは6層基盤×2枚の計12層の銅箔か、異種金属板(銅5層 + 黄銅3層 各層にステンレスワッシャー)8層のいずれかを選択。「Mix」に設定すると、基盤12層と金属板8層の合計20層のアースに接続できる。

内部

試作や実験を重ね、高周波ノイズを多く発生させるデジタル機器に対しては表面積を大きく稼ぐことが可能な6層基盤2枚の計12層を推奨、アナログ機器は扱う周波数が低い為、異種金属を積層した金属板8層を推奨。さらにアースノイズを抑える場合には計20層のMixを使用することを推奨している。

機器に帯電しているアースノイズの帯域を選択し、マテリアルに接続するフィルター回路で選べるローカットでは、ディスクリート設計されたフィルター回路を採用。数百キロヘルツ以上の帯域のノイズをマテリアルに接続する。ハイカットでは、数百キロヘルツ以上の帯域ノイズを減衰させ、それ以外の低い周波数帯域のノイズをマテリアルに接続する。

外来ノイズ混入を防ぐため、銅のシールドを製作しフィルター部を防護。振動対策として大型アルミインシュレーターにハネナイトを各3個取りつけた。追加で仮想アースを接続できるAdd Earth端子も供えている。効果が最も得られたという光城精工製「CLONE1R」ケーブルが付属する。

外形寸法は430×290×61.5mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約10kg。

背面