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アップル、USB-C採用「iPhone 15 Pro/Pro Max」。火星探査機と同じチタン製

チタニウムボディを採用した「iPhone 15 Pro/Pro Max」

アップルは9月13日、オンラインで新製品発表会を開催し、初めてチタニウムボディを採用した「iPhone 15 Pro/Pro Max」を発表した。新たにUSB 3対応のUSB-Cポートも採用している。9月15日から予約を受け付け、9月22日に発売する。ストレージ容量はiPhone 15 Proが128/256/512GB/1TB、iPhone 15 Pro Maxが256/512GB/1TBで、価格は6.1インチのiPhone 15 Proの128GBモデルが159,800円から、6.7インチのiPhone 15 Pro Maxの256GBモデルが189,800円から。

iPhone 15 Pro

  • 128GB 159,800円
  • 256GB 174,800円
  • 512GB 204,800円
  • 1TB 234,800円

iPhone 15 Pro Max

  • 256GB 189,800円
  • 512GB 219,800円
  • 1TB 249,800円
カラーバリエーションは4色

カラーバリエーションはブラックチタニウム、ホワイトチタニウム、ブルーチタニウム、ナチュラルチタニウムの4色。

筐体に航空宇宙産業レベルのチタニウムを採用した初めてのiPhoneで、火星探査機の合金と同じものを使用しているという。チタニウムは強度重量比がもっとも高い金属のひとつであり、iPhoneのProモデル最軽量も実現した。外枠も細くなったため、ディスプレイサイズを維持しつつ、本体サイズを小型化している。表面はブラシ仕上げ。

iPhone史上最も細い外枠、Ceramic Shieldの前面カバー、新しい曲線を持たせたエッジを備える

内部フレームにはアルミニウムを採用。2種類の金属を高い強度でつなぐ熱機械プロセスも用いている。内部フレームは100%再生アルミニウム。背面はスマートフォンで最も頑丈というガラス製、前面カバーは頑丈なCeramic Shieldで、防沫、耐水、防塵性能を備える。

ディスプレイは有機ELを採用したSuper Retina XDRディスプレイで、解像度はiPhone 15 Proが2,556×1,179ドット/460ppi、iPhone 15 Pro Maxが2,796×1,290ドット/460ppi。最大120HzリフレッシュレートのProMotionテクノロジーを採用した常時表示ディスプレイで、昨年から導入された前面のDynamic Islandも備えている。

また本体側面の着信/サイレントスイッチが、さまざまな機能を割り当てられるアクションボタンに進化した。デフォルトではサイレントモードへの切り替えに割り当てられているが、カメラやフラッシュライト、ボイスメモなどの機能、ショートカットの使用など、好みに合わせた機能を設定することができる。触覚フィードバック機能も搭載。

内蔵チップは、業界初の3ナノメートルチップであるA17 Proを搭載。アップル史上最大というGPUの再設計を含め、チップ全体を向上させたとのこと。CPUは6コアで、マイクロアーキテクチャと設計の改良により最大10%高速化。16コアのNeural Engineは最大2倍高速になっている。

GPUはピークパフォーマンスとエネルギー効率を高める新しい6コアデザインとなっており、最大20%の高速化を実現。さらに初めてハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングも初めて採用し、ソフトウェアベースのレイトレーシングよりも最大4倍高速となり、「よりなめらかなグラフィックスと現実の世界に近いライティングを表現できる」という。

このグラフィック性能を活かしたゲームタイトルとして、「バイオハザード ヴィレッジ」や「バイオハザード RE:4」「Death Stranding」といった人気タイトルが年内に、「アサシン クリード ミラージュ」が2024年前半にiPhone 15 Pro/Pro Max向けに登場する。

USB 3ケーブルを使うことでデータ転送速度は最大10Gbpsを実現

さらにA17 ProにはAV1デコーダも搭載するため、ストリーミングサービスでより効率的で高品質なビデオ体験が可能。新しいUSBコントローラにより、iPhoneで初めてUSB 3が利用できるようになったため、最大10Gbpsの転送速度も実現している。USB-Cポートは充電のほか、DisplayPortとしても動作する。

カメラは3眼ながら「プロレンズ7本分相当の性能が詰まっている」と謳う

カメラシステムはメイン/超広角/望遠の3眼ながら「プロレンズ7本分相当の性能が詰まっている」と謳う。メインカメラは4,800万画素で、コンピュテーショナルフォトグラフィのパワーを活用して、新しい2,400万画素の超高解像度をデフォルトとして、さらなる柔軟性を提供する。このメインカメラでは24mm、28mm、35mmの焦点距離を切り替えられ、このうちひとつをデフォルト設定できる。メインカメラは4,800万画素のProRAWと、解像度が4倍高い4,800万画素のHEIF画像にも対応する。

8MPのProRAWに加え、解像度が以前より4倍高い48MPのHEIFで撮影が可能

望遠カメラはiPhone 15 Proが3倍で、iPhone 15 Pro Maxはシリーズ史上最長の焦点距離となる120mmで5倍の光学ズームを提供する。5倍光学ズームレンズはテトラプリズムデザインと、光学式手ブレ補正、オートフォーカス3Dセンサーシフトモジュールを組み合わせた「Appleの最も先進的な手ぶれ補正システム」を備えるとのこと。画素数は両モデルとも1,200万画素。

超広角カメラも1,200万画素。焦点距離は13mmに加え、マクロレンズとしても利用できる。

「よりシャープなディテール、よりあざやかなカラーを実現し、明るさが足りない場面での性能が向上している」という次世代のポートレート機能も搭載しており、初めてユーザーがモードを切り替えなくてもポートレートを撮影できるようになった。フレーム内に人や犬、猫がいる場合、またはユーザーがタップしてフォーカスした場合に、iPhoneが自動で深度情報を取り込むため、ユーザーはあとからiPhoneやiPad、Macの写真アプリを使って、写真をポートレートに切り替えられる。撮影後の焦点調整も可能。

外部ストレージへのProResビデオの直接録画に対応した

そのほかナイトモードやスマートHDRも強化。ビデオ機能では、ProResビデオを外部ストレージに直接録画できるようになり、最大4K 60fpsの撮影も可能に。Logエンコードの新しいオプションも導入され、カラーワークフローの世界標準規格「ACES(アカデミーカラーエンコーディングシステム)」にも対応した。

さらに年内には、Apple Vision Pro向けの空間ビデオ撮影にも対応。貴重な瞬間を3次元で撮影し、その映像を来年初旬に米国で発売予定のVision Proを使って“追体験”できるという。

通信機能では、第2世代の超広帯域無線チップを搭載。これまでの3倍の範囲で接続が可能になり、駅やフリーマーケットなど人混みの中でも自身の位置情報を家族や友人に共有して互いを見つけることができる。そのほかWi-Fi 6EやThreadにも対応した。

【お詫びと訂正】記事初掲時、「Wi-Fi 5E対応」と記載していましたが、正しくは「Wi-Fi 6E対応」でした。お詫びして訂正いたします。(9月13日15時22分)

バッテリー持続時間は、ビデオ再生時でiPhone 15 Proが最大23時間、iPhone 15 Pro Maxが最大29時間。最大15WのMagSafeワイヤレス充電、最大7.5WのQiワイヤレス充電にも対応する。

外形寸法と重さは次のとおり。

  • iPhone 15 Pro:146.6×70.6×8.25mm(縦×横×厚み)/187g
  • iPhone 15 Pro Max:159.9×76.7×8.25mm(同上)/221g

またアップルでは地球環境への影響をさらに軽減するために、iPhoneのアクセサリを含むすべての新しいアップル製品についてレザーの使用を廃止。レザーに比べて炭素排出を大幅に削減したという新素材「ファインウーブン」を使ったMagSafe対応ケース、ウォレットを導入する。ファインウーブは68%使用済み再生素材で、耐久性に優れたマイクロツイルでできており、スエードのような柔らかい感触だという。

レザーの使用を中止し、ファインウーブンを使ったケースとウォレットを用意