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「もっと手軽にメタバースを」clusterとmocopiが考える未来
2023年9月21日 16:38
「東京ゲームショウ2023」が開幕。メタバースプラットフォームを提供しているclusterのブースでは、5月に正式対応したmocopiとの事業戦略発表会が実施された。
クラスターの代表取締役CEO 加藤直人氏が登壇し、clusterの1年間の実績を説明。cluster内で実施されている公開イベントが、2022年9月から今年8月までの1年間で、昨年の3,814件から倍以上となる10,751件と、大幅に増加したことに加え、clusterの機能を活用した他企業によるビジネスシーンでの利用は年間200社を超えたとアピールした。
また、cluster内で行なわれている経済活動についても説明。clusterで活動するクリエイターが自作のアイテムなどを販売できる、アイテム・アクセサリーストアを公開しており、現在3万個以上のアイテムが販売。クリエイターが収入を得られる環境が形成されたという。現在の規模では、クリエイターの利益はまだ少ない状況となっているが、clusterで活動するクリエイターがclusterの収入だけで生活できる規模の経済活動が行なえることを目標としているとのこと。
また、クリエイターとクライアントを結ぶ取り組みも行なっており、現在いくつかのプロジェクトが進行中。実際の成果物が世の中に登場するのはもう少し先になるという。
今後のメタバースの展開について、手軽さを追求する必要があることも言及。clusterでは、「どこよりも手軽で安心安全」「圧倒的なクリエイター体験」「攻めのグローバル展開」の3つを戦略として提示し、如何に手軽に利用できるようにするかという課題に対して、システム面のほかに、教育機関への無償でのclusterの環境を提供してワークショップなども実施しているとした。
クリエイター体験についても手軽さを重視。誰でも思い描いた作りたいものを作れる環境を目指し、現在提供中の自分のホームワールドを制作できる「ホームクラフト」機能をはじめ、今後はAIへの積極的な投資を続け、現在の3Dモデル制作などの複雑な部分はAIに任せて、ユーザーが手軽に作りたいものを作って、自分の世界を表現していく環境を作るとした。
最後に海外展開については、北米向けに実施された「Fate/Grand Order」のイベントを例に挙げ、日本のコンテンツを海外向けに展開する施策において、積極的にコラボしていくとした。その中で、手軽な3Dトラッキング、海外展開においてmocopiと協力していくとのこと。
mocopi事業室長のソニー モーション事業担当部長 相見猛氏も登壇。mocopiも手軽にメタバースの世界を体験するデバイスとして開発していることを説明した。
メタバースのことをよく知らない一般の人に対して、どれだけハードルを下げることができるかという点で、clusterの世界観がmocopiの考えと一致しているという。そして、アバターを操作して楽しむことを訴求していくには、現在アバターを使って活動しているクリエイターやVTuber達が楽しんでいる様子を見せていくことが重要だとした。
そういった課題の中で、3カ月に一度のペースでアプリのアップデートを行なっているmocopiでは、VTuberらの要望を反映したアップデートを重ねて、徐々にやりたいことが手軽にできる環境を構築していると説明した。
今後も、メタバースの文化を広げていくためにソニーのみならず、外部ともしっかり連携していくことをアピール。メタバースの世界の入り口に立った際に一番のハードルとなる“機材と知識”という部分をもっと気軽に行なえるようにするためのアップデートも今後に控えているとのこと。
海外展開については、現在の日本と米国のように、メタバース文化が花開きそうになっている環境の国に対して、どんどん展開していきたいとした。
メディアアーティストの落合陽一氏も交えたトークショーも行なわれ、その中では、mocopiのデザインが、黒くて光る謎の機材ではなく、相見氏の小学生の娘さんが付けたがるようなデザインに仕上げられたというエピソードや、今後のAIを活用した機能として、clusterのデータベースに蓄積されたモーションデータをmocopiのシステムに反映したいなどといった話が展開した。
なお、clusterのブースは前回のゲームショウでのブースと比較して約3倍の規模で展開。今回のブースの目玉は、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業など国内の自動車メーカー8社との共同プロジェクトで、バーチャル空間で“車の未来を創る”体験ができるゲーム「爆創クラブ」の試遊体験となっている。