レビュー
ソニー「mocopi」を現役VTuberがガチで使ってみた。個人で手軽に3D活動!
2023年5月23日 08:00
AV Watchをご覧の皆様、こんにちは。周囲の記事との違いに驚いた方もいるかもしれません。この度、VTuberの百瀬ヒバナがAV Watchさんとの特別コラボで筆を執らせていただくことになりました。
自己紹介
本題に入る前に、わっちについて少し自己紹介をさせてください。
わっちは百瀬ヒバナ。YouTubeを拠点にVirtual Singer(VSinger)として個人で活動しています。普段はカバー曲をメインとした歌枠を中心に配信しています。「紅蓮華」「シルシ」を作曲された草野華余子さんに楽曲プロデュースしていただいた「烈火」等、多数のオリジナル楽曲をリリースしているので是非聞いてみてくださいね。
普段は自分のことを「わっち」やら、皆さんのことを「貴様」やら申しておりますが、この場では皆さんに読みやすいように書いています。是非普段の配信も遊びに来てください。YouTubeで待っています。
さて、そんなYouTubeにて先日、AV Watchさんとのコラボ企画を行ないました。題して「【コラボ案件】わっちがAV Watchで1日バーチャル記者になった件【#百瀬ヒバナ 】」!
わっちが1日編集者となって、ソニーのモバイルモーションキャプチャ「mocopi」をレポートするというものでしたが、皆さん見てくれましたか?
(え? 配信内容? 大惨事でした。よくもまあAV Watchさんは許容してくれたと思う)
不慣れながらVTuber目線でmocopiをレポートしました。当日は編集長さん、編集Nさんをはじめ、AV Watchの皆さまに温かく支えていただきました。本記事では体験したmocopiを改めてVTuber目線でレポートし、記事を読んでいる皆様にもお伝えできればと思います。
mocopiが発売されるまでフルトラッキングする術を持てなかった
mocopiですが予約開始と同時に注文し、発売日には手に入れていました。使ってみると、本当にすぐに全身トラッキングが出来てびっくり! 嬉しくて、つい遠くから走ってみることに。
実はmocopiが発売されるまで、わっちは3Dアバターをどう使っていいやらとずっと悩んでいました。2021年にファンの皆さんにご協力いただきながらクラウドファンディングを実施し、3Dアバターを制作。2022年6月にお披露目ライブをさせていただきました。
しかしその後、長らく3Dを使った活動はできていませんでした。個人勢(事務所に属さず個人で活動するVTuber)であるわっちにとって、3Dを動かせるフルトラッキングスタジオは大変高価で何度も使用することはできませんし、自宅で3Dを動かせる機材も高価で、VR機材を使えるスペースもありませんでした。
せっかく制作した素敵な3Dアバターをもっと有効活用したいのに使えない! と、すごく歯がゆかったです。そんな時、フルトラッキング機材としてmocopiが発表され、「こんなに小さいカラフルなお菓子みたいなのが……トラッカー?! どうせ、セッティング難しかったり、お高いんでしょう?」と半信半疑。
しかし! なんと!! 6点バンド装着! まっすぐ立って前に1歩出るだけ! 値段はなんと……49,500円!!! な、なんだって〜!! (ここまでお決まり)
あまりの手軽さに震えました。自宅に届いてすぐにmocopiを使用。はしゃいで地面に沈んでいったのは勘弁してください。
わっちと同様に個人勢で活動するVTuberさんたちも、3Dでの活動方法に悩んでいた方が多いように感じました。その中でスマートフォンとmocopiだけで、しかもたった数分ですぐに3Dを動かせる手軽さが界隈全体でかなり話題になりました。
ショート動画をmocopiで撮影! 長時間配信はちょっと難しい……
本当に簡単に動かせてしまうmocopi。わっちは配信ではなく、主にショート動画撮影で使用しています。
配信で使用しないのは、mocopiの推奨継続時間が15分であることが大きな理由です。わっちは主に歌枠をしており、気づけば2時間以上歌い続けることがざらにあるため、mocopiを使用した配信は難しいです。
また、時々思うように動かないことがあり、そういった思わぬトラブルを配信上で見せたくないという理由もあります。思うように動かない時は、リセットポーズや再キャリブレーションを行なうと大抵戻ります。
今回のAV Watchとの配信では、初めてmocopiを使った配信をしてみました。PCで3Dを動かすために、バーチャルモーションキャプチャーを使用。スマートフォンからPCにモーションデータを送るまでのフローはとても簡単だったので、すぐに行なうことができました。
ただ配信しつつ、PC上で3Dを動かすのはかなり高負荷だったようで、持ち込みしたゲーミングノートPCではすぐに動かなくなってしまいました。後日、自宅のデスクトップで試すと問題なく動いたため、やはり高負荷がかかっても大丈夫なPCで配信を行なう必要がありそうです。
渋谷にわっち出現。新機能「AR背景モード」を試した
さらに今回は、mocopiに新しく追加されたAR背景モードを試しました。AR背景モードは、スマートフォンのカメラを使って現実世界と3Dの体を重ねることができます。コラボ配信当日は、インプレスの本社に伺ってAR撮影を敢行。本記事では、わっちが渋谷の街に降り立ってAR撮影してみたので、その様子をご紹介!
渋谷にいるって感じ……
AR撮影に感動して語彙力を失ってしまったわっちですが、今まで3D撮影を外で行なうのは夢のまた夢だったのが、こんなにも簡単にできてしまうことに驚きを隠せません。
使用感としては、人混みだとBluetoothの混線からか、動きが鈍くなってしまうことがありますが、今回の撮影では気にならず使用することができました。我々VTuberからすると、今まで家で3Dを動かすことすら参入障壁が高かったにも関わらず、どこでも3Dを動かせる、さらに外でも撮影ができてしまうのは本当にすごい時代が来てしまったなと思います。
世はまさに3D黄金時代! このmocopiで3Dの体を持ちたいと思う人はグッと増えると思います。
スーツを着なくてもZepp Hanedaで歌って踊れる!! 実証実験に参加
実はわっち、3月にZepp Hanedaで行なわれたmocopiのARライブ実証実験にも参加させていただいております!
ここでは、フルトラッキング機材としてmocopi、フェイシャルトラッキングにはスマートフォンアプリの「waidayo」、フィンガートラッキングとして「NOITOM Hi5 2.0 VR Gloves-PC-VR-S」を使用して実証実験を行ないました。Zepp Hanedaを使用した超豪華ステージにARでわっちが出現するという、一生ないであろう体験をしました。
ゲームや映画撮影でも使用されるプロ用途のモーションキャプチャーシステム「VICON」と「OptiTrack」をわっちは使ったことがあります。それと比べてmocopiはスーツを着るという手間がなく、6点のセンサーとグローブ、フェイシャルトラッキング用のアクセサリーで済んでしまったため、全身を動かせるようになるまでの時間が本当に短かったです。
実証実験ということもあり、前述したプロ用モーションキャプチャーシステム2つに比べると、もっと思うように動かしたかったなと思う点もありましたが、Zeppの舞台で、簡易な機材でこんなに動かせるんだ! という驚きの方が勝りました。
何時間でも使えるようになって欲しい!! これからのmocopiに願うこと
VTuberの活動は、ファンの方々からするとどんな方法や機材を使っているのか見えていないことがほとんどだと思います。
しかし、mocopiは発表当初からVTuber周りのファンも巻き込んで大きな話題となりました。mocopiを使って3Dで活動することを楽しみにしてくれてるファンが多いのも喜ばしいですし、わっちも活動へのモチベーションが上がります。
これからのmocopiに望むことは、「何時間でも使える」ようになったり、「指や顔もmocopiアプリだけトラッキングできる」ようになったり、「3Dアバターを照らす照明の明るさなんかも変えられる」ようになったり……。今後もVTuberにとって使用できる機能が増えて欲しいなと思います。
mocopiがキャッチコピーとして掲げる「可能性、無限大。」のように、これからも我々VTuberの体を動かす必需品としてどんどんアップデートしていくことを楽しみにしています。