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ソニー新完全ワイヤレス「INZONE Buds」。単体12時間再生、ANCも
2023年10月11日 10:04
ソニーは、ゲーミングギアを展開するINZONEブランドより、完全ワイヤレスイヤフォン「INZONE Buds」を10月27日に発売する。カラーはホワイト、ブラックの2色。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は30,000円前後。
ブランド初の完全ワイヤレスイヤフォン。同時に発表されたヘッドセット「INZONE H5」と同じく、プロeSportsチーム「Fnatic」の監修のもと開発されている。
同梱するUSBトランシーバーをPCなどに接続し、音声をワイヤレス伝送する。2.4GHz接続では、ゲーミングヘッドセットと同等の30ms未満の低遅延接続を実現。また、Bluetoothにも対応するが、LE Audioのみ対応(コーデックはLC3)で、従来のSBC、AAC、LDACといったClassicのコーデックでは使用できない。
USBトランシーバーにはスイッチが備えられており、PCとPlayStation 5やスマホなどで使用するときに切り替えて使用する。
「WF-1000XM5」と同じ8.4mm径「ダイナミックドライバーX」を採用し、INZONEヘッドセットの音質をゲーミング完全ワイヤレスとして再現できるように設計。音の定位や微細音を捉える能力を持ち、Fnaticの監修も受けて、eSports選手が満足する音質に仕上げた。
1000Xシリーズで定評のあるノイズキャンセリングと外音取り込み機能も備えている。
INZONE H9の立体音響も踏襲したほか、INZONE Buds用にサウンドトーンの個人最適化を開発。従来の耳の形による音場の最適化に加えて、耳の内側も計測してサウンドトーンも個人最適化し、立体音響を強化した。
コアゲーマーも満足できるよう、新規開発の低消費電力プロセッサーL1と、WF-1000XM5にも採用された大容量電池を搭載し、イヤフォン単体で12時間のロングバッテリーを実現。さらに充電ケース併用で最大24時間再生できる。ANC ONでは単体で11時間再生、充電ケース併用で22時間再生。
LE Audio接続の場合は再生時間が長くなり、ANC OFFで単体24時間、充電ケース併用で48時間。ANC ONでは単体18時間、充電ケース併用で36時間再生できる。充電時間は本体が約2時間、充電ケースが約3時間で、5分の充電で約1時間再生できるクイック充電にも対応している。
USBトランシーバー使用時にPCで使用できるアプリ「INZONE Hub」を使用して、音声バランスや、タッチ操作の設定を変更できる。
筐体はエルゴノミック・サーフェス・デザインにより、軽量で快適な装着感を実現。具体的には、耳甲介と珠間切痕という耳の出っ張っている部分を効率的に避けられる形状になっているほか、耳に入る部分は体積を軽減。
外装やサポート部品を削除してスリムにしながら、3ピース構造で意図的にデバイスを外側にレイアウトしたことで、圧迫感を軽減し、長時間装着したときの快適性を追求した。
また、持ちやすさにも配慮しており、タッチ面周囲にエッジを設けて、操作する際に触れる場所をわかりやすくしたほか、持つ際にはセンサー部に触れずに3点をつまめる形状となっている。
ケースにも角度が付けられており、机上で開いて取り出す際に自然につかめる角度にイヤフォンを配置。左右で外側を向くようになっているので、中央に収められたUSBトランシーバーも取り出しやすくなっている。
重量は6.5g。イヤーピース(SS/S/M/LL)、充電用USB-C to Aケーブルなどが付属する。
音を聴いてみる
一目見たときに、「WF-1000XM3」のような形状をしていると感じたのだが、今回改めて装着感とゲーミング向けの性能を追求した結果、この形に至ったとのこと。耳への収まりや圧迫感の無さもINZONE Budsの方が快適だ。タッチセンサー部周辺のエッジのおかげで、装着や着脱もセンサー部に触れずにストレスなく行なえるのも好印象。
1000Xシリーズでお馴染みの強力なNCで、オンにすると近くで話しかけられても「何か言っているようだけど内容はわからない」という感覚になる。今回はノートPCでデモ音声を聴いたので、ファンの音がそもそも気にならなかったのだが、この強度ではデスクトップPCのファンが回っていてもまず気にならないだろう。
今回、USBトランスミッターを使用し、個人最適化していない状態で試聴した。FPSゲームで周囲を走りながら銃撃される音と、頭上にいる敵が移動しながら自分の付近に落下してくるという状況の音を聴いたのだが、まず遅延は感じられず、音と映像がしっかりとリンクしている。
そして、足音が非常に聴き取りやすく、定位感もはっきりとしているので、敵の居る方向だけでなく、大体どれくらい距離が離れているかもはっきりわかる。
低域がタイトで、銃声も銃口の向きがわかりやすく、余韻の響きもしっかり耳に届くので、銃撃との距離感も把握しやすい。むしろ「このゲームってこんなリアルに感じる音が出ていたのか」と思ってしまう。
頭上の音は、しっかりと上に人が居るという感覚が生生しく感じられ、近づいてくると大体どの辺りを歩いている、あ、今飛び出した、大体この辺りに着地してくる、という状況を、あまりFPSのゲームをやりこんでいない筆者でもしっかりと把握できた。