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ソニー、スタンド刷新の新「INZONE」モニター。有機ELモデル初登場
2024年9月25日 10:03
ソニーは、「INZONE」の新しいゲーミングモニターとして、有機ELパネルを採用した「INZONE M10S」と、4K液晶パネルの「INZONE M9 II」を、10月25日に発売する。サイズはどちらも27型で、価格はオープンプライス、店頭予想価格はM10Sが17万5,000円前後、M9 IIが13万2,000円前後。
M10SはFPSゲームで“勝ち”にこだわるコアゲーマー向け、M9 IIはFPSのほか、アクションゲームやRPGなど、人気タイトルも楽しむアクション/RPGゲーマー向けと位置づける。なお、新モデルの登場に伴いINZONE M9は販売終了。フルHDモデルの「INZONE M3」は併売される。
既発売のINZONEモニターは三脚のようなスタンドが特長的だったが、今回の新モデルでは、そのスタンドを刷新。両モデルとも円形のエルゴノミックデザインスタンドを採用した。これはeスポーツチーム「Fnatic」と協業して開発したもの。
スタンドベース面積は小型化され、直径は159mm。厚さは一般的なマウスパッドと同じという4mmに抑えられており、デスクトップ上を広く使えるという。モニター周辺にキーボードやマウスを自由な角度に配置したり、大型のゲーミングマウスパッドを敷くことも可能。
M10Sは120mm、M9 IIは130mmの高さ調整、-5度〜25度のチルト、±180度のスイーベルが可能で、プレイスタイルに応じて、見やすい位置に調整できる。100×100mmのVESAマウントも搭載。
スタンドは小型化されたものの、独自の重心構造で安定性と堅牢性は向上。片手でも高さや角度を調整できるほか、デスクに座ったままでもモニターを180度回転させて背面の端子類にアクセスできる。
なお、2モデルでスタンドには細かな違いがあり、M10Sはケーブルをスタンド内に通して隠すことが可能。M9 IIはケーブルマネジメント機能は備えないものの、製品にはケーブルを束ねるためのバンドが付属する。
また電源は内蔵ではなく、付属のAC電源アダプターを使用する。そのアダプターのサイズも従来モデルからコンパクトになっている。
INZONE M10S
世界有数のトッププロeスポーツチームであるFnaticと企画段階から共同で開発。開発最初期から同チームの意見を採り入れて開発した。
INZONEブランドのモニターとしては初めて有機EL(OLED)パネルを採用。応答速度は0.03ms GTGで最大480Hzのリフレッシュレートに対応したことで「今までにない残像感のなさ」を実現したという。
ディスプレイサイズは27型だが、eスポーツイベントで多く使われる24.5インチサイズで映像を表示する「24.5インチモード」を搭載。同モード使用時、表示する映像をセンター寄せにするか、ボトム寄せにするかを選ぶこともできる。
同機能はFnaticと共同開発したもので、「選手の中にはモニター下端を基準にメジャーで測って、モニターの高さを決めている人もいる」ことから、ボトム寄せも選べるようにしたとのこと。
また、FPSゲームをプレイ中、敵を見やすくする画質モード「FPS Pro+」と、eスポーツイベントでよく使われるというTN LCDパネル採用モニターと同じ見た目を再現した画質モード「FPS Pro」の2種類を搭載。
FPS Pro+は、Fnaticとともにチューニングし、特に「VALORANT」や「Overwatch 2」といったFPSゲームに最適化されている。具体的には画面全体の色彩度を抑えつつ、敵の輪郭色である赤、紫、黄色の彩度を強調することで視認性を高めるほか、有機ELの特性を生かして輝度コントラストを上げることで、さらに敵の視認性を強化している。
FPS Proは、多くのFPSトーナメントで公式モニターとして使われているTN LCDパネル採用モニターの画質をシミュレートしたというモード。画質を近づけることで、多くのゲーマーが使い慣れているTN LCDパネルモニターから移行しやすくなるという。
画質としては、TNパネルの特性に合わせて表示色域を狭め、色域カバー領域をやや赤側にシフト、さらにLCD TNパネル特有のバックライトの光漏れを再現するために、あえて黒を浮かせるといった調整が行なわれる。
解像度はQHD/1,440pで、中距離から長距離の照準精度も向上したとのこと。なお、24.5インチモード時は1,332pとなる。最大表示色は10.7億色、色域はDCI-P3 98.5%をカバーする。ブルーライト低減、ちらつき防止ではTÜV Rheinland認定も取得している。パネル表面処理はアンチグレア。
入力はHDMI 2.1が2系統のほか、DisplayPort 2.1×1、USB Type-A×2(ダウンストリーム)、USB Type-B×1(アップストリーム)を装備。NVIDIA G-SYNC CompatibleやVRR(HDMI 2.1)に対応する。
「プロプレーヤーの多くはヘッドセットを使っている」としてスピーカーは非搭載。3.5mmのヘッドフォン出力を備える。
高性能の排熱構造も採用し、ディスプレイ部が発する熱を内蔵アルミパネルで全体に拡散することで、熱の均一性を高めてパネルの焼き付きを防止。アルミプレートとサーマルパッドを組み合わせた放熱材料でチップをサンドイッチすることで熱を放射する構造や、サーマルパッドとヒートシンクで熱を放射するファンレスエアフローなどを採用することで、ファンを使わずに効率的・効果的に排熱する。
基板類などはディスプレイ背面の楕円形部分に集約。この重心が円形ベースの中心と重なっているため、従来モデルよりも安定性が向上している。
消費電力は120W。スタンドを含めた外形寸法は約60.4×19,7×50.4cm(幅×奥行き×高さ)、重さは約6.2kg。AC電源アダプターや電源コード、Color Calibration Factory Reportなどが付属する。
INZONE M9 II
2022年に登場した4K/144Hzモデル「INZONE M9」の後継機で、4KのIPS液晶パネルと部分駆動対応の直下型LEDバックライトを採用している。
直下型LED部分駆動は「BRAVIA」の技術も活用。前モデルよりもダイナミックな制御を行なうことで、より引き締まった暗部表現、高コントラストで奥行きのある映像を再現する。なお、バックライトLEDの数や分割数はM9と同じで、制御のみ変更されている。
リフレッシュレートは最大160Hzに対応し、応答速度は1ms GTG。独自のバックライトスキャニング技術を新採用することで、フレーム遷移時に発生するモーションブラーを画面全体で低減している。バックライトスキャニングは、ブラウン管のように1列ずつLEDを制御することで、二重像の残像感を低減して滑らかな映像を実現するもの。同制御は100Hz以上で動作する。
なお、このバックライトスキャニングとLED部分駆動の同時使用はできない。
最大表示色は10.7億色でDCI-P3 95%以上をカバー。VESA DisplayHDR600の認証も取得している。NVIDIA G-SYNC CompatibleやVRR(HDMI 2.1)にも対応。M10Sと同じく24.5インチモードを利用可能で、表示のセンター寄せ、ボトム寄せも選択できる。
画質モードは従来のFPS、Cinema、Game、Standard(SDR時)、DisplayHDR(HDR時)のほか、新規モードとしてMOBA/RTS、RPG、sRGB(SDR時)、Cinema、Game、RPG(HDR時)を搭載。遊ぶゲームや視聴コンテンツに合わせて選択しやすくなった。なお、M10Sに搭載される「FPS Pro+」や「FPS Pro」モードは非搭載となる。
PS5との連携機能として、オートHDRトーンマッピングや、コンテンツ連動画質モードを利用できる。入力はHDMI 2.1が2系統のほか、DisplayPort 2.1×1、USB Type-A×2(ダウンストリーム)、USB Type-B×1(アップストリーム)。2W×2chの内蔵スピーカーも装備する。このスピーカーは前モデルから刷新されており、「音質も強化した」とのこと。3.5mmのヘッドフォン出力も搭載。
消費電力は100W。スタンドを含めた外形寸法は約61.5×21.1×52.8cm(幅×奥行き×高さ)、重さは約6.4kg。AC電源アダプターや電源コード、Color Calibration Factory Reportなどが付属する。
M10Sは「APEX Legends」世界大会の公式モニターに
あわせてソニーは、世界的なeスポーツ大会である「Apex Legends Global Series(ALGS)」などを開催するエレクトロニック・アーツ(EA)とスポンサーシップを締結。2025年1月に日本で開催される「ALGS Year 4 Championship」より、M10Sをオフライン大会の公式モニターとして提供する。同社は「今回の提携を重要な節目と捉え、INZONEは競技シーンのさらなる発展に貢献します」としている。
またEAのスポーツ/ベンチャーブランド担当シニアダイレクター モニカ・ディンスモア氏も「eスポーツでは毎秒、毎フレームが重要です。日本の札幌市で開催される『ALGS Year 4 Championship』が目前に迫る中、この大会の参加者に対し最高技術の環境を提供することが大切だと考えています。その観点において、今回、ソニーとの提携により業界をリードする『INZONE M10S』をALGS大会に採用できたことを非常に嬉しく思います。選手の皆が最高のパフォーマンスを発揮できると信じています」とのコメントを発表している。
ソニーストアで発売記念キャンペーン
9月15日10時から10月24日23時59分までの間に、全国5カ所のソニーストア(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)とソニーストア オンラインでINZONE M10S、INZONE M9II、INZONE Budsのいずれかを購入の上で応募すると、応募者全員にVTuber「天鬼ぷるる」のオリジナルポスターがプレゼントされる。
また抽選で50名が「天鬼ぷるる/ハイタニ/こく兄 ファンミーティング@ソニーストア銀座」に招待されるほか、150名に「天鬼ぷるる オリジナルコースター」がプレゼントされる。詳細は公式サイトまで。