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NHK BS103chは12月1日0時から“案内チャンネル”へ。録画予約に注意

番組検索の特設ホームページを紹介する杉浦友紀アナウンサー

NHK(日本放送協会)は、来月に実施する衛星放送波の再編に関する説明会を開催した。説明会では12月1日0時以降、「BSプレミアム」の番組は101チャンネルへ移設すること、103チャンネルは4Kのダウンコン映像を背景にBSの再編等を案内するチャンネルへと内容を切り替えることをアナウンス。また、「従来103チャンネルで連続予約していた番組がある場合、再編の影響で録画できなくなる」として、11月最終週の録画予約再設定を呼びかけた。

既報の通り、NHKは、受信料の値下げや将来的な世帯数の減少に伴う受信料収入の減少、そして業務の合理化・効率化の要請を踏まえ、現在の「BS1」「BSプレミアム」「BS4K」の衛星放送3波体制を変更。2023年12月1日に「NHK BS」「NHK BS プレミアム4K」の2波へ再編し、2024年3月31日をもってBSプレミアムで利用していた103チャンネルを停波させることを決めている。

今夏の説明会では、「現在BS1、BSプレミアムで放送されている定時番組(時刻表に掲載されている番組)は、新しい『NHK BS』に凝縮され、廃止されるものはほぼない」ことや、2つの新しいチャンネルの編成概要を明らかにしたが、今回の説明会では、放送切り替えの時間や12月1日以降の103チャンネルの中身、EPGやラテ欄表示、利用者への周知方法などを新たに案内した。

103チャンネルは案内チャンネルへ。EPGからはロゴ削除

まず、これまで実施時間未定としていた再編のタイミングは、12月1日0時に決定。0時を境に、BS1だった101チャンネルは「NHK BS」、BS4Kだった4K 101チャンネルは「NHK BS プレミアム4K」(BSP4K)へと名称が変わる。ロゴやEPG、データ放送も0時で切り替わる。

BSプレミアムだった103チャンネルは、0時をもって通常の番組放送を中止。信号の送出を止める2024年4月1日0時までの4カ月間は、番組の移設や停波時期を利用者へ説明・周知するためのチャンネルとして活用する。

具体的には、BSP4Kで放送中の番組をHDに変換(ダウンコン)した映像を背景に、番組の移設を案内するテロップを常時表示する。その際、無音ではなく番組の音声をそのまま流す(ステレオのみ)。基本はBSP4Kの番組を背景とするが、BSP4K独自・ダウンコンの権利がない番組の場合は、環境映像のようなフィラー(独自番組)を背景に流す予定。

HD画質に変換した映像を背景に、テロップを表示している場合
(C)NHK
環境映像を背景に、再編を告知している場合
(C)NHK

担当者は「BSを長年楽しまれている視聴者は、長年の習慣で、再編後も103チャンネルに来てしまうことが想定される。そういった視聴者が迷子にならないように、丁寧に案内したい。現在50~60種類のテロップを準備しているが、『分かり難い』と言った声や、ある程度時間が経てば『もう分かった』という意見が出てくるかもしれないので、反応や時期に応じて変更を検討していきたい」と話す。

EPG上のチャンネルロゴは、12月1日以降空欄となり、NHKの放送であることが分かるように「NHK」のテキスト表示だけとなる。またEPG情報は、個々の番組は表示されずに大枠表示となる。

停波以降は、チャンネル名の欄からNHKのテキスト表示もなくなり、EPG情報も空白になる予定。停波以降にテレビやレコーダーでチャンネル設定した場合、「103チャンネルの枠がすぐに無くなって列がズレるわけではない。1年とか、しばらくの間は枠が残る」とのこと。また「103chの空いた帯域をどのように活用するかは、総務省が決めることだと認識している」という。

12月1日からは、新聞のラテ欄やテレビ情報誌などの表示も変更される予定。

「どのように情報を掲載するかは、あくまで新聞社やテレビ情報誌を取り扱う会社の編集方針であって、NHKが関わっているわけではない」としたうえで、各社に12月以降の表示をNHKが尋ねたところ、「BS1だった場所には『NHK BS』、BSプレミアムだった場所には『BSP4K』のラテ欄を配置するパターンが多くなるようだ」と話す。

なおデータ放送に関しては、NHK BS・BSP4Kともに従来のデータ放送をリニューアルして継続。103チャンネルに関しては、新BSのデータ放送へ誘導する簡易な内容にとどめるという。

BSプレミアムの連ドラ、毎日・毎週録画は再設定を

今回の再編にともない、NHKが「注意してほしい」と呼びかけているのが、BSプレミアムの録画予約だ。

前述した通り、現在放送中のBS1とBSプレミアムの主な番組は、新しいNHK BSに統合されて放送されることになっており、廃止される定時番組はほぼない。ただし、番組によってはチャンネルと放送時間が変わるため、仮に再編前の設定で録画予約をしていると、録画に失敗してしまうという。

担当者は「12月1日は金曜日であるため、BSプレミアムで7時台に放送してる『まんぷく』や『ブギウギ』、13時からのBSシネマを月曜から金曜まで連続録画予約していると、12月1日の金曜日分の番組だけ録れないことになる。EPGは放送開始の1週間前から表示されるので、録画したい番組のチャンネルと時間を確認のうえ、11月最終週から録画予約の再設定をしてほしい」とコメント。

「NHKの開局以来、波(チャンネル)が減るのは初めてで、我々にとっては非常に大きな出来事と捉えている。気になる番組の放送時間はどうなるのか? という声に対しては、NHK BS放送のポータルサイトに新たに『番組検索』を用意したので、是非活用してほしい」としている。

最後の番組は「あしたから引っ越ししますSP(仮)」。切り替わりを生放送

12月1日以降、番組の移設や停波周知の案内として活用される103チャンネル(BSプレミアム)の最後の番組も発表された。

「のこり3時間! BSプレミアムがあしたから引っ越しします SP(仮)」と題し、BSの人気番組の出演者をスタジオに招き、懐かしい初回放送などのアーカイブ映像を交えながら、番組の歩みや舞台裏を公開するほか、BS1の「国際報道」とコラボし、ニュースやスポーツ番組の新たな魅力を取り上げる。

放送時間は、BSプレミアムで夜9時から。夜10時40分からはBS1でも同時放送され、12月1日0時のチャンネル切り替わりの瞬間を生放送で伝えるという。

担当者は、NHK BSの魅力について「あくまで終わるのは103チャンネルという波で、従来のBSプレミアムで放送していたコンテンツが無くなるわけではない。新しいNHK BSのオススメは、一言で言えば『全部』。2つの波で存在していた番組が1つに凝縮するわけですから、面白くならないわけがない。これまでBS1は野球やニュース、BSプレミアムは教養や歌、ドラマと分かれていたわけですが、それが1つになる。このチャンネルを付けっぱなしにしていただいてほちいというのがこちらのお願いです。きっと今までに無かった番組との出会いが待っていますし、刺激的なアトラクションという風に使っていただきたい。是非期待していただきたい」と説明。

またBSP4Kについても「12月1日からは、ついに24時間化される。これまではBSプレミアムとの同時放送が多かった面もあるが、今後は4Kならではの独自番組を増やしていきたいし、それらを先行して、BSP4K枠で楽しめるようにしていく」と語った。