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NUARL、バイアンプ駆動でMEMS搭載完全ワイヤレス。火の神「Loki」降臨
2023年12月9日 17:34
e☆イヤホンは9日、秋葉原にてポータブルオーディオの展示・試聴イベント「ポタフェス2023冬 秋葉原」を開幕した。期間は10日までの2日間。入場料は無料(事前登録なしのフリー入退場)。会場はベルサール秋葉原。ここでは、NUARL、AVIOT、サウンドアースなどのブースをレポートする。
NUARL
エミライのブースに、MEMSドライバ搭載のNoble Audio完全ワイヤレスイヤフォン「FALCON MAX」が展示されているが、NUARLのブースにも、MEMSドライバを搭載した完全ワイヤレスが参考展示。今回のポタフェスのトピックは“MEMSドライバ”になりそうだ。
「X878」と呼ばれるモデルで、高域用としてMEMSドライバー、低域用に10mm径のダイナミックドライバーを搭載したハイブリッド構成。MEMSドライバーを搭載しているだけでトピックだが、さらにユニークな点として、デュアルDACを搭載し、各ユニットをバイアンプ駆動している。
具体的には、デュアルDACを搭載したSoCを搭載。通常の2ウェイイヤフォンでは、低域と高域に分離するクロスオーバーネットワークが必要になるが、ネットワークに使用する素子の質によってノイズが増えたり、低域と高域のつながりをなだらかにするのが困難だったり、音質チューニングや音圧バランスの調整が難しいなどの難点がある。
そこで、デュアルDACを搭載したSoCをソフトウェアで制御することで、個々のDACを、低域用ダイナミックドライバー、高域用MEMSドライバーに割り当ててバイアンプ駆動している。これにより細かなチューニングができるなど、音質に有利になる。また、通常のSoCに外付けDACを加えているわけではないため、消費電力の増加や、筐体の大型化といったデメリットも無いとのこと。
ブースでは他にも、有線イヤフォン「Overture」のチタン筐体バージョンの試作機「X347(Overture Limied Editon Titanium)」も展示。場者の反応を見ながら、製品化を検討しているという。
AVIOT「新たな領域切り拓く」完全ワイヤレス「TE-ZX1」
AVIOTのブースでは、新フラッグシップ・完全ワイヤレスイヤフォン「TE-ZX1」を参考展示。2024年1月発売を目標に開発が進んでおり、通常モデルに加え、凛として時雨 ピエール中野氏とのコラボモデル「TE-ZX1-PNK」も同時発売予定。
TE-ZX1は、平面磁気駆動型ドライバー1基、バランスドアーマチュアドライバー3基、ダイナミックドライバー1基の、3種5基からなる新開発ドライバーシステム“トライブリッド・ファイブドライバー”を採用。
過去の“Zシリーズ”のハイブリッドノイズキャンセリング、積層造形技術、金属製ノズルをはじめ、これまでに同ブランドが培った数々の技術を余すところなく投入し、「完全ワイヤレスイヤホンの新たな領域を切り拓く」モデルになるという。Bluetooth Version 5.2に対応。プロファイルはA2DP、HFP、AVRCPで、コーデックはLDAC、AAC、SBCをサポートする。
サウンドアース
サウンドアースのブースではKineraのハイエンドライン・Kinera Imperialの最高峰フラッグシップイヤフォン「Loki(ロキ)」が注目を集めている。9日に発売されたばかりで、価格は468,000円。
北欧神話におけるロキからインスピレーションを受けたデザインとサウンドに仕上げられており、フェースプレートには、火の力を持つロキを象徴する燃えるような赤で溶岩を表現。青は地表を表している。
ユニットは、低域用に6mm径のダイナミック型×1、中音域用にバランスドアーマチュア(BA)×4、高音用にBA×2、超高域用にEST×4、さらに骨伝導ドライバー×1も搭載する。
同ブースでは、DUNUの新イヤフォン「川 GLACIER」も登場。氷河をイメージした外観が印象的で、ユニット構成はダイナミック×1、4BA、4ESTの片側9ドライバー。価格は未定だが、20万円ほどのイメージだという。
STAX
STAXのブースでは、同社のイヤースピーカーを屋外でドライブできるUSB DAC内蔵ポータブル・ドライバー・ユニットの新製品として、「SRM-D10 II」というモデルを参考展示している。
モデル名からわかるようにSRM-D10の後継機となり、DACチップを「ESS9018」から「AKM4493」へ変更。PCM 382KHz/32bit、DSD 11.2MHzまでサポートしている。
細かいところでは、背面の接続端子をUSB MicroからUSB-Cに変更、給電端子もACアダプターからUSB-Cの充電へと変更された。価格は未定だが、従来モデルよりは少し高価になる見込みだ。
トップウイングサイバーサウンドグループ
トップウイングサイバーサウンドグループのブースでは、新製品を一挙に展示。
iFi audioからは、発売されたばかりの「NEO iDSD2」が注目を集めている。ロスレスBluetoothなどの様々な点がアップグレードされたDAC内蔵ヘッドフォンアンプ。
Eleven Audioからは、日本未発売製品のフルバランスディスクリートクラスAヘッドフォンアンプ「Broadway」と、シングルエンドのAクラスで、低インピーダンスヘッドフォンや高感度IEM用のヘッドフォンアンプ「BroadwayS」が登場。「K-DAC」と組み合わせて試聴ができる。
これまでもイベントで参考展示されていたLotoo「Mjölnir」(ミョルニル) は、据え置き型スタンドアローンタイプのデジタルオーディオプレイヤー。
発売日は2024年1月15日の予定で、予価は1,485,000円。DACチップは「AK4499EQ」を採用。Lotoo OSを内蔵し、3.5mm、6.35mm、4.4mm、4ピンXLRのヘッドフォン出力を備えるほか、XLRとRCAのラインアウトも装備。AES/EBUのXLRデジタル出力、同軸デジタル、光デジタル出力も搭載。BluetoothやWi-Fi機能も備えている。内蔵バッテリーで動作し、外形寸法は18×18×6.3cm。重量は約2,700g。
その他
ラディウスのブースでは、12月中旬に発売する、ネックバンド式のながら聴きワイヤレスイヤフォン「HP-H100BT」を展示。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は8,980円前後。
さらに、開発中の完全ワイヤレスタイプの骨伝導イヤフォン「ベートーヴェン」も参考展示。振動素子からの振動が、耳穴に挿入するリング部分伝わる構造になっている。一般販売の前に、クラウドファンディングでの展開が予定されている
ディーアンドエムホールディングスは1階に大型ブースを展開。Bowers & Wilkinsのワイヤレスヘッドフォン「Px7 S2e」と、新色のロイヤル・バーガンディが加わったラグジュアリーなハイエンドワイヤレスヘッドフォン「Px8」などを使った、ファッションコーディネートを提案。
スタイリストとして雑誌やアスリートなどのコーディネートで活躍している久保コウヘイ氏によるコーディネート例を、見ることができる。さらに、完全ワイヤレスイヤフォンの「Pi7 S2」、「Pi5 S2」も登場。
地下のブースでは、高精度なパーソナライズ化が可能な完全ワイヤレス「Denon PerL Pro」なども体験できる。
JBLの1階ブースでは、「第2回 FAV 道場破り!」を開催。「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2023」に出場しているsako、りゅうせい、ときど、ボンちゃんのFAV gamingメンバーと、来場者との組手形式のゲーム対戦を行ない、勝利した来場者にJBL製ゲーミングギアのQuantumシリーズなどがプレゼントされる。
さらに、FAV gaming所属コスプレイヤー・わたらいも、ジュリのオリジナルコスプレで参加している。
finalのブースでも、ゲーミングの大きな展示が。新ゲーミングイヤフォン「VR500 for Gaming」の発売を記念したもので、既に販売中の「VR3000 for Gaming」と「VR2000 for Gaming」の3機種を、実際に格闘ゲームやFPSの映像と共に、聴き比べられるようになっている。
Brise Audioのブースでは、発売したばかりのオーディオ向けUSBケーブル「MURAKUMO2-USB」(USB 2.0対応)が登場。価格はオープンプライスで、USB-C to C 17cm「MUR2USB-CC017」の店頭予想価格は200,000円前後。
「音質の追求にのみ傾けたBrise AudioのMURAKUMOグレードのUSBケーブル。Brise Audioのもてる技術をすべて投入し、MURAKUMOグレードの以外のケーブルでは採用できない非常に贅沢な高音質施工を施すことによってのみ到達できる音質を実現」したという。