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パナソニック、Fire TVビルドインの有機ELテレビ。144Hz駆動でゲーム機能も強化
2024年1月9日 11:16
米パナソニックは現地時間1月8日、ラスベガスで開催中のCES 2024にて、有機ELテレビの2024年フラッグシップモデルとなる「Z95A」と「Z93A」の2機種を発表した。既報の通り、両モデルとも「Fire TVビルドイン」で、144Hzリフレッシュレートもサポートする。サイズ展開はZ95Aが65、55型、Z93Aが77型。
Fire TVベースとなることで、コンテンツ過多の時代において、Z95AとZ93Aは放送とストリーミングの両方のコンテンツを集約できるといい、「Fire TV内蔵により可能となったコンテンツ優先のアプローチにより、ユーザーにコンテンツの発見と消費において、より合理化された体験を提供する」という。
また、Fire TVビルドインにより、スマートホームデバイスの管理ハブとしても利用可能に。Alexa対応デバイスと完全な互換性を持つスマートホームダッシュボードを搭載し、家庭内のスマートホームデバイスをシームレスに監視・制御できる。Alexaを使った音声操作もできるほか、コンテンツを視聴していないときは、写真やカレンダー、リマインダーなどを表示するダイナミックディスプレイとして使うこともできる。
そのほか、Apple HomeとAirPlayにも対応し、ユーザーはSiriを使ってテレビを操作したり、iPhoneやiPad、Macから映画、音楽、ゲーム、写真などをストリーミングすることも可能。
Z95Aは「Master OLED Ultimate」パネルモジュール、Z93Aは「Master OLED Pro Cinema」を採用。このうち、Z95Aで採用するMaster OLED Ultimateパネルモジュールでは、マイクロレンズアレイを使用するほか、パナソニックが開発したマルチレイヤーの熱管理構造も搭載。「駆動技術と熱管理の改善により、これまでにない明るさを実現している」とのこと。
さらに、“映画界のダ・ヴィンチ”とも評されるカラリスト、ステファン・ソネンフェルド氏によるカラーチューニングも行なわれる。ソネンフェルド氏は「トップガン マーヴェリック」や「ワンダーウーマン」といった長編映画にカラリストとして参加しており、日々のリファレンスモニターとしてパナソニック製の有機ELスクリーンを活用しているという。
プロセッサーは、両モデルとも新しいHCX Pro AIプロセッサーMK IIで、AIと数学モデルを組み合わせたもので、新しい4Kマスターエンジンにより、鮮明で自然な映像と高いストリーミングノイズ低減を実現し、ストリーミング映像の鮮明さを高めるという。階調の改善やバンディングも低減する。
また、この新プロセッサーにより、144Hzリフレッシュレートに対応。圧倒的な応答性を実現し「競争力を求めるゲーマーに恩恵をもたらす」という。
あわせて改良した「Game Mode Extreme」も搭載。HDMI 2.1ハイフレームレートと最大144HzのVRRに対応し、より質の高いゲーム体験を味わえる。そのほか、最適なホワイトバランスやグレースケール設定など、色の正確性を高めるためにチューニングしたプリセット「True Game Mode」にも対応。「ゲーム開発者のビジョンに忠実なゲーム体験ができ、プレーヤーに映画のような“本物の映像の旅”を提供する」としている。
両モデルともDolby Vision IQのPrecision Detailに対応するため、映像が白飛びするほど輝度を上げることなく、画面の各エリアの光量を調整することで、よりディテール感のある映像を楽しめる。この技術はテレビ内蔵の環境光センサーと連動し、リビングルームの明るさを検知して、暗いシーンでも細部まで見えるように画面上の映像を調整する。
内蔵スピーカーは、Technicsのエンジニアがハリウッドのパートナーと協力してチューニングしており、Dolby Atmosをサポートする。RPGやFPSなど、特定のゲームジャンルに特化したサウンドモードも搭載。RPGでは、没入感のあるストーリーや戦略的なゲームプレイに欠かせない明瞭感のあるセリフと3Dサウンド環境を楽しめ、FPSでは、足音など勝敗を分ける音を強調するようなサウンド調整が行なわれている。
そのほか、トーンマッピングOFFによるHDR画質調整も利用可能。これはHDRゲームの画質調整をテレビではなく、ソース側で可能にするもので、これによりハイライトを誇張することなく、高い輝度レベルと鮮明な映像を両立するとのこと。各種ゲーム設定は、アップデートされた「Game Control Board」からアクセス可能という。