ニュース

ヤマハ、配信・音楽制作向け新製品一挙公開。ゲーム向け「ZG02」やSteinberg「IXO 12」

ZG02

ヤマハは、アメリカで開催された「2024 NAMM Show」にて発表・展示された新製品の国内展示を記者向けに実施。すでに発売中だが、新製品のゲーム配信向けミキサー「ZG02」やUSBマイク「YCM01U」、Steinbergのオーディオインターフェイス「IXOシリーズ」、1台でエレクトロミュージックの制作からパフォーマンスまで行なえる「SEQTRAK」などが展示された。

ZG02

ゲーム配信者向けのオーディオミキサーZGシリーズの第2弾。すでに発売されており、価格は23,100円。

2022年に発売された「ZG01」はHDMI端子の搭載で話題となったが、ZG02では非搭載となっている。また、メインボリュームなど一度設定したあとはあまり操作をしない項目の物理ノブやボタンを非搭載としたことで筐体を小型化した。

ZG01

プレイヤーの声、チャットの音声、ゲームの音声のバランスをコントロールできるノブ、3種類のエフェクトボタン、ミュートボタン、フェーダーはZG01同様に装備。入力端子も48Vファンタム電源に対応したXLRと3.5mm端子を備え、出力端子もヘッドフォン出力とスピーカー出力を備えている。また、マイクのベースとなるゲインレベルを3段階で切り替えるスイッチを新たに装備し、音量の取りにくいダイナミックマイクなどを使用する場合でも、ノイズを抑えながら音量を確保できるようになった。

ZG02の前面側端子
ZG02の背面側端子

アプリはZG01同様にZG Controllerを使用。アプリで設定できる各種エフェクトや機能はZG01と同等となっており、HDMIが絡む機能以外は同じことができるとのこと。Elgato製「STREAM DECK」との連携も可能で、配信中などに画面上にアプリを表示して操作しなくても、STREAM DECKのノブやボタン操作で各種調整が行なえる。

今回のイラストはイラストレーターの薔薇缶が担当している。なお、ZG01はしぐれうい。

YCM01U

YCM01U ホワイト

2022年に発売されたXLRタイプの「YCM01」をUSBマイク化した製品。マイク後部からの不要な環境ノイズを抑制して明瞭な声を届けるとする単一指向性のコンデンサーマイク。

ブラック

USBタイプのコンデンサーマイクでは、AG03MK2/AG06MK2と同等の配信向けオーディオインターフェイス機能を搭載した「AG01」もあるが、「YCM01U」はオンライン会議などの使用を想定したモデル。

USBマイク化したことで本体にヘッドフォン出力を装備。オーディオインターフェイスとしての機能はマイク入力の音量とヘッドフォンからの音量のバランス調整のみのシンプルな構造になっている。

USB端子部
背面にヘッドフォン出力
音声バランスの調整ができる

Steinberg IXO 12/22

IXO 12

Steinbergブランドの音楽制作向けオーディオインターフェイスのエントリーモデル。違いは48Vファンタム電源対応のXLR入力の数だが、ともに2入力2出力で、IXO 12でもマイクと楽器の音を同時に入力できる。IXO 22は2つ目のマイク入力と楽器用の入力が共通のチャンネルになっているため、3入力はできない。

IXO 22

ともに外形寸法/重量が158×102×47mm/450gと小型軽量で、持ち運びも用意に行なえるのが特徴。DSP非搭載で、PC側で使用するソフトもないため、設定がハードウェアのみで完結する。楽器入力用の端子はHi-Z入力となっているため、IXO 22にエレキギターなどを接続する場合は、マイク端子側ではなく、楽器用の端子に入力すれば問題なく利用できる。

背面の端子は共通(IXO 12)
IXO 22の背面

また、上位モデルのUR-Cシリーズが配信向けの新機能を備えたVersion 3.0にアップデート。とくにマルチストリームオーディオドライバーが目玉となっており、仮想入力が3chに増加。

UR22-C

これまではこの仮想入力が1chとなっており、ループバックを使用すると、PC上のすべての音がループしてしまい、エコーやハウリングが起きてしまっていた。これが3chになることで、BGM、ボイスチャットの音声などを別のチャンネルとして入力、PCソフト上でループバックするチャンネルを選べるようになったことで、Steinbergの音質で快適に配信も行なえるようになった。

配信に使えるデジタル入力が増えた

1台で音楽制作とDJができる「SEQTRAK」やシンセを丸ごとソフト化「EPS for MonTAGE M」など

SEQTRAK オレンジ

ドラム、シンセ、サンプラー、サウンドデザイン、エフェクトなどの機能を備え、マイクやスピーカー、バッテリーも本体に搭載することで、1台で音楽制作からDJのようなパフォーマンスができる「SEQTRAK」も展示。発売中で価格は55,000円。

ブラック

さまざまな楽器の音や効果音など2,000種類以上をプリセットとして搭載するほか、アプリを使用することでさらに音色の数を増やせる。また、本体マイクから音を収録してサウンドスロットに登録、加工することもできる。PCやiPadなど接続して編集しつつ、持ち出して1台でも音楽制作できる新たな形の製品とのこと。

ヤマハのフラグシップシンセサイザー「MONTAGE M」をソフトシンセとしてプラグイン化した「ESP for MONTAGE M」も紹介。現在は基本的な編集機能に限定したMONTAGE Mのすべてのサウンドを搭載したバージョンを配信中だが、夏に全機能を実装予定だという。

MONTAGE M
ソフト化したESP for MONTAGE M

MONTAGE Mの正規登録ユーザーであれば、ソフトのダウンロードとアクティベートが可能になっており、全機能実装後は、実機で行なえるすべてのことがPC1台でも可能になり、移動中に編集したり、本番前の時間に仕上げの手を加えるようなこともできるようになるとのこと。

配信向け機材のほか、これまで実機ありきであったシンセサイザーの完全なソフト化、本格的なドラム演奏を指で手軽に楽しめるフィンガードラムパッド「FGDPシリーズ」といった、一部の領域で盛り上がっている領域に切り込んだ商品を展開するなど、ヤマハとしても新たな取り組みを実施しているとのことだ。