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ついに配信“完全版”ドラマ「沈黙の艦隊」。大沢たかお「後悔なくやり切った」

左から前原滉、夏川結衣、江口洋介、大沢たかお、上戸彩、中村蒼、笹野高史
(C)2024 Amazon Content Services LLC OR ITS AFFILIATES.原作/かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』(講談社「モーニング」所載)

Prime Videoは、ドラマ『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』の配信を本日(2月9日)開始した。全8話構成で、9日に1から6話、16日に7・8話を配信する。8日には出演者らが登壇する配信記念イベントが開催され、イベントレポートが届いた。

本作は、1988~96年に「モーニング」(講談社)で連載された人気コミック「沈黙の艦隊」を原作とし、大沢たかおさん主演で実写化された映画『沈黙の艦隊』で描かれた“序章”とも言える物語に加え、その後東京湾に戦いの舞台を移し日本だけでなく世界を巻き込んでいく衝撃のクライマックスまでを描く、全8話の“完全版”ドラマ。

『沈黙の艦隊』シーズン1 ~東京湾大海戦~ 本予告動画 |プライムビデオ

イベントの会場となったのは、アーバンドックららぽーと豊洲およびユナイテッド・シネマ豊洲。最新鋭の原子力潜水艦〈シーバット〉を乗っ取り、国家反乱を起こす主人公・海江田四郎役の大沢たかおさんをはじめ、国が隠す情報を嗅ぎつけ公正な報道のために奔走するニュースキャスター・市谷裕美役の上戸彩さん、緊迫の状況下でも冷静な決断を下す内閣官房長官・海原渉役の江口洋介さんが登場。

さらに、海江田が艦長を務める潜水艦シーバットの副艦長・山中栄治役の中村蒼さん、シーバットのソナーマン・溝口拓男役の前原滉さん、気弱で優柔不断な内閣総理大臣・竹上登志雄役の笹野高史さん、海原と共に総理を支える防衛大臣・曽根崎仁美役の夏川結衣さんらも駆けつけ、総勢7名の豪華俳優陣が、本作で繰り広げられる激しい潜水艦戦の舞台となる東京湾から船に乗って登場した。

劇中の海戦を彷彿とさせる東京湾からの登場について、大沢さんは「この物語は東京湾を舞台に大海戦が繰り広げられます。今までドラマでも映画でも見たことのない凄く激しい作品になっているので、いいご挨拶ができたと思います」と感慨深そうに語り、上戸さんは「この東京湾で戦いが行なわれたと思うと感慨深かったです。大沢さんに船の上で『撮影どうでしたか?』と聞いたら、『俺は東京湾じゃなくてスタジオでの撮影だったから』と言われましたね(笑)。船での登場も楽しかったですし、興奮しました!」と船での登場に笑顔を見せた。

「沈黙の艦隊」より
(C)2024 Amazon Content Services LLC OR ITS AFFILIATES.原作/かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』(講談社「モーニング」所載)

昨年の9月に劇場で公開された映画『沈黙の艦隊』の物語のその後を含んだ“完全版ドラマ”として配信を迎えることについて、大沢さんは「昨年映画が公開されて、おかげさまで沢山の方たちに観ていただけました。映画を観た方も観ていない方にとっても面白いドラマになっています。このために我々は数年間頑張ってきました。日本だけではなく世界の人が現代にも繋がる社会問題や情勢の問題を真正面から捉えた作品をどう受け取るのか、全く未知の状態で踏み込んできたのですごく楽しみでもありドキドキしています」と作品に込められた熱い想いを告白。

そして、本作の見どころである“人間ドラマ”について江口さんは「ドラマの方がより一人一人の人物を深く描いています。大沢くんが演じている海江田という役は鬼神のようです。何を考えているのか分からないようなそのキャラクターが世界各国でどのように受け止められるかが楽しみですね」とコメント。

中村さんも「海江田艦長は多くを語らないミステリアスな人物で、言葉では表現できないカリスマ性がありました。完全版ではそんな海江田の迷いや人間らしさが回を追うごとに垣間見えるので、海江田という人間をより知りたくなるという部分が見どころだと思います。海江田が陸に上がって日本政府と会談するシーンは緊張があって一視聴者として魅了されました」と“人間ドラマ”の中心となる海江田に対する印象を打ち明けた。

「沈黙の艦隊」より
(C)2024 Amazon Content Services LLC OR ITS AFFILIATES.原作/かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』(講談社「モーニング」所載)

海江田をはじめとした個性豊かなキャラクターが物語を思いもよらぬ方向に導いていく本作にちなんで、MCから「どのキャラクターやシーンに心を動かされたか?」と聞かれた笹野さんは、「やはり海江田と海原です。私の演じる竹上首相が海江田と対面するシーンの撮影まで、大沢さんにご挨拶ができていなかったんですよ。そして大沢さんと実際に対面するとイメージ通りの海江田で『この人と会談しなければいけないのか!』と目が離せませんでした。あの日の緊張感が今でも目に焼き付いています。多分スタッフが緊張感を生むために図ったと思うので感謝しています」と撮影当時のエピソードを振り返った。

さらに夏川さん、前原さんは「私も海江田ですね。海江田の衣装で大沢さんが入られたときに、鳥肌が立ちました。何を発言して、何を要求してくるのか分からない得体の知れなさを持っていて、待っているだけなのに恐怖を感じてしまう。そのような感覚の撮影は久しぶりでした」、「皆さんのシーン全てが素晴らしかったです。二日に分けて観ようかと思っていましたが一日で全話見切ってしまいました。キャラクターはもちろんなんですけど戦闘シーンを含めた映像表現が本当に素晴らしいんですよね! 映像チームのプロフェッショナルな仕事ぶりに心を動かされました。」と明かした。

そして、本作が世界へ向けても配信される意味について、主演のみならずプロデューサーも兼任した大沢さんは「ネットが普及した時代になって一つの作品が世界中に届くようになりました。その一方で日本人として誠実に一つの作品に向き合わないとなかなか世界に認められない時代にもなりました。その中で30年前の『沈黙の艦隊』という作品をかわぐち先生からいただいて、世界に何を発信できるのかと考え続けてきました。その思いがようやく形になりました。我々は曖昧な表現もせずに後悔もなくやり切っています。劇場で流しても遜色ないクオリティに仕上がっています。すべてが挑戦だった作品なので明日配信を迎えるのが楽しみです」と、世界でも戦える作品に仕上がっていると自信を覗かせた。

「沈黙の艦隊」より
(C)2024 Amazon Content Services LLC OR ITS AFFILIATES.原作/かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』(講談社「モーニング」所載)

イベントが進むと、本作が“潜水艦内”や“日本政府”などさまざまな組織の個性豊かなリーダーが描かかれていることにちなんで、やまと艦長海江田、たつなみ艦長深町、官房長官海原の3名のキャラクターから“理想の上司”を聞くトーク展開に。

そして一斉に回答の札を挙げると、深町に4票、海原に2票、主人公である海江田は1票のみという驚きの結果に。

唯一海江田に投票した中村さんは「海江田は多くを語らないので、自分の選択が合っているのか間違っているのか分からなくなるんですが、付かず離れずの関係が自由でいいんですよね。入社1、2年目くらいは熱い上司に憧れたりするものですが、3、4年目くらいになれば自由にやらせてくれる海江田のような上司の方がいいと気付くはずです(笑)。長く会社にいると程よい距離感で好きなようにやらせてくれて、たまに海江田のように褒めてくれる人が上司だといいと思います」と劇中さながらの海江田への思いを明かした。

そして原作『沈黙の艦隊』の原作者であり、数々の大ヒット漫画の生みの親であるかわぐちかいじ先生から豪華キャスト陣への手紙が到着。

大沢さんが代読した手紙には「劇場公開された『沈黙の艦隊』最大の山場は、世界に発信された海江田『やまと』の“独立国家宣言”でした。そして完成したこのドラマ版のハイライトは、その『やまと』と日本との条約交渉です。交渉に向け、『やまと』は東京湾に浮上します。核テロリストとして葬ろうとするアメリカ。世界の眼(め)が東京湾に注がれるなか、追い込まれた日本が『やまと』と日本国民を守るために選択した政治的決断とは何か!? 『やまと』が日本を動かし、日本が世界を動かす、このドラマ最大の山場です。大沢さん、キャストの皆さん、そして制作スタッフの皆さん、東京湾の激戦の大迫力とともに、条約交渉の場面をあふれる緊張感とみなぎる現実感で仕上げていただいたこと、感謝いたします。ご苦労様でした」と、本作の見どころと制作陣への感謝の言葉が綴られていた。

思いを受けた大沢さんは「最初に先生にごあいさつした時に30年間大切にしていた我が子を手放すような寂しい表情をされていたことを覚えています。それが映画版を観に来ていただいたときにものすごく笑顔で出てきてくださいました。このようにお手紙をいただけたこと本当に感謝しています。ほとんど我々の映像チームの一員として参加して下さったので、いつも温かく見守っていただいてありがとうございました」と、かわぐち先生への感謝の言葉を伝えた。

最後には、キャストを代表して大沢さんから「この作品にはキャスト全員の想いが詰まっています。一人でも多くの人に見ていただいて、ネットにも書き込んでいただきたいです。その評価が良ければ続編に繋がる可能性も高くなるかと思います。是非明日からの配信をお楽しみください」と、視聴者へのメッセージが贈られ、配信記念イベントは幕を閉じた。